ひと目でわかる花と野菜の病害虫
=大阪府園芸植物病害虫図鑑=
大阪府植物防疫協会
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花 アイリス類
白絹病・アブラムシ類
白絹病 <被害の特徴と発生生態> 地際部の葉鞘が色あせ、しだいに淡褐色から褐色に変色し、内部に腐敗が進む。地上部の葉はしだいに黄変し、やがて株はしおれて枯れる。 地際部には白色綿毛状の菌糸が蔓延し、淡褐色で粟粒状の菌核が多数形成される。 病原菌は高温多湿条件下で繁殖力が旺盛で、盛夏時に発生が多い。菌核が土壌中に残り、翌年の発生源となる。 <防除> 高畝栽培をし、水はけをよくする。 被害株を除去し、株回りの菌核はていねいに取り除く。ほ場を湛水すると発生が減少する。 アブラムシ類 <被害と虫の特徴> 株元の葉に長さ1~2ミリのうすい緑色の虫が群生して吸汁する。 数十匹~数百匹の集団をつくるため、株はしだいに衰弱して小さくなる。 軒下、ベランダのような雨が直接あたらない所で発生しやすい。 チューリップヒゲナガアブラムシの発生が多い やや小形のムギワラギクオマルアブラムシが発生することもある。 |
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立枯病 <被害の特徴と発生生態> 地際部の茎が褐色~黒褐色に変色し、腐敗する。被害株は、萎ちょうし枯死する。 花壇などでは被害が円形に広がり、坪状に被害が発生する。発病は5月頃の気温の上昇する時期から多く認められる。 <防除> 株が繁茂すると、株間が高温多湿となり発生が増加する。茎を間引いて通風を良くする。 罹病株は早めに除去する。 青枯病 <被害の特徴と発生生態> 日中、株が急に萎ちょうするようになり、やがて青枯状になって枯死する。 盛夏時を中心に高温多湿条件下で多発し、急速に伝染する。 <防除> 病原菌は土壌伝染性の細菌で、土壌中に生息して伝染を繰り返す。 発病圃場では、繰り返し被害が発生することがある。 移植時に根を傷めると発生しやすい。 斑点病 <被害の特徴と発生生態> 葉に灰白色~白色で周辺が赤紫色~褐色の円形病斑が生じる。 病斑が多数できると葉が黄化して落葉する。 多湿条件下では病斑上に灰色のビロード状のかびが生じる。 <防除> 肥料切れの圃場で被害が多くなる。生育期には肥料切れしないように管理する。 斑点のたくさんできた被害株は除去する。 |
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ホコリダニ類 <被害と虫の特徴> はじめは新葉がねじれて小さくなる。被害が進むと新葉の展開が止まり、いわゆる芯止まりになる。 芯止まりになると花つきも急激に悪くなり、花が少なくなる。 ダニは新芽の先端に寄生しているが、非常に小さくて肉眼では見つけることはできない。 ベランダ、軒下など雨が直接あたらない所で栽培すると発生が多くなる。 <防除> 芯止まりの発見が早ければ、被害茎を切り取り、雨のあたる所に移動すると発生が抑えられる。 ベニスズメ・セスジスズメ <被害と虫の特徴> 黒褐色の大きな虫が葉を激しく食害して丸坊主にするため、太い茎のみになる。また、株元には大きな黒い虫糞が散乱する。 両種とも体の表面は黒褐色でビロードのような感じで、尾端に角のような突起がある。この突起はスズメガ類の特徴である。 セスジスズメは体の上に7対の明瞭な黄色の眼状紋(目玉模様)があるのに対し、ベニスズメは2対の紋のみである。 <防除> 被害が大きくても幼虫の数は少ないので、幼虫を見つけて捕殺する。 |
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斑点病 <被害の特徴と発生生態> 葉、茎、つぼみのがくに発生する。はじめ下位葉に油浸状の小斑ができ、やがて淡黄色または淡褐色の円形~楕円形の斑点ができる。 病斑が大きくなると、葉や茎はねじれ、やがて枯死する。 茎では分岐した芽に発生しやすく、侵された芽は変色して枯死する。 病斑上には黒い粉状のカビが生じる。多発すると下葉から枯れ上がり、商品価値が低下する。 露地栽培では9~10月に発生が多い。 被害葉や茎の中で病原菌が越冬する。 風雨により病原菌が飛散し、伝染する。 <防除> 病斑のできた葉や茎は摘み取り、処分する。 ハウス内では換気し湿度を下げる。 さび病 <被害の特徴と発生生態> 葉や茎に褐色の小斑点ができ、やがて褐色の縦に長い大きな斑点となる。 病気が進むと、病斑が破れて、褐色粉状の病斑となる。 被害葉上で越年し、翌年の伝染源となる。 ナデシコ類、セキチクにも発生する。 <防除> 病斑のできた葉は早めに摘み取り、処分する。 |
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立枯病 <被害の特徴と発生生態> 地際部の茎や地上部の分岐した茎にオレンジ~ピンク色の粉状のカビができる。やがて、その部分が腐敗し、侵された茎はしおれる。 土壌中に病原菌が残り、伝染する。 萎ちょう細菌病 <被害の特徴と発生生態> 葉が生気を失い、葉色が薄くなり枯死する。 根や茎がとけるように腐敗し、茎の表皮をはぐと、白い粘液状の細菌の塊が見られる。 土壌、挿し芽、刃物による接触により伝染する。高温期に発生する。 <防除> 発病を認めたら、株を土ごと除去する。 萎ちょう病 <被害の特徴と発生生態> 葉や茎がしおれ、やがて枯死する。茎の片側だけの葉がしおれることが多い。 被害株の茎を切ってみると、茎の中が輪状に褐変している。高温期に発生しやすい。 土壌中に病原菌が残り、伝染する。 <防除> 立枯病の防除を行うと発生は少ない。 抵抗性品種の利用が効果的である。 |
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ハダニ類 <被害と虫の特徴> 葉の裏に体長0.5ミリの小さな赤いダニがたくさん寄生し、吸汁するので葉が白くなる。 多発すると茎やつぼみの先端に群らがり、クモのように糸をはいて葉を覆うこともある。 夏に発生が多いが、ハウス内では一年中発生する。 アザミウマ類 <被害と虫の特徴> 開花直前のつぼみが先端から白くなる。開花しても白斑が花びらに残る。 つぼみの中や花びらの間に長さ1ミリの細い黄色の虫がいる。 多発すると花が奇形になったり、開花しないまま腐敗する。 シロイチモジヨトウ <被害と虫の特徴> 葉に穴があく。 葉や地際部に淡緑色のイモムシがおり、成長すると体長は3センチに達する。 <防除> 見つけしだい幼虫を捕殺する。 |
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ハンエンカタカイガラムシ <被害と虫の特徴> アジアンタムなどのシダ植物の葉裏に長さ2~3ミリ、黄色~褐色のドーム状の虫が数十~数百匹群生して吸汁する。 体の表面が硬くなっているのが成虫で、幼虫はやや偏平で柔らかい。 冬期以外は常に大小いろいろな生育段階の虫が見られる。 アオキシロカイガラムシ <被害と虫の特徴> ヤシ類やゴクラクチョウの葉に直径1~2ミリ、白色、偏平な虫が点々と付着する。 虫は固着したままで養分を吸うため、虫の寄生した部分は黄化する。 ナガオコナカイガラムシ <被害と虫の特徴> ドラセナ、クロトンなど多くの観葉植物の新芽、葉裏、葉の付け根に長さ3~4ミリ、白色、ワラジ状の虫が群生して吸汁する。 排泄物にすす病が発生し、虫の周囲はいつも黒く汚れる。 一般にカイガラムシ類は移動することはないが、コナカイガラムシ類には脚があり、自由に歩きまわることができる。 <防除> 体の上にいつも殻を背負っているので防除の難しい虫である。 発生に気づいたらピンセットや歯ブラシで虫をこすり落とすのが最も効果が高い。 虫は植物に付着して移動するので、観葉植物を買うときにはよく調べて、虫の付着していないものを選ぶ。 |
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黒斑病 <被害の特徴と発生生態> 露地栽培のキクで最も発生が多い病害である。夏ギクで被害が少なく、秋ギク、寒ギクでは被害が多い。 葉に暗褐色~黒褐色の小斑点ができ、しだいに拡大して直径3~15ミリの円形~長円形または不整形の黄褐色~褐色の病斑となる。健全部分との境は明瞭である。 病斑が多数できると落葉する。多発すると下葉から葉が枯れ上がり、株上部の葉を残すのみとなる。 病斑上には黒点(柄子殻)が見られる。 病原菌の生育適温は24~28℃ぐらい。病原菌は柄子殻で越冬し、風雨により土壌から胞子がはね上げられ感染する。 <防除> 発病葉や茎は除去する。 下葉の風通しをよくする 褐斑病 <被害の特徴と発生生態> 発生時期、病徴とも黒斑病に類似している。 黒斑病に比較し病斑の境界部がやや不鮮明である。黒斑病と同時に発生することもあり両者の区別は難しい。病原菌は黒斑病と同属の菌で顕微鏡で観察しないと区別できない。 <防除> 発病葉を除去する。 下葉の風通しをよくする |
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白さび病 <被害の特徴と発生生態> 施設栽培で発生が多い。施設では盛夏時にやや発生が減少するが、一年中発生する傾向がある。露地栽培では初夏と秋期に多い。 葉の表面に黄緑色~淡黄色の病斑ができ、裏面は白色で隆起したイボ状の病斑(冬胞子層)になる。やがて、病斑は肌色~淡褐色になる。 病斑が多数できると葉が巻き上がり、奇形となり、枯れることがある。 発病適温は17℃前後で、過湿条件下で多発する。 <防除> 親株の防除を徹底し、健全株を育てる。 ハウスでは過湿にならないようにする。 発病葉は早めに取り除き、処分する。 黒さび病 <被害の特徴と発生生態> 露地栽培で発生が多い。5~6月頃および気温の低下する秋期に発生する。 葉に黄緑色~淡褐色の小斑点ができ、病斑裏側に盛り上がった小さな褐色~黒褐色の斑点ができる。裏側の病斑の表皮が破れ茶褐色~暗褐色の粉状の胞子ができる。多発すると葉がねじれたり、奇形になって枯れ上がる。 <防除> 被害葉を取り除き、過湿にしない。 |
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菌核病 <被害の特徴と発生生態> 地際部の茎が侵され、下葉から黄化してしおれ、株は枯死する。 枯れた茎を割ると白いかびが認められ、所々にネズミの糞のような菌核が見られる。 病原菌の菌核が土壌中で越冬し、伝染源となる。発病は20℃前後の多湿条件で多くなる。 <防除> 被害茎葉を除去する。 ハウス栽培では換気して、湿度を下げる。 根頭がんしゅ病 <被害の特徴と発生生態> 夏ギクで発生が多く、地際部の茎や根にコブが生じ、多発すると株が生育不良となる。 病原菌は土壌伝染する細菌で、バラにも感染し根頭がんしゅ病を発生する。 <防除> 罹病株からの繁殖を避ける。 えそ病 <被害の特徴と発生生態> 葉が黄化し、輪紋状のえそ(褐色になる)が生じる。えそは蕾、茎にも見られる。 病原体はウイルスで、アザミウマ類で伝染し、主に生育後期から着蕾期に発生する。 キク科作物の他、ナス、トマトなどにも感染する。 <防除> 罹病株からの繁殖を避ける。 アザミウマ類を防除する。 |
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アブラムシ類 <被害と虫の特徴> 茎の先端に小さな虫が密集している。 吸汁のため芽の生育が衰え、茎の伸びが悪くなる。また排泄物や虫の抜け殼が付着するので葉が汚れる。 赤褐色のキクヒメヒゲナガアブラムシや黄色または緑色・黒色のワタアブラムシなどが寄生する。 ワタアブラムシは花の中に潜って吸汁するため、花びらの伸びや花もちが悪くなる。 ハダニ類 <被害と虫の特徴> 葉が白くなる。葉の裏には体長0.5ミリの小さな白っぽいダニがいる。 多発するとクモのように糸を吐いて、花や葉を覆うこともある。 ハウスの中など雨のかからない高温、乾燥になりやすい場所で発生が多い。ベランダや軒下の鉢栽培でしばしば多発する。 |
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キクモンサビダニ <被害と虫の特徴> 葉の色が輪紋状に薄く抜けるので、一見モザイク病か肥料の養分欠乏のように見える。 肉眼では見えない非常に小さなダニが芽の中や新葉に寄生して吸汁する。 被害を受けた部分が葉の成長にともなってしだいに大きくなり、モザイク症状となる。 <防除> 苗による持ち込みに注意し、さし芽は健全株から採る。 ハガレセンチュウ <被害と虫の特徴> 葉の一部が褐変し、しだいに広がっていくが、その周囲が太い葉脈で明確に仕切られているのが特徴である。 被害は初め下葉から始まり、上位の葉へと進み、多発すると株全体が枯死する。 体長1ミリの細長いセンチュウが葉の内部に寄生する。 枯葉内で越冬し、春になると新しい葉に寄生する。 <防除> 苗による持込みに注意し、さし芽は健全株から採る。 |
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キクスイカミキリ <被害と虫の特徴> 5月、新芽の先端がしおれて枯死する。この茎を引っ張ると茎の途中から簡単に折れる。 カミキリムシの成虫が産卵時に茎を傷つけることによって被害が生じる。 成虫は体長1センチ、黒色で細長く、背中に赤い斑点がある。 幼虫は茎の内部を食害しながら株元まで行き、株元の茎の中で越冬する。 野生のヨメナやノギクにも寄生するため、山に近いほ場で発生が多い。 <防除> ほ場周辺の雑草を除去する。 株元の茎内で越冬するため、古株を処分する。 ミナミキイロアザミウマ <被害と虫の特徴> 葉に白いひきつれたような傷が見られる。 黄色で長さ1ミリの小さな虫が新芽に寄生し、その食害痕が葉の生長につれておおきくなって傷になる。 土中で蛹になる。 <防除> ほ場周辺の雑草を除去する。 ビニールなどで土壌表面を覆い、土中で蛹になるのを防ぐ。 |
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オオタバコガ <被害と虫の特徴> 幼虫が葉や新芽を食い荒らし、花蕾や花に食入する。 幼虫は緑色または褐色で、成長すると体長は4センチになる。 <防除> 葉や花蕾に発生している幼虫を見回って捕殺する。 防虫ネットにより成虫の飛来を防ぐ。 シロイチモジヨトウ <被害と虫の特徴> 幼虫が葉や新芽を食い荒らす。 卵は100個くらいの塊で葉に産みつけられるので、卵からかえった幼虫が集団で葉を食べる。 幼虫は緑色で、成長すると体長は約4センチになる。 <防除> 幼虫が集団で発生している葉を切りとって処分する。 防虫ネットにより成虫の飛来を防ぐ。 ミカンキイロアザミウマ <被害と虫の特徴> 葉では吸汁された部分が褐変する。 花では花弁の色が褐変したり、脱色したりする。 体長は1~2ミリで細長く、体色は成虫では黄褐色、幼虫では黄白色である。 <防除> 圃場内や周辺の除草を行う。 畝面をマルチして土中での蛹化を防ぐ。 |
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ホコリダニ類 <被害と虫の特徴> 黄色になるべき花が黄褐色のさえない花になる。これは、ダニが花びらの間にいるためである。公園や道ばたの花壇の花でも多発することがある。 赤色の花でも発生し、色づき始めた花が褐色になり、被害の激しい時には十分開花せずに枯死する。 新芽に寄生すると、新葉は縮れて細い葉になる。 ダニは長さ0.2ミリで、顕微鏡を使わないと見えない。被害が出た花や茎では、その先端部に数十匹のダニが寄生している。 <防除> 軒下など雨のかかりにくい場所で栽培すると発生が多くなるので、雨の当たる所に移す。 シロオビノメイガ <被害と虫の特徴> 葉の裏側に長さ1~2センチのアオムシが寄生して葉の裏側のみを浅く食害する。そのため、上から見ると葉の一部が窓のように透けて見える。 多発すると食害を受けた部分は抜け落ちて、穴があく。 成虫は1円硬貨ぐらいの大きさの茶色の蛾で、翅に白い帯があり、葉を揺り動かすと飛び出す。 <防除> 葉の被害に注意し、葉裏の幼虫を捕殺する。 |
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うどんこ病 <被害の特徴と発生生態> 葉や茎が小麦粉を振りかけたように白くなる。 多発すると葉が汚れ鑑賞価値が低下するとともに、下葉から黄化し、やがて枯れる。 高温乾燥条件で発生が多くなる。 <防除> 被害株を除去するとともに、肥料切れに注意する。 ユキヤナギアブラムシ <被害と虫の特徴> 茎の先端の新芽の部分に体長1ミリの緑色の虫が数十~数百匹の集団をつくる。 虫が寄生した新芽は赤くなるとともに、団子状になってねじれる。 カンザワハダニ <被害と虫の特徴> 葉に長さ0.5ミリの小さな赤色のダニが寄生して吸汁するため、しだいに葉の色が抜けて白くなる。 下葉での発生が多く、吸汁された葉は褐変して枯れる。このため、下半分が枯れて上の方だけ緑色に残っている株がよく見られる。 |
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ワタアブラムシ <被害と虫の特徴> 花びら、がく(花びらのように見える)、花穂に体長1ミリの小さな虫が集団を作って寄生し、吸汁する。 花や葉が虫の排泄物と虫の抜け殻によって汚れる。 カンザワハダニ <被害と虫の特徴> 葉の一部が点状あるいはカスリ状に白く色が抜け、葉の裏側に赤色の0.5ミリの小さなダニが寄生する。 ホコリダニ類 <被害と虫の特徴> 初期の被害はがくの色がカスリ状に白く抜ける。被害が進むとがくの肥大が止まり、花びらの突出もなくなり、最後には花穂もねじれて、伸びが止まる。 虫は名前のとおりホコリのような小さなダニで、肉眼では見つけることはできない。 軒下、ベランダのような雨が直接あたらない所で栽培すると多発しやすい。 <防除> 鉢を雨のあたる所に移す。 |
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炭そ病 <被害の特徴と発生生態> 葉に褐色の円形病斑ができ、大きくなると直径約5ミリの輪紋のある病斑となる。茎には周辺部が紫褐色のややくぼんだ病斑ができる。 塊茎表面にも暗褐色の円形~楕円形の病斑ができ、塊茎は柔らかくなって腐敗する。 多発すると株の生育が悪くなり、葉をゆがめたり、枯死することもある。 春や冬の湿度が高い時期に発生しやすい。 <防除> 室内の風通しをよくし、湿度を下げる。 灰色かび病 <被害の特徴と発生生態> 花びらでは淡褐色の小斑点ができ、やがて全体が水浸状になって腐敗する。多湿条件下では腐敗した花に灰色のカビが生じる。 花柄や葉柄では暗紫色で水浸状の病斑ができ、病斑部分はくびれたり、腐敗してくぼむ。葉は黄化して垂れ下がり花柄も倒れる。 多発すると葉柄はゆがみ、ひどい場合は株元が侵され、株全体が枯死する。 20℃前後の多湿条件で発生しやすい。 <防除> 下葉を除去し、風通しを良くする。 ハウスでは換気を行い湿度を下げる。 |
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ラージパッチ(葉腐病) <被害の特徴と発生生態> 日本芝に4月中旬~5月初旬にかけて発生する。夏は発生がほとんどおさまり、秋になると再び増加する。 褐色の斑点が芝地の所々にでき、大きくなると直径4~5メートル大にもなる。 病気の芝を持ち込むことによって発生することが多い。芝刈機、サッチによっても広がっていく。 葉枯病 <被害の特徴と発生生態> 4月中旬頃から発生し、6~7月下旬に多発する。芝地に淡褐色から褐色の不定形の被害部が現れる。健全部との境がはっきりしない。 ダラースポット <被害の特徴と発生生態> 洋芝(ベントグラス)に直径5センチ大の円形の褐変した被害部ができる。 4月下旬頃から発生し、盛夏時はやや少なくなるが、9月以降多発する。 |
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スジキリヨトウ(シバヨトウ) <被害と虫の特徴> 草丈の長い所や樹木の根元付近で発生が多い。 芝地の一部がスポット状に褐色になって枯れる。病気とまぎらわしいが、よく見ると葉が食い荒されているので区別できる。 幼虫は年3回発生し、7~8月の発生が多い。芝草の根部付近におり、地上部には出てこない。 <防除> 芝地を作る時には幼虫が寄生していない芝を選び、虫の持ち込みに注意する。 6~9月に幼虫密度を下げるために芝を刈り込む。 シバツトガ <被害と虫の特徴> 幼虫が芝の新芽の軟らかい部分や地際部の茎葉を食べるので、芝が枯れる。 幼虫は年3~4回発生し、8~9月の発生が多い。 <防除> 芝地を作る時には幼虫が寄生していない芝を選び、虫の持ち込みに注意する。 |
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シバオサゾウムシ <被害と虫の特徴> シバが褐変して枯れ、引っ張ると簡単に抜ける。根にかじられた痕があり、根は短く、少なくなっている。 周辺の土を掘り返すと幼虫が見つかる。体長1センチ、体が白く、頭が赤い。脚はなく、体はくの字型にやや曲がっている。 成虫は体長8ミリ、体は硬く、黒褐色または灰色である。頭がちょうど象の鼻のように長く伸びているのでゾウムシという名がついている。 コガネムシ類 <被害と虫の特徴> シバが褐変して枯れ、根が食い荒される。8~9月の被害が大きい。 土を掘り返すと幼虫が見つかる。体長1~4センチ、体が白く、頭は黄色で、体はU字型に曲がる。シバオサゾウムシに似るが、脚が3対あるので見分けることができる。 成虫はブイブイとも呼ばれ、カブトムシの仲間である。 シバを加害するコガネムシ類は10種類以上が知られており、マメコガネ、ヒメコガネ、ドウガネブイブイの被害が大きい。 |
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茎腐病 <被害の特徴と発生生態> 気温の高くなる7月頃から発生が見られる。 はじめ茎の地際部が褐色水浸状になり、そこからくびれて腰折れ状態となる。 発病部分はやがて褐色から黒褐色になり、軟腐状態となって株全体がしおれて枯死する。 株によっては根部も侵されて褐変し、細根が少なくなる。 <防除> 病原菌は発病した株内に卵胞子を形成して土壌伝染する。栽培には新しい土を用いる。 水のやりすぎなど過湿状態にすると発生しやすいので、水はけのよい土を用いる。 ヨトウムシ(ヨトウガ) <被害と虫の特徴> 5~6月、葉に大小の穴があき、ときには葉がまったく無くなるほど食害されることがある。 食害された葉の裏側を見ると長さ1~4センチの緑色または褐色・黒色の幼虫が見つかる。通常、昼間は葉裏でじっとしており、夜間に活動して葉を食い荒らす。 葉の被害が大きいにもかかわらず虫が見つからないことがあるが、これは虫がすでに大きくなり、昼間は土の中に潜んでいるためである。 <防除> 葉の食害に気づいたら、被害葉とその周囲の葉を調べて虫を捕殺する。 虫が見つからないときは、夜8時頃に見回り、葉の上の虫を捕殺する。 |
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疫病 <被害の特徴と発生生態> 茎の地際部や葉柄の基部、葉の縁が水浸状となり、暗緑色~褐色となって腐敗する。 株元を侵された場合には急速にしおれ、やがて枯死する。 <防除> 鉢植えでは水はけのよい土を用いる。 コナカイガラムシ類 <被害と虫の特徴> 葉や葉柄に白い綿状の小さな虫が付着する。 風通しや日当たりの悪い所で発生が多い。 <防除> ピンセットや歯ブラシなどで虫をこすり落とす。 シクラメンホコリダニ <被害と虫の特徴> 芯の葉が大きくならず、肉厚の葉や奇形の葉になる。そのため、株の中央に葉が団子状に固まる。 ダニが寄生するため被害がでるが、このダニは0.3ミリと非常に小さいので肉眼では見えない。 8~9月の高温期に発生が多い。ハウス内では一年中発生する。 <防除> 被害株とその周囲の株を除去し、ダニが他の株へ移動するのを防ぐ。 |
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モザイク病 <被害の特徴と発生生態> 花びらに白色や黄色など花本来の色と異なった色が混じり込み、色がうすくなった部分が生じ、いわゆる「斑入り」になる。 葉や花茎でも淡緑色の混じった斑入り症状となる。 <防除> ウイルスはアブラムシ類が媒介するため、アブラムシ類を防除する。 家庭の花壇では被害株を発見しだい抜き取る。 チューリップヒゲナガアブラムシ <被害と虫の特徴> 葉裏または花びらに長さ1~2ミリ、淡緑色の虫が集団で寄生して吸汁する。 多発すると葉の枯れ上がりが早くなる。 チューリップサビダニ <被害と虫の特徴> 開花期になっても花びらに緑色の部分が残り、花びらが奇形になる。 虫は花びら上にいるが、非常に小さいので顕微鏡を使わなければ見えない。 施設栽培で発生することが多い。 |
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萎ちょう病 <被害の特徴と発生生態> 維管束が侵され株全体が萎れ、下葉から枯れ上がる。 罹病株の茎を割ると、維管束部が褐変している。 <防除> 連作を避ける。 病原菌は土壌中に長期間生存するので、太陽熱利用により土壌消毒する。 抵抗性品種の利用が効果的である。 白星病 <被害の特徴と発生生態> 主に葉に発生し中央部が灰白色で周縁部が褐色~濃紫色の類円形の斑点が現れる。 発生が著しくなると、葉はよじれる。 病斑状の柄子殻が伝染源となり、雨滴などにより胞子が飛沫して蔓延する。 <防除> 罹病葉を摘み取り、頭上から潅水は避ける。 さび病 <被害の特徴と発生生態> 主に葉に発生し、茎にも認められている。 はじめ淡褐色の小斑点が生じ、やがて長楕円形でやや盛り上がり、表皮が破れ黄褐色、粉状の胞子塊(夏胞子)が現れる。秋以降には濃褐色の胞子塊(冬胞子)となる。 罹病植物残渣上で胞子が生存し伝染源となり胞子が水滴や風雨で飛沫して蔓延する。 カーネーション、セキチク、ヒゲナデシコ等にも発生する。 <防除> 発病葉は丁寧に取り除き、発病初期の防除に努める。 耐病性品種の導入を図る。 |
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立枯病 <被害の特徴と発生生態> 株の下葉が黄化し、株全体が元気なく萎れたようになる。このような株を引き抜くと、容易に抜け、根は飴色に変色している。 病原菌は土壌中に生息している糸状菌で、15~28℃の多湿な条件下で多発する。 潅水過多、底面給水、苗の植え傷み、肥あたりから発生することが多い。 <防除> 播種床、育苗用土には新しい土を使う。 適湿とならないよう適度な水はけのある土を用いる 根腐病 <被害の特徴と発生生態> 地上部の生育が悪くなり、下葉から黄化する。発病株を引き抜くと、根が黒変している。 病原菌は土壌中に厚膜胞子を形成して土壌伝染する。 <防除> 播種床、育苗用土には新しい土を使う。 過度な潅水をさける 斑点病 <被害の特徴と発生生態> 葉に青白色で周辺が紫色の、明瞭な円形病斑が多数できる。 多発すると葉が黄化する。 病斑上には、黒い小点(柄子殻)ができ、胞子が形成され、雨風や潅水で広がる。 <防除> 病斑のできた葉は取り除く。また、花壇に移植する際には発病株を取り除く。 密植しない。 |
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灰色かび病 <被害の特徴と発生生態> 葉の縁に淡褐色の斑点ができ、しだいに広がり大型病斑となる。湿度が高いと病斑部分には灰色のカビが密生する。 花でも葉と同じような斑点ができ、しだいに広がって枯死する。 20℃前後の湿度の高いところで発生しやすく、ビニールハウスや室内での発生が多い。 灰色かび病は多くの花や野菜に発生し、病斑上に胞子を形成して伝染する。 <防除> 室内の換気を行い、湿度を下げる。 発病葉や咲き終った花びらは取り除く。 ツマグロヒョウモン <被害と虫の特徴> 葉にレンガ色の毛虫が寄生して葉を丸坊主にする。 春から秋まで虫が見られる。 成虫は黄色のやや大型の蝶で、スミレの周囲をよく飛び回っている。 <防除> 見た目は非常に恐ろしい毛虫に見えるが、人畜には無害である。幼虫を捕殺する。 |
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アブラムシ類 <被害と虫の特徴> 葉の裏、新芽や花に黄緑色~緑色の小さな虫が群がって吸汁する。 多発すると激しい吸汁のため葉がしおれ、株全体がしだいに衰弱する。 ベランダや室内など雨のかからない所で発生が多い。 ヨトウムシ(ヨトウガ) <被害と虫の特徴> 葉の縁が大きく食害されるばかりでなく、ときには花びらも食害される。 黒色の大きな糞を葉の上にするため、この糞の有無で虫がいるかいないかが判る。 幼虫の体色は緑色、褐色、黒色で、成長につれて黒くなり、大きくなると体長は4センチにも達する。 幼虫は昼間株元や葉裏に隠れており、もっぱら夜間に活動するため、夜盗虫(ヨトウムシ)と呼ばれる。 幼虫に触れると体を丸める習性がある。 5~6月と10~11月の2回発生する。 <防除> 夜間に見回り、幼虫を捕殺する。 |
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斑点病 <被害の特徴と発生生態> 葉に発生し、はじめ濃褐色の小斑点を生じ、やがて不整形、周縁部が不鮮明な褐色病斑となる。 病斑の裏にはオリーブ色のカビ(胞子塊)が生じる。 <防除> 罹病葉の胞子が雨や潅水で飛沫して伝染するので、発病した葉は早期に丁寧に取り除く。 オオタバコガ <被害と虫の特徴> 幼虫が葉や新芽を食い荒らし、花蕾や花に食入する。 幼虫は緑色または褐色で、成長すると体長は4センチになる。 <防除> 葉や花蕾に発生している幼虫を捕殺する。 防虫ネットにより成虫の飛来を防ぐ。 ハスモンヨトウ <被害と虫の特徴> 幼虫が葉や新芽を食い荒らす。 卵は100個くらいの塊で葉に産みつけられるので、卵からかえった幼虫が集団で葉を食べる。 幼虫は緑色、灰色、黒褐色などさまざまで、体長は1~4センチである。 頭の後ろに一対の小さな黒い斑紋があるので、他のヨトウムシ類と区別できる。 <防除> 幼虫が集団で発生している葉を切りとって処分する。 防虫ネットにより成虫の飛来を防ぐ。 |
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うどんこ病 <被害の特徴と発生生態> 葉に直径1センチ程度の輪郭のぼやけた黄緑色の病斑が現われ、白色のカビが見られる。 やがて葉全体が小麦粉をかけたように真っ白になる。 病気が進むと葉が黄色~淡褐色になり、やがて乾いたようになり枯れる。 <防除> 高温乾燥条件で発生しやすい。肥え切れに注意する。 ワタアブラムシ <被害と虫の特徴> 葉裏に長さ1ミリの黄色または黒色の虫が集団で寄生して吸汁する。 数十匹~数百匹の集団を作り、葉は虫の排泄物と抜け殻が付着して汚れる。 ウリキンウワバ <被害と虫の特徴> 葉の1枚が突然しおれて垂れ下がる。 葉裏に淡緑色のシャクトリムシが寄生し、葉の裏側を浅く食害する。 果実の表面が浅く食害されるため、収穫時には褐色の傷となって残る。 <防除> 幼虫を見つけしだい捕殺する。 |
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ワタアブラムシ <被害と虫の特徴> 花びらに長さ1ミリの小さな虫が集団で寄生して汁を吸う。体の色は一定していないが、灰色または黄色のものが多い。 多発すると花びらに虫の抜け殻が付着するので花が汚くなる。 カンザワハダニ <被害と虫の特徴> 葉裏に0.5ミリの小さな赤色のダニがついて吸汁するため、葉の色がカスリ状に抜ける。多発した時には褐変して枯れる。 ベランダ、軒下のような雨のあたらない所で栽培すると発生が多くなる。 <防除> 鉢を雨のあたる所に移す。 チャコウラナメクジ <被害と虫の特徴> 夜間、株の上に現われて葉や花びらを食害する。小さな苗では致命的な被害となる。 開花中の花では、花びらに粘液が付着して汚れる。 <防除> 夜に見回って捕殺する。 |
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葉枯病 <被害の特徴と発生生態> 葉に赤褐色の円形~楕円形のくぼんだ病斑ができる。病斑は融合し大型の不整形病斑になり、やがて葉が枯れてしおれる。 花茎、つぼみ、花びらにも発生し、赤褐色の楕円形病斑ができ、開花せずに花腐れや茎腐れをおこすこともある。 灰色かび病菌によって発生し、湿度の高い時には被害部分に灰色のカビが見られる。 <防除> 施設栽培で発生が多い。ハウス栽培では過湿にならないよう、敷わらなどでマルチをする。 ワタアブラムシ <被害と虫の特徴> 新芽の先端、つぼみ、葉裏などに長さ1ミリ、黄色または黒色の小さな虫が群生して吸汁する。 多発すると葉の伸びが悪くなり、時には葉が枯れることもある。 葉にたまった排泄物に虫の抜け殻が付着し、すす病を誘発するので美観を損なう。 |
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フリージアモザイク病 <被害の特徴と発生生態> 葉に黄色から白色のかすり状の斑点を生じ、モザイク症状を呈する。 時には、斑紋、すじ状のえそを生じる。 病原体はウイルスで、アブラムシによって伝染する。 <防除> 発病した植物の球根を利用しない。 アブラムシ類の防除を行う。 フリージア首腐病 <被害の特徴と発生生態> 株の地際部が赤褐色になり、拡大して黒褐色のしみ状の病斑となる。株はやがて萎ちょうして腐敗する。 病原菌は、土壌に生息する細菌で、アイリスやグラジオラスにも感染する。 <防除> 発病圃場での球根を採取しない。 グラジオラス首腐病 <被害の特徴と発生生態> 地際部に赤褐色~黒褐色の斑点が生じ、病斑は球根部分に達し、やがて葉鞘全体が褐色になって腐敗し、株は枯死する。 病原菌は細菌で、春~秋にかけての高温多湿条件下で発生する。 <防除> 発病圃場での球根を採取しない。 |
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褐色腐敗病 <被害の特徴と発生生態> 葉先、葉の縁が水浸状になり褐色になって腐敗する。発病が激しい場合、葉全体が侵され、バルブも腐敗する。鉢、用土などから伝染し、潅水によって胞子が飛散して被害がひろがる。 <防除> 植えかえには新しい植込み材料を使う。 底面給水にする。 葉枯病 <被害の特徴と発生生態> 葉にくぼんだ黒褐色の病斑が生じ、しだいに暗褐色~淡褐色になる。病斑部分には黒色小粒点が多数できる。 発病が激しいと病斑は融合し、不整形の大型病斑となり、葉全体が枯れ上がる。 <防除> 病斑部分にできた胞子が飛散して伝染する。日焼けや高温障害、寒さが原因で発生するので、管理に注意する。 炭そ病 <被害の特徴と発生生態> 葉の先端部に褐色小斑点ができ、拡大して円形の病斑となる。やがて、融合して大型病斑となり葉先から枯れる。病斑上には小黒点ができ、多湿条件では鮭肉色の胞子塊ができる。 <防除> 日焼けや寒害などで衰弱した株に発生するので管理に注意する。被害葉を除去し、過湿に注意する。 |
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ナガクロホシカイガラムシ <被害と虫の特徴> 葉全面に長さ1.5ミリ、淡褐色、楕円形の偏平な虫が葉脈にそって付着し、吸汁する。 観葉植物など温室で栽培される多くの植物に寄生する。 タブカキカイガラムシ <被害と虫の特徴> 葉に長さ3~4ミリ、褐色、楕円形の偏平な虫が寄生して吸汁する。多発すると1枚の葉に数十~数百匹の虫が寄生する。 長さ1ミリ、白色、ロウ質の細長い虫が群生しているのがしばしば見られるが、これは雄の終齢幼虫である。 <防除> 植物について移動するので、虫を持ち込まないようにする。 多発した葉は切り取って処分する。 発生が少ない時は歯ブラシ、へら、ピンセットなどでこすり落とす。 アブラムシ類 <被害と虫の特徴> つぼみ、開花中の花びらに長さ1~2ミリの小さな虫が群生して吸汁する。 虫の抜け殻、排泄物による汚れとすす病が問題になる。葉には寄生しない。 ワタアブラムシ(灰色または黄色)、チューリップヒゲナガアブラムシ(淡緑色)、モモアカアブラムシ(緑色)などが寄生する。 |
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ウイルス病 <被害の特徴と発生生態> 葉にリング状の斑紋が生じ、斑紋の中心部が盛り上がる。 花びらでは激しい斑入りとなることがある。 株分けや発病植物に触れたハサミや鉢流れ出た水などから伝染する。アブラムシ類による伝染はしない。 炭そ病 <被害の特徴と発生生態> 葉と芽に発生する。葉に淡黄色の病斑ができ、しだいに拡大して暗褐色~灰褐色の病斑になる。 病斑は融合して大型の不整形病斑となることがある。 <防除> 冬季の寒さや夏期の高温障害、日焼け、肥料切れが原因で発生するので、栽培管理に注意する。 ランシロカイガラムシ <被害と虫の特徴> カトレア、デンドロビウム類のバルブ、特に葉がバルブに接している部分のすきまに直径2ミリ、白色、円盤状の虫が数十匹寄生して、吸汁する。 排泄物にすす病が発生するため、葉やバルブは黒く汚れて、美観を損なう。 <防除> 植物について移動するので、虫を持ち込まないようにする。 多発した葉は切り取って処分する。 発生が少ない時は歯ブラシ、へら、ピンセットなどでこすり落とす。 |
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軟腐病 <被害の特徴と発生生態> 茎、葉、バルブに発生する。はじめ新葉がしおれ、やがて株全体が急激にしおれ、数日のうちにバルブ内部が腐敗する。 腐敗したバルブは特有の臭いがある。腐敗したバルブは内部が溶け出し皮だけとなり、ミイラ化する。 ファレノプシス、シプリペディウムなどで発生が多い。また、夏期の高温時に発生が多くなる。 <防除> 被害部分を切り取って処分する。 葉などを傷つける害虫の防除を十分に行う。 葉に直接水をかけないようにする。 チャコウラナメクジ <被害と虫の特徴> 新芽やつぼみがえぐり取られたように食害される。また、開花中の花や花びらが食い荒されてボロボロになる。 食害部分にナメクジ特有の粘液物を残すため、ヨトウムシ類の被害と区別できる。 |
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炭そ病 <被害の特徴と発生生態> 葉や花に多数の直径1~2ミリの円形、周辺部が紫色~褐色、中央部が灰褐色~灰白色の病斑ができる。病原菌は雨しぶきで伝染する。 <防除> 被害葉は枝ごと切り取り、処分する。 うどんこ病 <被害の特徴と発生生態> 葉の表面に白色粉状の病斑ができ、しだいに拡大して葉全体を覆う。 発生は梅雨期から秋まで続くが、盛夏時には停止する。秋期に病斑部に黒色の小さな粒(子嚢殻)が形成される。 <防除> 秋に落葉を集めて処分する。 アオバハゴロモ <被害と虫の特徴> 新梢や葉裏に集まって吸汁する。幼虫が出す白い分泌物が、虫がいなくなっても枝や葉に残って、美観を損なう。 成虫は体長1センチのうすい緑色で、横からみると烏帽子の形をしている。 幼虫は5~7月、成虫は7~9月に多く見られる。 風通しや日当たりの悪い所で多発する。 <防除> 剪定して風通しや日当たりをよくする。 |
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さび病 <被害の特徴と発生生態> 4~5月に葉と葉の間に舌状、円錐状、または角状の小さい褐色の菌の塊ができる。 この塊は、雨が降ると水を吸収し、著しく膨らんで寒天状になる。乾燥するとまた元の大きさになる。 多発すると菌の塊が目立つようになり、美観を損なう。 <防除> 病原菌はナシ、ボケ、カリンなどの植物がないと生活できないので、これらの植物を近くに植えないようにする。 病原菌はナシなどバラ科の樹木に寄生して赤星病を発生させるので、果樹園付近では注意が必要である。 イブキチビキバガ <被害と虫の特徴> 葉の先端が急に褐変して枯れてくる。 枯れた葉には小さい穴があり、この中に体長5ミリのうす緑色の虫が葉の内部を食害している。 年3回発生し、7~8月の食害が激しく、褐変した被害葉はやがてポロポロと落下する。 ビャクシンハダニ <被害と虫の特徴> 体長0.5ミリの小さな赤褐色のダニが葉を吸汁するので、葉の色があせて白っぽくなる。 雨が少なく、乾燥すると多発する。 |
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うどんこ病 <被害の特徴と発生生態> 展開してまもない若い茎葉に発生する。はじめ葉に白色の粉状のカビが生じ、やがて葉全体が白色になり、新しい枝全体が小麦粉状のカビで覆われる。葉はねじれたり奇形になり、やがて枝が枯死する。 成熟した葉では白色の病斑ができる。また、被害葉は落葉が遅く、樹上に遅くまで残る。秋期になると病斑上に多数の黒い小さい粒ができる。 落葉した被害葉が翌年の発生源になる。 風通しや日当たりが悪いと発生しやすい。 <防除> 落葉を集めて処分する。 剪定して、風通しや日当たりをよくする。 首だれ細菌病 <被害の特徴と発生生態> トウカエデの新葉が開いた4月中旬~5月にかけて、新梢に発生する。 葉の基部から葉脈に沿って黒褐色~黒色の水浸状の病斑が現れ、葉柄の基部から幼茎枝に入り病斑が枝をひとまきすると、その上部はしおれる。激しい場合は、新葉をつけた枝がすべてしおれて褐変し、枯れたようになる。 5~6月が低温の年には発生期間が長びき、冷夏の年には夏にも再発することがあるが、通常8月には緑が回復する。 <防除> 樹木では数の少ない細菌病で発生生態に不明な点が多い。他の病害同様、発病した枝や葉の除去は有効と思われる。 |
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モミジニタイケアブラムシ <被害と虫の特徴> 4~5月、新葉・新梢・花に長さ2~3ミリ、赤褐色または黒褐色の虫が群生して吸汁する。 発生が多いと被害葉は小さくなり、黄変する。また、虫の排泄物の上にすす病が発生するため、葉や枝は黒く汚れて美観を損ねる。 6月以降はいなくなったように見えるが、虫は姿を変えて一年中葉の裏側にいる。夏~秋の虫は薄い黄色、偏平で、数が少ないので気がつかない。 カイガラムシ類 <被害と虫の特徴> モミジワタカイガラムシ:長さ8~10ミリ、円形~楕円形の偏平な虫で、灰色の地に黒い模様、または褐色の地に灰色の模様がある。 年1回発生し、5月に雌成虫は綿状の白い卵の袋を持つ。幼虫は5~6月に現れる。 チャクロホシカイガラムシ:体長1~2ミリ、楕円形の偏平な虫で、体色は黄褐色または灰褐色である。雌は体の幅が広く、雄は狭い。 幼虫は年2回発生し、5月と9~10月に現れる。 <防除> 虫をブラシなどでこすり取る。 |
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うどんこ病(表うどんこ病・裏うどんこ病) <被害の特徴と発生生態> カシ類には8種類のうどんこ病が知られている。表うどんこ病は、新芽、若い葉や新梢に白色または灰色のカビ状の病斑ができる。 多発すると、枝全体の葉が白くなり、ときには葉や枝が奇形になる。 病原菌は風によって運ばれ、伝染する。 茎や葉が混み合って風通しや日当たりが悪いところで発生が多い。 裏うどんこ病は病原菌の種類が異なり、葉裏に白色のカビが生える。多発すると、葉裏全体が白色になり、葉の表はやや黄緑色となる。 <防除> この病気で樹が枯れることはないが、樹勢が悪くなる。日当たりと風通しをよくし、病葉は早めに取り除いて処分する。 紫かび病 <被害の特徴と発生生態> 若い葉の裏面に初め白色のカビが生える。 このカビは褐色から濃紫褐色になり、最後には黒褐色となる。 葉の表面には、輪かくが不鮮明な淡黄色の病斑ができる。 この病気はうどんこ病菌の一種が感染して発生する。 <防除> この病気で樹が枯れることはないが、樹勢が悪くなる。日当たりと風通しをよくし、病葉は早めに取り除いて処分する。 |
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マイマイガ <被害と虫の特徴> 幼虫は黄褐色~黒褐色の毛虫で、黄色・青色・赤橙色の小斑点がある。 成長すると体長6センチになり、よく目立つ。 卵からふ化した直後は群生するが、その後は単独行動をとる。 しばしば大発生し、葉を激しく食害して丸坊主にする。 <防除> 毛虫は見つけしだい捕殺する。 幹や枝に産み付けられた黄褐色の卵塊で越冬するので、見つけしだい処分する。 オオトビモンシャチホコ <被害と虫の特徴> 赤と黒の縞模様をもつ幼虫が集団で葉を食害する。 大きな幼虫は長さ5センチになり、大発生して葉を食いつくし、樹が丸坊主になることがある。 外敵に対して体を反らし、臭い液を吐く習性がある。 <防除> 集団で加害するので、幼虫の集団を枝ごと切り取って処分する。 |
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オビカレハ <被害と虫の特徴> 青色がかった毛虫で、背中に橙黄色の細い線が2本ある。 幼虫は枝の分岐部に灰白色で、テントのような巣を作って群がる。 幼虫は成長すると巣を離れ、太い幹の陰に50~200匹集まる習性がある。大きくなると体長6センチになる。 しばしば大発生して集団で葉を加害するため、大きな被害を出す。 <防除> テント状の巣を枝ごと切り取り処分する。 小枝に帯状に産みつけられた灰白色で楕円形の卵を冬期に集めて処分する。 チャハマキ <被害と虫の特徴> 葉を2~3枚綴りあわせた巣の中に、長さ1~2センチ、淡緑色の虫がいる。さわると後方に逃げ、糸を出して落下する。 幼虫は巣内で葉の裏側を食害し、被害部は褐変する。 雑食性のため、広葉樹ばかりでなく針葉樹も加害する。 <防除> 綴られた被害葉を開いて幼虫を捕殺する。 冬でも気温の高い時は食害を続けるので注意が必要である。 |
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ミノガ類(ミノムシ) <被害と虫の特徴> 枝や葉を糸で綴り合わせてミノを作って潜み、体の前半分を乗り出して葉を食害する。 雌は成虫になっても翅や脚がなく、一生ミノの中で過ごし外へ出ることはない。雄は成虫になると黒褐色の蛾となり、雌を求めて飛びまわる。 オオミノガはミノの長さ3.5~5センチ、紡錘形で、主に葉を利用し、枝はあまり使わない。年1回発生し、7~10月に激しく葉を食害する。 チャミノガはミノの長さ2.5~4センチ、円筒形で、小枝を縦にびっしり着けている。4~5月に葉を盛んに食害する。夏に卵からふ化した幼虫は9~10月に葉を食べるが、食べる量は少ない。 <防除> ミノを見つけしだい集めて処分する。特に冬期は見つけやすい。 クリオオアブラムシ <被害と虫の特徴> 新梢や小枝に4ミリの黒色のアブラムシが数十匹群がり、樹液を吸う。 多発すると新梢の伸びが悪く、枝枯れを起こし、樹勢が悪くなる。 人が近づくと尾端を左右に激しく揺り動かす習性がある。 <防除> 幹に産みつけた黒色の卵塊を冬期に木槌で叩きつぶすか、歯ブラシでこすり取る。 |
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ごま色斑点病 <被害の特徴と発生生態> 葉の表面に紅色の小斑点が多数でき、やがて紫紅色~紫黒色で縁どられた灰褐色の3~5ミリの円形の斑点になる。融合して大型病斑になることもある。病斑の中央部には黒色で光沢のあるカサブタ状のものができ、これから白い塊(胞子)が出てくる。 病斑部の裏面は周辺が不明瞭な紫色~紫紅色の不整形の病斑になる。 新葉が次々に発病し、やがて紅変して落葉する。このため、葉の数が少なくなり、樹勢もしだいに衰え、枯れることもある。 被害葉が伝染源となり、新葉の展開期以降雨滴によって広がる。 <防除> 雨よけ栽培にし、マルチをすると発生が減少する。庭木では被害葉を摘み取ったり、落葉を集めて処分する。 さび病 <被害の特徴と発生生態> 葉や枝に発生する。初め小さな退色斑がしだいに橙黄色の円状斑になり、やや膨らんで橙黄色の突起を多数つくる。最後にこれが破れて多量の黄色の粉(胞子)が飛び散る。 葉や枝はねじれるなど奇形になるが、胞子の飛散後は黒色に変色して枯れる。春の被害が大きい。 <防除> 病気の葉や枝は剪定して処分する。 |
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ヘリグロテントウノミハムシ <被害と虫の特徴> 成幼虫とも葉を食害する。幼虫は葉の中に潜って内部を食害するので、その部分が火傷を負ったように褐色に変わる。 成虫は体長3~4ミリ、体は黒色で2個の赤い斑紋が背中にあり、テントウムシによく似ている。後脚が太くなっており、ピョンと飛び跳ねる習性がある。 幼虫は黄白色の偏平な虫で、大きくなると体長5ミリになり、土の中で蛹になる。 <防除> 成虫を捕殺する。 褐変した被害葉は切り取って処分する。 マエアカスカシノメイガ <被害と虫の特徴> 幼虫が若い葉を糸で綴り合わせて巣を作って食害する。葉の表皮を残して食害するため、その部分が褐変して枯れる。 成虫は体長3センチの蛾で、翅は銀白色である。幼虫は体長2センチで、うすい緑色である。 キンモクセイでは4~5月の新葉展開期に発生する。6月以降に展開葉が糸で綴り合わされることがあるが、これはチャハマキという別の虫である。 <防除> 被害の出ている枝葉ごと摘み取って処分する。または、被害葉を開いて虫を捕殺する。 |
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モクセイハダニ <被害と虫の特徴> 葉の汁が吸われ、その部分の色が点状に白く抜ける。多発すると肥料切れのような感じで葉が白っぽくなり、美観を損なう。 樹全体の葉が白くなるほど多発しても、普通は樹が枯れることはない。 成虫の大きさは0.5ミリで非常に小さく、体色は赤色である。5~7月の高温乾燥時に多発する。 建物の陰など比較的雨がかかりにくい所で、しばしば多発する。 ヒイラギハマキワタムシ <被害と虫の特徴> 4~7月、樹内の枝に白色、綿状の大きな塊が並ぶ。 綿を取り除くと、大きさ3ミリ、体の表面を白色綿状のロウ物質で覆われた虫が見つかる。 枝が混み合った場所、風通しの悪い場所で発生が多い。 多発すると枝や葉に付着した排泄物にすす病が発生するので枝幹が黒く汚れる。 |
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てんぐ(天狗)巣病 <被害の特徴と発生生態> 枝の一部が膨らみ、そこから多数の枝がホウキ状に出て、あたかも「天狗の巣」のようになることから、この名前がある。 ホウキ状になった枝の葉は縮れ、裏面に病原菌の胞子ができて伝染する。 ソメイヨシノで被害が著しい。 <防除> 冬から春にホウキ状になった枝やコブを切り取り、処分する。 アブラムシ類 <被害と虫の特徴> ササキコブアブラムシ:4~5月、葉の葉脈に沿って長さ2~3センチ、黄色または赤色の袋状のコブができる。その中には黄色い小さな虫が多数寄生し、吸汁する。 ヤマトコブアブラムシ:5~8月、葉の縁が裏側に縦に巻き込む。その筒の中には黒い小さな虫が多数寄生し、吸汁する。この被害を受けた葉はしだいに褐変し、落葉する。 <防除> ササキコブアブラムシでは虫コブを見つけ次第取り去る程度でよい。 |
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アメリカシロヒトリ <被害と虫の特徴> 6、8、9月の3回、枝先の葉を巻き込んで白いテント状の巣ができ、中に白っぽい毛虫が多数いる。 毛虫は大きくなるとテントから外へ出て広がり、周りの葉を食べる。多発すると、樹全体が丸坊主になる。 <防除> 幼虫が集団でいる巣を枝ごと切り取り処分する。 オビカレハ <被害と虫の特徴> 3~4月に、枝の股のところにテント状の巣ができ、中に青い毛虫が多数いる。 毛虫は大きくなるとテントから外へ出て広がり、周りの葉を食べる。 <防除> 枝にリング上に産み付けられた卵塊を冬期に除去する。 テント状の巣を幼虫ごと取り去る。 モンクロシャチホコ <被害と虫の特徴> 8~9月に赤褐色の毛虫が葉裏に群生し、葉を食害する。多発すると樹全体が丸坊主になる。 <防除> 群生している幼虫を葉や枝ごと切り取り処分する。 |
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うどんこ病 <被害の特徴と発生生態> 葉や新梢に多発する。葉に白色の小斑点ができ、後に葉全体が白い粉で覆われる。つぼみも白い粉で覆われる。 風通しや日当たりが悪いと発生しやすい。 <防除> 日照不足にならないように剪定する。 発病葉を集めて処分する。 サルスベリヒゲマダラアブラムシ <被害と虫の特徴> 主に葉裏に寄生して吸汁する。多発すると葉表、新梢、花にも寄生し、排泄物にすす病が発生するため、葉や枝幹は黒く汚れて美観が悪くなる。 体長1.5ミリ、淡黄色で、成虫の翅には黒い模様がある。 枝上の卵で越冬し、1年に数回発生を繰り返す。 サルスベリフクロカイガラムシ <被害と虫の特徴> 枝や幹に集団で寄生して吸汁する。すす病も発生するので美観が悪くなる。 年2~3回発生する。成虫は体長3ミリ、楕円形で、赤紫色の虫であるが、いつも白色の分泌物で覆われている。 <防除> 虫をブラシでこすり落とす。 多発した被害枝は切り取って処分する。 |
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サンゴジュハムシ <被害と虫の特徴> 4~5月に体長1センチのウジムシ状の幼虫が葉裏から食害し、葉に直径5ミリの褐色の傷痕ができる。 多発すると樹が丸坊主になることがある。 6月に黄褐色の成虫が現れ、幼虫と同じように葉を食害する。 アブラムシ類 <被害と虫の特徴> 5~6月、新芽や新葉に体長1ミリの小さな虫が群生する。 多発すると虫からの排泄物が葉に付着し、すす病が発生するため葉や枝が黒く汚れる。 暗褐色のハゼアブラムシと緑色のユキヤナギアブラムシが発生する。 サンゴジュニセスガ <被害と虫の特徴> 4月に新芽がしおれて枯れる。多発すると樹の大半の芽が垂れ下がる。 しおれた芽の基部には小さな穴があり、中に黄褐色の虫がいる。 6月に幼虫が花を糸で綴って食害する。 <防除> しおれた新芽は切り取って処分する。 |
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白絹病 <被害の特徴と発生生態> 初夏~秋にかけて株全体が生気を失い、新梢がしおれ、葉は黄化し落葉する。やがて株全体がしおれて枯れる。 被害株の根や地際の幹に白色の糸が絡まり、株元付近に淡褐色~褐色の粟粒大の塊(菌核)が多数できる。 病原菌は菌核で越冬・越夏し、菌糸を伸ばして感染する。 <防除> 被害株はていねいに掘り取り、処分する。 未熟有機物を多用しない。 黒点病 <被害の特徴と発生生態> 葉、葉柄、若い枝に発生する。春先の新梢が伸びる時期から秋まで発生する。 葉、葉柄と若い枝に1~3ミリの黒点が多数できる。1葉に数百の斑点ができ、黒点の中央部に白色の胞子の塊が作られる。 被害葉は早期に落葉し、激しいときは展開葉が侵され、新梢頂部の葉を残して落葉する。新梢はねじれて曲がり、しばしば株が枯れることもある。多発すると被害株が次々と枯れ大きな被害になることがある。 一度発病すると、毎年発生を繰り返す。 発病株が翌年の第一次伝染源となり、生育中は被害葉などが伝染源となる。 <防除> 発病すると防除は難しい。 被害株は直ちに掘り取るとともに、落葉も集めて処分する。 |
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ツゲノメイガ <被害と虫の特徴> 幼虫が新梢に糸を張り、葉や新梢を食害する。毎年同じ場所で発生する傾向があり、多発すると樹をを丸坊主にし、ときには樹を枯らすことがある。 年3回発生する。幼虫は体長3.5センチ、頭部は黒色、胴部は黄緑色で、黒い斑紋がある。 <防除> 被害枝を切り取り、処分する。 クロネハイイロハマキ <被害と虫の特徴> 幼虫がイヌツゲの枝先の葉を糸で綴って巣を作り、新葉や新梢を食害する。多発すると樹の生長が止まる。 葉表を残して食害するので被害葉は白っぽく見えるが、後に褐変して、美観を損なう。 年数回発生する。幼虫は体長1センチ、褐色である。 <防除> 被害枝を切り取り、処分する。 チビコブハダニ <被害と虫の特徴> 被害葉は点状に色が抜けて白っぽくなる。多発すると葉色が悪くなり、美観を損なう。 体長0.5ミリの赤褐色のダニで、8~9月に発生する。 建物の陰など雨のかかりにくい場所で多発する傾向がある。 |
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褐色円斑病 <被害の特徴と発生生態> 生け垣や壁にはわせたツタに普通に見られる病害で、多発すると美観を損ねる。 5月中旬から葉に小さな褐色の斑点ができ、しだいに大きくなって直径5ミリの病斑となる。 病斑の周辺部は茶褐色で、その内部が灰褐色になり、6月下旬以降には、病斑上にかなり小さな黒色の粒ができる。病斑は古くなると穴があく。 発病しても葉が早期に落葉することはなく、夏以降も斑点のある葉が残る。 病原菌は発病葉で越冬し、翌年再び胞子を飛散して感染、発病を繰り返す。 <防除> 発病した葉は集めて処分する。放置すると毎年発病する。 トビイロトラガ <被害と虫の特徴> 8~9月、葉が少なくなり、やがて葉身が全く無くなって葉柄のみになる。 葉の食害部を注意して見ると、長さ2~3センチ、頭がオレンジ色で、体全体に黒色と白色の縞模様のある虫が見つかる。 <防除> 葉の食害に気づいたら、被害葉とその周囲の葉を調べて虫を見つけしだい捕殺する。 虫が大きくなると1匹当たりの食害量も多くなるので早期発見がポイントである。 |
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もち病 <被害の特徴と発生生態> 葉、花、枝で発病する。葉ではモチのように膨らんで光沢のある淡緑色~淡桃色になり、後に白い粉が表面を覆う。古くなると、黒く固くなってミイラ化する。 株が枯れることはないが、放置しておくと毎年発生し、花つきが悪くなる。 日当たりが悪い場所、降雨の多い年に発生しやすい。 <防除> 病気にかかった葉や花を見つけしだい切り取り、処分する。 褐斑病 <被害の特徴と発生生態> 葉に葉脈で区切られ角ばった大きさ5ミリ前後の褐色病斑ができる。葉に多数の斑点ができ、融合して大きな不整形の病斑になる。 被害葉は冬に病斑の周囲から黄色くなり、春には病斑の褐色を残し葉全体が黄化する。 被害葉は成熟胞子をもったまま春まで残り、再び新葉展開期から伝染する。 風通しが悪かったり、秋~冬に雨が多いと発病しやすい。 <防除> 冬に落葉や病斑のある葉を集めて処分する。 |
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ツツジグンバイ <被害と虫の特徴> 成幼虫とも葉裏に寄生して吸汁するので、葉表は白いカスリ状になる。また、葉裏には黒いタール状の斑点(糞)が見られる。 発生が多い場合は黄変して落葉し、枝の伸びや花つきが悪くなる。 1年に数回発生する。成虫は灰色で「軍配」の形をした体長3ミリの虫で、翅には網目状の紋がある。 幼虫は黒色で、成長すると2~3ミリになり、トゲを持つ。 高温乾燥下で発生が多い。 ベニモンアオリンガ <被害と虫の特徴> 幼虫が新芽やつぼみに食い入って、内部を食い荒らし、新芽を枯らす。 4~10月の間に2~3回発生し、夏に被害が非常に目立つ。 幼虫は褐色で白い斑紋があり、成長すると体長1センチになる。 虫は新芽に食い込んでいるが、ふつうはその周辺を探しても見つからないことが多い。1匹の虫がいくつもの新芽を次々にかじるので被害の割には虫は少ない。 <防除> 翌年のつぼみができる7~8月の発生に注意し、被害芽は切り取って処分する。 |
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ルリチュウレンジ <被害と虫の特徴> 幼虫は集団で葉を食害するため短期間に樹の一部が丸坊主になる。つぼみも同様に食われてしまう。 年3回発生する。幼虫は体長2.5センチ、頭は黒色、体はうすい緑色で、多数の黒点がある。 成虫はアシナガバチの半分位の大きさの青い蜂で、ツツジの葉上によく止まっているのが見られる。 <防除> 発生初期の幼虫が集団でいるときに枝ごと切り取って処分する。 ツツジコナジラミ <被害と虫の特徴> 葉に人が触れたり、風が吹いて葉が強く揺れ動くと長さ1ミリ、ハエのような白色の虫がひらひらと飛び出してくる。 植え込みのヒラドツツジなど、葉が混み合った状態になった所で多発しやすい。 直接の吸汁被害より排泄物の上に発生するすす病の被害による汚れが目につく。 幼虫は長さ1~2ミリ、偏平で楕円形の薄い黄色である。葉の裏側に群生しているが、色が薄いので見つけにくい。 <防除> 枝や葉を剪定し、風通しをよくする。 |
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もち病 <被害の特徴と発生生態> 春先、新葉の展開する頃、若葉が緑白色になり、しだいに分厚くなる。厚くなった葉の表面は白色の粉で覆われる。古くなると腐ったり、黒く固くなってミイラ化する。 ツバキでは花芽も侵され、子房や雄しべ、花びらの肥大も見られる。 日当たりが悪く、多湿の所で発生しやすい。 ツバキでは葉が分厚くならずに、円形の黄色斑ができ、裏面に白い粉をふく「粉もち病」も発生する。 <防除> 表面に白い粉がふく前に被害部分を切り取り、処分する。 輪紋葉枯病 <被害の特徴と発生生態> ツバキ、サザンカなどの常緑広葉樹に発生する。葉に褐色の小さな斑点ができ、急速に拡大して直径1~2センチ大の円形病斑となる。 病斑部分には直径0.4~0.5ミリ、高さ0.2ミリで灰白色の微小な菌体が多数できる。 病斑は赤褐色で、しばしば輪紋となり、ツバキでは1葉当たり1~2個の病斑ができる。 サザンカでは実にも病斑ができ、未熟なうちに落下する。 病葉は早期に黄化し落葉する。激発すると樹勢が衰え、枯れることがある。 <防除> 早期に発病葉を摘み取り、落葉した葉は集めて処分する。 |
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チャドクガ <被害と虫の特徴> 幼虫は集団で生活し、はじめ葉の表皮を残して食害するので、葉が白く透ける。成長すると葉全体を食べ、多発すると樹を丸坊主にしてしまう。 幼虫は体長2.5センチ、体は黄褐色で2列の黒褐色のコブがあり、白色の長い毛が生えている。 幼虫のほか、卵塊、まゆ、成虫、死骸、抜け殼の毛に触れてもかぶれる。 <防除> 幼虫の集団を見つけしだい、その葉や周辺の葉を切り取り、処分する。 ロウムシ類 <被害と虫の特徴> 幹や葉にロウの塊のような虫が寄生して汁を吸い、多発すると枝や樹が枯れる場合もある。また、すす病も発生して美観を損なう。 幼虫は移動するが、成虫になると脚が退化して移動できなくなる。 ルビーロウムシは直径4ミリで赤褐色、ツノロウムシは直径8ミリで白色、どちらも半球形で、幼虫は年1回発生する。 <防除> 発生が少ないときはブラシでこすり取ったり、被害枝を切り取る程度でよい。 |
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うどんこ病 <被害の特徴と発生生態> 新葉、新梢、つぼみに白色の小麦粉をつけたような病斑ができ、しだいに広がり葉全体を覆うようになる。病斑は時間がたつと灰色になる。 発病した葉はねじれたり、波うったようになり、著しい場合は早期に落葉する。 ハウス栽培では一年中発生する。 <防除> 被害を受けた枝は翌年の発生源となるので早めに切り取り処分する。 黒星病 <被害の特徴と発生生態> 葉と葉柄に発生し、新梢やつぼみにも発生する。 葉でははじめ紫~褐色の小さな斑点ができ、その後大きくなって紫黒~黒褐色の円形から不整形の病斑となり、その周囲は黄色になる。 病斑上には小さい黒点が見られ、病斑のできた葉は落葉しやすくなる。 葉柄や枝では暗黒色の病斑となり、多発すると落葉して枝は枯れる。 春先から発生し、降雨の多いときに発生が多い。夏から発生すると遅くまで発生が続く。 <防除> 病斑上に胞子を形成して伝染する。発病した葉や枝は早めに取り除き処分する。 |
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灰色かび病 <被害の特徴と発生生態> 主に花に発生し、つぼみ、葉、枝にも発生する。 花では淡褐色の小斑点ができ、全体に広がって腐敗し、ネズミ色のカビで覆われる。つぼみに発生すると開花しない。 葉が侵されると変色し、小さくなりネズミ色のカビが生える。枝では切口に発生して、ゆでたように変色し枝全体に広がり、株が枯れることがある。 <防除> 発病した花などは早めに取り除き処分する。 根頭がんしゅ病 <被害の特徴と発生生態> 根や地際の茎の部分に白色の大小さまざまなコブができる。コブの表面は滑らかで、後に、褐色~黒褐色に変わり固くなる。コブを削り取っても再び新しいものができる。 株は枯死することはないが、しだいに樹勢が弱くなる。 <防除> 発病株は早めに土とともに掘り上げる。 病原菌は土壌中に生息し根の傷口などから侵入する。病原菌が付着した刃物で切ると切り口から感染する。 |
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アカスジチュウレンジ <被害と虫の特徴> 幼虫はうすい緑色で、黒いゴマのような斑点がたくさんあり、体をくの字に曲げる習性がある。 成長すると体長3センチになり、群生して葉を食害するため、しばしば樹全体が丸坊主になる。 よく似た虫にチュウレンジハバチがいる。この虫は頭が黒く、胴は緑色で斑紋がないことで区別できる。両種が同時に発生していることもある。 <防除> 葉裏に群がっている幼虫を捕殺する。 クロケシツブチョッキリ <被害と虫の特徴> 新芽、新梢、小さなつぼみなどが突然しおれ、最後に褐変して枯れる。 被害部には長さ3ミリで黒く、頭の先端が象の鼻のように突き出ている虫がいる。 頭をドリルのように動かし、新梢に穴をあけて食害するので、その部分から上がしおれて枯れる。 つぼみのできる新梢が次々に食害を受けて枯れるため、被害は大きい。 <防除> わずかな振動でも脚を縮めて地上に落下する習性があるので、下に捕虫網を置いて樹を急にゆすり、落下した虫を捕殺する。 |
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イバラヒゲナガアブラムシ <被害と虫の特徴> つぼみ、葉裏に緑色のアブラムシが群がり吸汁する。特に春の新芽の伸びる時期に発生が多い。 多発すると樹の生育が悪くなり、排泄物によって葉が汚れ、その上にすす病も発生するので美観が悪くなる。 新梢が伸びる頃に急激に増えるので、発生に注意する。 ナミハダニ <被害と虫の特徴> 葉裏に大きさ0.5ミリのダニが群がって吸汁するため、葉に細かいカスリ状の白い小さな点が見られる。 葉は生気を失い、しだいに全体が白っぽくなって艶がなくなり、早く落葉する。 高温時にはごく短期間に増えて大きな被害を与える。 ガラス室やベランダなど雨が当たらない所で多発しやすい。 |
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ウメエダシャク <被害と虫の特徴> 幼虫は全体が黒色で、オレンジ色の細かい斑点をもつシャクトリムシである。 葉を縁からかじる。多発すると樹が丸坊主になる。 幼虫は4~6月に年1回発生する。 ウメやピラカンサなどのバラ科、ニシキギなど多くの植木の害虫である。 成虫は黒っぽい翅に白い紋が目立つ大きな蛾で、昼間、ヒラヒラとゆっくりと飛ぶ。 <防除> 幼虫を発見しだい、捕殺する。 プラタナスグンバイ <被害と虫の特徴> 成虫と幼虫が葉裏から汁を吸うため、葉の色が脱色される。多発すると葉全体が白化、黄白色化する。 成虫の体長は3.5ミリ前後と小さく、乳白色で翅の中央に黒い紋が目立つ。幼虫は黄褐色で刺をもつ。 年3回ほど発生する。成虫が樹皮下で越冬する。 <防除> 冬期に粗皮削りを行う。 |
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チャノキイロアザミウマ <被害と虫の特徴> 成幼虫とも展開中の新葉に寄生して吸汁する。被害葉は展開するとねじれて奇形になったり、褐色のケロイド状の傷が残ったりする。 体長1ミリの小さな虫で、体色は黄色である。虫が吸汁している時と被害が出る時期がかなりずれるため、被害発生時には虫は見つからない。 マキでは常時発生する虫ではなく、年による発生の変動が大きい。 近くにこの虫の好きなサンゴジュやブドウがあると発生が多くなる。 越冬は樹皮の割れ目や落葉などで行う。 <防除> 剪定して、風通しや目当たりをよくする。 マキシンハアブラムシ <被害と虫の特徴> 春先、新芽や新葉に青色で白い粉を被った長さ1ミリの小さな虫が群生して吸汁する。 虫が糖分を含んだ排泄物を出すため、虫の下にある葉や枝は汚れ、その上にすす病が発生するので黒くなる。 多発すると新芽の伸びが止まり、新葉は短くなって黄化する。 <防除> 少発生の時は軍手でこすり落とす。 |
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うどんこ病 <被害の特徴と発生生態> 春先の新葉展開期から伸長期にかけて、葉の表面に直径1センチで、円形または楕円形の白色粉状の病斑ができる。病斑はしだいに広がって、葉や新梢全体が白い粉で覆われたように白くなる。 病原菌は風によって運ばれる。 風通しや日当たりの悪いところ、枝や葉が繁って混み合ったところで発生しやすい。 <防除> 風通しや日当たりがよくなるように剪定する。 ユウマダラエダシャク <被害と虫の特徴> 長さ2~3センチ、黒地に黄色の斑点のあるシャクトリムシが葉を食害する。 葉の食害が激しいため、多発すると樹は枝だけ残して丸坊主になることがある。 発生している樹の根元には黒い糞が散乱している。 <防除> 虫は刺激があると落下する習性があるので、ホウキで樹の表面を掃くようにこすり、落下した虫を殺す。 |
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カメノコロウムシ <被害と虫の特徴> 葉や枝が3~4ミリの半円球状の白いロウ状物質で覆われ、この中に赤褐色の虫がいて樹液を吸う。成虫も幼虫も同じような形をしている。 多発すると枝枯れがおきる。また、すす病が発生して葉や枝が黒く汚れる。 年に1回の発生で枝の上で越冬する。カンキツ類やヒマラヤスギにも寄生する. <防除> 虫を軍手やブラシでこすり取ったり、枝ごと切り取って処分する。 マサキナガカイガラムシ <被害と虫の特徴> 葉や枝に暗褐色で長さ2ミリ、偏平な長楕円形の虫が寄生して樹液を吸う。 葉では、虫の寄生している部分が黄色くなる。 多発すると被害葉は次々に落葉し、枝枯れもおきて、樹勢は衰弱する。 <防除> 刈り込みをして風通しをよくする。ブラシで虫をこすり落とす。虫が寄生している葉や枝は切り取って処分する。 |
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葉ふるい病 <被害の特徴と発生生態> 11月頃に葉に黄褐色の小さな斑点ができ、翌春、葉が灰褐色~灰白色に変わり、5~6月に落葉する。発病の激しい場合、古い葉がすべて落下する。 落下する葉には6月中旬頃に0.5ミリ大の黒い楕円形の菌体(子のう盤)が作られ、7~9月にかけて胞子が空中に飛散して伝染する。 <防除> 樹勢が衰えたり、窒素肥料を多用した樹で発生しやすい。株元回りを耕やしたりして樹の勢いを保つようにする。落葉を集めて処分したり、株元に広葉樹を植えて地上から胞子が飛び散るのを防ぐ。 マツカレハ <被害と虫の特徴> 樹皮の割れ目や落葉の下で越冬した幼虫が4~6月に葉を盛んに食害し、多発すると樹を丸坊主にする。 幼虫は体長7センチ、褐色の大型の毛虫で、体全体に黒い長い毛が生えている。 <防除> 秋にコモを幹に巻くと幼虫が越冬のためにその中に入るので、冬にコモを処分する。 |
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マツノマダラカミキリ <被害と虫の特徴> マツ枯れの直接の犯人であるマツノザイセンチュウを運ぶカミキリムシである。 年1回6~7月に成虫が発生する。成虫は体長2~3センチ、触角が体の長さ以上もある暗褐色の虫で、白い点が背中一面にある。 幼虫はテッポウムシと呼ばれる黄白色の筒状の虫で、幹の中を食い荒らす。 マツノザイセンチュウが寄生すると、夏の終わり頃から秋にかけて葉が急激に褐変し、樹全体が枯れてしまう。 <防除> マツノザイセンチュウの被害で枯れはじめたマツは治療できない。 枯れたマツは成虫が飛び出す5月までに処分し、中の幼虫を殺す。 マツノゴマダラノメイガ <被害と虫の特徴> ゴヨウマツ類の葉を糸で繰り合わせて、その中で葉を食害する。被害部には糞と葉を繰り合わせた球形で褐色の巣が見られる。ふつう、一つの巣の中に数匹の虫がいる。 年2回発生する。幼虫は体長2センチで、頭部は黒褐色、胴部は暗赤色で、褐色のゴマツブ状の斑点がある。 <防除> 球形の巣を集めて処分する。 |
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ハダニ類 <被害と虫の特徴> 7~8月に葉が黄色っぽくなって樹勢が衰える。多発すると、先端の葉を残して落葉する。 被害の初期はマツノザイセンチュウの被害に似ているが、葉の色が抜けるだけで、樹が枯れたりすることはない。 5~10月の間に5~6回発生し、高温乾燥を好むため、梅雨明け後に急激に増加する。 葉の色が悪くなった樹では、葉の上に赤っぽい0.5ミリの小さなダニがたくさん歩きまわっている。 カサアブラムシ類 <被害と虫の特徴> ゴヨウマツの新梢、枝、幹に白色の綿状の物質が付着し、その中には赤褐色の虫が潜み、樹液を吸う。多発すると枝が枯れ、ときには樹全体が枯れる。 クロマツでも新梢に白色の綿状の物質が付き、ときには枝枯れを起こすが、被害は軽い。 マツオオアブラムシ <被害と虫の特徴> 新梢に体長3ミリ、黒褐色の虫が群生して樹液を吸う。多発すると枝枯れを起こすこともある。すす病も発生するので美観を損ない問題となる。 虫は春~秋に発生する。 |
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茎枯病 <被害の特徴と発生生態> 茎に発生が多く、はじめ紫褐色の紡錘形の病斑が現れる。 やがて縦方向に病斑が拡大し黄褐色に変わるとともに中央部は灰白色で小黒粒点(柄子殻)を生じる。 代表的な病気であるが収穫物の新芽への被害はない。 梅雨期および秋雨期など雨の多い時期に、柄子殻から胞子は飛沫して蔓延する。 <防除> 柄子殻が伝染源となるので、秋末に罹病した茎葉は刈り取り処分する。 雨除けにすると、発病を軽減できる。 ネギアザミウマ <被害と虫の特徴> 体長0.5~1ミリで黄色~褐色の細長い虫が汁を吸うため、茎や葉の色が白っぽくなる。 小さく黄色い虫は幼虫、やや大きくて褐色の虫は成虫である。ルーペで見ると成虫の背中には細長い翅が生えているのがよくわかる。 <防除> タマネギが収穫されると寄生していた葉から成虫が飛び出して、さまざまな作物に飛来する。この時期の防除を徹底する。 |
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根こぶ病 <被害の特徴と発生生態> 根に大小様々なコブができ、地上部の生育が悪くなる。コブが多数できると日中葉がしおれるようになり、葉が黄化し生育も悪くなる。やがてコブは腐敗する。 コブの部分には病原菌の休眠胞子が多数含まれており、土壌中に残って伝染源になる。 土壌水分が多いと多発し、3~9月播種の作型で発生しやすい。病原菌はアブラナ科植物のみに寄生し、これらの作物を続けて栽培すると被害が大きくなる。 <防除> 多発ほ場ではアブラナ科の作物の栽培を避ける。 白さび病 <被害の特徴と発生生態> 主に葉、葉柄、花柄に発生する。 はじめ葉の表面にぼやけた淡緑色の円形病斑ができる。病斑の裏面は盛り上がり、表皮が破れ白色粉状の胞子ができ、飛散して伝染を繰り返す。 発芽適温は10℃といわれている。発生時期は春期と秋期の2回見られ、湿度の高い条件下での発生が多く、施設栽培で連作すると被害が大きい。 <防除> ほ場周辺に被害株を放置しない。 周年栽培では連続して発生することが多い。作付体系をかえるなどの対策が必要である。 |
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アオムシ(モンシロチョウ) <被害と虫の特徴> 緑色の体長3~4センチの虫で、動きは緩慢である。 葉表にいて葉を食い荒し、太い葉脈だけをちょうどカサの骨のように残す。 <防除> 寒冷紗や不織布をかけて栽培する。 コナガ <被害と虫の特徴> 薄い緑色の体長0.5~1センチの虫で、さわると敏捷に後ずさりする。 葉裏にいて葉を薄皮だけ残して食う。食われた部分ははじめ白く見えるが、後には破れて穴だらけになる。 新芽の部分にしばしば潜り込み、発生が多いと芯止まりになる。 <防除> 寒冷紗や不織布をかけて栽培する。 ヨトウムシ(ヨトウガ) <被害と虫の特徴> 虫が小さいうちは集団生活をする。このため、畑の中の一部の株で2~3枚の葉が集中して食われ、白っぽくなる。 虫が大きくなってからは昼間は株元や土の中に潜み、夜間に出てきて葉を食い荒す。 <防除> 集団で暮らしている時に葉を切り取って処分する。 |
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ナガメ <被害と虫の特徴> 葉の汁が吸われて色が抜け、ハンコを押したような白く丸い痕がたくさん残る。 体長は5~10ミリで、赤地に黒斑が混じった色あざやかな虫である。 近づくとよく飛ぶが、飛び方はあまり速くない。 <防除> 寒冷紗や不織布をかけて栽培する。 キスジノミハムシ <被害と虫の特徴> 葉が食われ、1ミリくらいの楕円形の穴がたくさんあく。 幼虫は地中で生活し、土中より成虫が発生するので、アブラナ科野菜を連作している場合は、寒冷紗や不織布をかけて栽培しても被害は防止できない。 成虫の体長は2ミリで、黒色の地にオレンジ色の線が2本走る。 敏捷で、人が近づくとよく跳ねる。 <防除> アブラナ科野菜を連作すると発生が多いので、連作を避ける。 カブラハバチ <被害と虫の特徴> 葉が縁から食われてボロボロになる。 体長は1~2センチで濃い青紫色である。 <防除> 寒冷紗や不織布をかけて栽培する。 |
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白斑病 <被害の特徴と発生生態> はじめ淡黄色、円形の小斑点を生じ、のちに1センチ前後の灰白色病斑となり、融合して葉全体を被うと火であぶったように枯れ上がる。 輪紋や黄色の縁取りを伴わないので黒斑病と区別できる。 <防除> 罹病葉を放置した圃場で多発しやすく、早まきや秋期に多雨の場合、発生が多くなる。 肥料切れすると被害が大きくなるので、適切な肥培管理をする。 連作を避け、罹病残渣を発酵させるか土中に鋤込み処分する。 ナモグリバエ <被害と虫の特徴> 体長1~3ミリの白色のハエの幼虫が葉の内部を食い進むので、葉に白い筋ができる。このため、エカキムシとも呼ばれる。 葉の中で褐色~黒色の蛹になる。 エンドウで春に増殖し、そこから脱出した成虫が飛来するため、4~5月に多発する。 <防除> 1ミリ目合のネットでべたがけまたはトンネルがけ栽培する。 アブラムシ類 <被害と虫の特徴> 体長0.5~1.5ミリの小さな虫が集団を作って葉の汁を吸い、虫の抜け殻、粘液状の排泄物やその上に発生する黒いカビ(すす病ともいう)により葉が汚れる。 幼苗期に多発すると、生育が著しく遅れる。 緑色または赤褐色のモモアカアブラムシ、くすんだ緑色のニセダイコンアブラムシ、白色のダイコンアブラムシがいる。 <防除> 1ミリ目合のネットでべたがけまたはトンネルがけ栽培する。 |
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炭そ病 <被害の特徴と発生生態> 葉にはうすい墨状の斑点、ランナーや葉柄には黒褐色のくぼんだ病斑ができ、株がしおれて枯死することもある。 枯れた株のクラウンを切ると、托葉部分から内部に向かって腐敗し、褐色~暗褐色に変色している。 育苗ほ場で多発すると多数の苗が枯死する。 品種間で発病の差があり、女峰、さちのか、章姫、とちおとめ、とよのかに発生が多い。 時期的には5月下旬から発生し、梅雨期に被害が拡大し9月下旬まで続く。しおれ症状は冬の加温時にも発生する。 <防除> 発病株からの苗の採取を避け、育苗時に雨よけや寒冷紗被覆をすると被害が少ない。 うどんこ病 <被害の特徴と発生生態> 葉、葉柄、果実に発生する。 葉では、はじめ下葉にうすい赤褐色の斑点が現われ、やがて葉面が白色粉状のカビで覆われる。つぼみの花びらはピンク色になる。 気温が20℃前後となる春秋期に発生し、品種によっては多発する。 品種間で発病の差があり、女峰、とよのかはかかりやすい。 <防除> 育苗時からの防除が重要で、本ぽで多発すると効果が少ない。 |
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灰色かび病 <被害の特徴と発生生態> 主に果実に発生するが、葉、葉柄、花びらにも発生することがある。 果実では収穫近くのものが発病しやすい。淡褐色の斑点が生じ、これが拡大して果実が腐敗し、表面に灰色のカビが生える。 施設・露地栽培とも発生が見られる。やや低温の多湿な環境条件下で発生し、施設栽培で被害が多い。 <防除> 密植栽培を避ける。下葉かきを十分行い、マルチ栽培とする。過熟果実を放置しない。 萎黄病 <被害の特徴と発生生態> 新葉の3小葉のうち1~2葉が小さな船型となり黄化する。株は光沢、生気を失い、しおれる。育苗ほで発生すると、苗が次々と枯れていく。 クラウン部分を切断すると、維管束の部分が褐変している。 病原菌は土壌に残りイチゴの連作により多発する。風などで土が運ばれても伝染する。 <防除> 苗によって病気が持ち込まれ、大きな被害となることが多い。無病の親株から苗を採苗するなど無病苗の確保が重要である。発病ほ場では土壌消毒を行う。 |
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ウイルス病 <被害の特徴と発生生態> 1種類のウイルス感染では草勢低下は少ないが、2種類以上のウイルス感染があると草勢低下が激しく、葉が小さくなり小株になる。また、クズ果が増加し減収になる。 ウイルス病は感染親株からの苗を採ることによって広がる。また、アブラムシ類によって伝染し年々感染株が増加する。 <防除> アブラムシ類の防除を徹底する。 無病株を用いる。アブラムシ類の飛来を防止した網室内で、ウイルスフリー株を親株として生産用の株を採苗し栽培する。 輪斑病 <被害の特徴と発生生態> 葉、葉柄、ランナーに発生する。はじめ下葉に紫褐色の小斑点ができ、広がると不整形の病斑となる。病気が進むと周辺が紫褐色、内部が灰褐色の明瞭な輪紋状となり、葉の縁に達するクサビ型の病斑となる。 葉柄やランナーでは赤褐色のややくぼんだ病斑ができ、周辺部が赤くなる。 <防除> 被害葉やランナーから伝染する。苗は発病していない親株から採るようにする。また、ほ場周辺に発病葉などを放置しない。 |
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アブラムシ類 <被害と虫の特徴> 体長1~2ミリの小さな虫が葉裏や新芽に群がって汁を吸うため、株の生育が遅れる。 虫の色は緑色・黄色・黒色など変化に富む。 虫の排泄するネバネバした液や、その上に発生する黒いすす病によって葉や果実が汚れる。 ハダニ類 <被害と虫の特徴> 体長0.5~1ミリの非常に小さな虫が葉裏にたくさん寄生して汁を吸うため、葉の色がカスリ状に白く抜ける。 赤いカンザワハダニと淡緑色のナミハダニの2種類がある。 多発すると株の生長が止まり、ひどい場合は枯死する。 チャノキイロアザミウマ <被害と虫の特徴> 葉の葉脈に沿った部分が黒褐色になる。 果実が褐色になり、ミイラのように干からびる。 虫は体長1ミリの細長い虫で、新芽だけにいて数が少ないため、見つけにくい。 |
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ミカンキイロアザミウマ <被害と虫の特徴> 果実の種子の周囲が黄化または褐変し、激しいと果実が褐変し、光沢のない果実になる。 葉では葉脈間が吸汁され、白色斑紋になる。 体長は成幼虫とも0.5~2ミリで小さい。成虫の体色は黄褐色、幼虫は淡黄色である。 寒さに強く、露地作物や、雑草で越冬し、5~7月に最も発生が多くなる。 ナス、キュウリ、トマト、ピーマン、キク、バラ、トルコギキョウ、ミカンなど多くの作物や雑草に発生する。 <防除> 寒冷紗等で成虫の飛来を防ぐ。 ビニールマルチし、土中での蛹化を防ぐ。 畑の中や周辺の除草を行う。 ハスモンヨトウ <被害と虫の特徴> 8月以降、虫が集団で葉を食害し、穴をあける。虫は大きくなると分散し、葉やつぼみを食害する。 体長は1~4センチ、体色は緑色、灰色、黒褐色などさまざまである。 頭のすぐ後ろに1対の小さな黒い斑紋があり、ヨトウムシと区別できる。 <防除> 寒冷紗等で成虫の飛来を防ぐ。 卵からかえったばかりの幼虫は集団で暮らすため、その被害葉を見つけて処分する。 |
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コガネムシ類 <被害と虫の特徴> 幼虫が根を食べるため、苗の生長がひどく遅れ、ひどい場合はしおれて枯れる。 幼虫はカブトムシの幼虫とそっくりで、頭が褐色で、胴体は黄白色である。 <防除> 成虫は腐ったワラや堆肥に引き寄せられる習性があるので、有機質資材を多く施さないようにする。 チャコウラナメクジ <被害と虫の特徴> ナメクジが果実を食べて穴をあける。 ネバネバした光る這い跡が果実や葉に見られる。 <防除> 畑の中や周囲のゴミ・雑草を取り除き、ナメクジの発生源を断つ。 1週間ほど毎日、夜に徹底的にナメクジを捕まえる。 ヨトウムシ(ヨトウガ) <被害と虫の特徴> 虫ははじめ集団で生活し、2~3枚の葉が薄皮を残して食われ、白くなる。 その後大きくなった虫が散らばり、まわりの葉が穴だらけになる。 <防除> 若齢幼虫の集団が食害した白っぽい葉を虫ごと処分する。 |
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べと病 <被害の特徴と発生生態> 葉の表面に不規則な形の黄白色の病斑ができ、葉裏に灰色綿状のカビが見られる。病斑はやがて黄褐色になり、周縁は濃い褐色になる。 6~7月と9月~収穫期に雨が多いと発生しやすい。また、茎葉が繁茂したり、風通しが悪いと発病しやすくなる。 <防除> 連作や密植を避ける。抵抗性品種を用いる。 黒根腐病 <被害の特徴と発生生態> 7月頃から下葉が黄変し、地際部の茎が黄褐色~赤褐色になり、白いカビが生じる。被害が進むと暗褐色に腐敗して、オレンジ色の小粒点をつくる。連作すると発生が多く、エンドウやインゲンにも感染する。 <防除> 連作を避け、抵抗性品種を用いる。 紫斑病 <被害の特徴と発生生態> 葉、茎、サヤ、種子に発生する。種子では「へそ」を中心に紫の斑紋ができる。 り病種子を播くと、子葉に赤褐色の雲紋状病斑のある苗ができる。 <防除> 種子伝染するので健全種子を用いる。 |
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シロイチモジマダラメイガ <被害と虫の特徴> サヤに小さな穴をあけ、その周囲に虫糞が付着する。 サヤを割って見ると内部の豆が食害され、体長1~2センチの緑色または紫色の虫が見つかる。 収穫期の遅いものほど被害が多い。 カメムシ類 <被害と虫の特徴> カメムシ類は葉やサヤの汁を吸う。 汁を吸われたサヤは生長が止まって落下するため、養分がだぶつき、収穫時期になっても葉だけがよく繁る。 サヤは着いたが、豆の肥大が悪かったり、サヤ当たりの豆の粒数が少ない時も、カメムシ類の被害と考えられる。 1匹の虫が次々に汁を吸ってまわるので、被害が出ても虫は見つかりにくい。 褐色で脚が長いホソヘリカメムシが最も多く、次いでうすい緑色で長方形のイチモンジカメムシ、緑色で正方形のアオクサカメムシが多い。 |
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アブラムシ類 <被害と虫の特徴> 新葉に体長1~2ミリの小さな虫が群生し、吸汁する。 多発すると虫がベトベトした排泄液を出し、そこにすす病が発生して汚れる。 <防除> 通常の発生では特に防除を必要としない。 マルカメムシ <被害と虫の特徴> 茎やサヤに体長5ミリの虫が群がって、ストローのような口で吸汁する。 口が短くて豆にまで届かないため、豆への被害はほとんどない。 多発すると株の生育が抑制される。 雑草のクズで繁殖し、多発する。 <防除> 通常は防除不要である。 ハスモンヨトウ <被害と虫の特徴> 体長2~4センチの虫が集団で葉をかじって穴をあける。多発すると畑全面で葉がボロボロになる。 体の色は緑色から黒色までさまざまで、頭のすぐ後ろに1対の黒い斑紋があるのが特徴である。 |
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褐紋病 <被害の特徴と発生生態> 葉、茎、サヤ、豆に発生する。葉では黒褐色の小さい斑点ができ、やがて直径3~5ミリの中央部が黒褐色で周辺部が淡褐色の病斑ができる。 茎では地際部に黒褐色紡錘形の病斑ができる。サヤでは褐色の小さな病斑が多数でき、かさぶた状となる。 <防除> 連作すると発病が激しくなる。多発ほ場では連作を避ける。また、発病した茎葉を土壌中にすき込まない。 種子伝染するので、斑紋のあるような種子は使わない。 うどんこ病 <被害の特徴と発生生態> 葉に白い粉状の病斑が生じ、上の葉へと広がり、葉全面に小麦粉を振りかけたようになる。 日当たりの悪い場所、密植部に発生する。 葉裏や茎にも発生し、草勢の衰えとともに葉は黄化し、病斑上に小さな黒点を生じる。 ハウスでは軟弱徒長した株、多肥や過繁茂の場合に発生が多く、株の老化の原因となる。 <防除> 日当たり、風通しをよくする。 |
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アブラムシ類 <被害と虫の特徴> 新芽、新葉、サヤに体長1~3ミリの虫が群生して汁を吸う。多発すると株の生育が抑えられるほか、排泄物と抜け殻によって株全体が汚くなる。 緑色の虫はエンドウヒゲナガアブラムシ、黒色の虫はマメアブラムシで、両種ともマメ類にのみ寄生し、モザイク病を媒介する。 モザイク病 <被害の特徴と発生生態> 葉の色のうすい部分と濃い部分がモザイク状に入りまじり、葉が縮れたり、サヤが変形したりする。また、株の小さい頃にモザイク病にかかると株全体が枯死することもある。 <防除> 病原のウイルスを媒介するアブラムシ類を防除する。 ナモグリバエ <被害と虫の特徴> 葉に曲がりくねった白い筋が見られる。多発すると隣り合う筋が互いにくっつき、葉全体が白くなる。 白い筋はハエの幼虫が葉の内部にトンネルを掘って食害したためである。葉を透かすと白色の幼虫や褐色の蛹が見える。 |
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ワタアブラムシ <被害と虫の特徴> 葉裏に体長1~2ミリの小さな虫が群生する。虫の色は黒・緑・黄色など変化に富む。 虫は葉の汁を吸い、展開中の葉で多発すると葉が縮れる。 フタトガリコヤガ <被害と虫の特徴> 体長は3~4センチで、緑色の地に黄色の縞と黒い斑紋のある色鮮やかな虫である。 葉を食害し、多発すると株全体が丸坊主になる。 <防除> 株数が少ない場合は虫を捕まえて殺すと時間がかからず、防除効果が高い。 ワタノメイガ <被害と虫の特徴> 胴体は薄い緑色、頭は黒色で、斑紋はない。体長は1~2センチである。 虫は葉を筒状に巻き、その内側に潜んで葉を食べる。 <防除> 株数が少ない場合は虫を捕まえて殺すと時間がかからず、防除効果が高い。 |
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うどんこ病 <被害の特徴と発生生態> 古い葉の表面に白粉をふりかけたような斑点ができ、次第に新しい葉にも広がる。全面が白く覆われた葉はやがて枯れる。 葉が茂って影になったり風通しが悪いところで発生しやすい。 <防除> 風通しをよくするため、つるの配置や棚仕立てなどの工夫をする。 窒素肥料が多すぎると繁茂しすぎて発病しやすくなる。 発病した葉はできるだけ摘み取る。 品種により発病しやすさに差がある。 ウリハムシ <被害と虫の特徴> 黄色で体長1センチのよく飛び回る虫が葉をかじり、直径1センチくらいの円形の食痕ができる。これは後に破れてまるい穴になる。 果実を食べることもあり、葉と同じように直径1センチくらいの円形の食痕となる。 幼虫は白色、体長0.5~1センチで、根を食べる。幼苗期に多発すると株が枯死することがある。 ワタアブラムシ <被害と虫の特徴> 体長0.5~1センチの黄色~濃緑色の虫が集団で葉の汁を吸う。ウイルス病を伝搬する。 葉裏に多く、多発すると葉裏の生長が止まって葉表だけに生長するため、葉縁が葉裏のほうに巻いて団子状になる。幼苗期に多発すると株が枯死することがある。 <防除> ウリハムシの防除をかねて幼苗期は1ミリ目合のネットをかぶせる。 |
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べと病 <被害の特徴と発生生態> 下葉から発生し、輪郭が不鮮明な淡い褐色の病斑ができる。病斑の大きさは変化に富み葉脈で区切られた角形を呈するがハクサイのように明瞭でない。 病斑部の葉裏には汚れたような白色、霜状のカビが見られる。 病原菌は土壌中に残り次期作の伝染源となる。発病後、葉に形成された胞子が飛散することによって伝染する。やや低温で多湿になると多発する。 <防除> 高畝にするなど、ほ場の排水をよくする。 黒腐病 <被害の特徴と発生生態> 生育期間全体で発病する。結球時には下葉から発病し、葉の縁がV字形に黄変する。病斑部は古くなると乾燥し、破れやすくなる。激しい場合には茎も侵され、内部の維管束が黒変する。 病原菌は土壌中に残り、降雨などの水滴により跳ね上がり感染する。汚染種子でも伝染する。 <防除> アブラナ科野菜の連作を避ける。 |
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根こぶ病 <被害の特徴と発生生態> 定植1か月後頃から晴天の日中に葉がしおれるようになり、やがて、葉色、生育が悪くなり、激しい場合には枯死する。 発病株を抜き取ると、根に大小さまざまなコブができている。 コブは土壌中で腐敗し、内部の病原菌は土中に長く残って発病を繰り返す。土壌水分が高く、酸性の土壌で発生しやすい。 <防除> 一度発病すると防除が困難となる。 育苗時期から発生すると被害が大きくなるので、育苗には無病の土を用いる。 定植前に消石灰で、土壌酸度を矯正する。 圃場から持ち出して処分する。 抵抗性品種にすると被害が回避できる。 冬キャベッでは9月下旬以降に定植すると被害が少ない。 萎黄病 <被害の特徴と発生生態> はじめ株の片側の下葉に発生する。葉の主脈片側が黄化し、葉は黄化部分へやや曲がる。 発病が進むと株全体が黄化し落葉して、芯だけとなり枯死する。 株の根元を切断すると維管束部分が褐変している。 <防除> 多発ほ場ではキャベツ、カリフラワー、カブなどの連作を避ける。 抵抗性品種(YR系統の品種)を用いる。 葉や根を畑に放置しない。 |
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菌核病 <被害の特徴と発生生態> 結球期以降に発生する。はじめ下葉の外葉が黄変してしおれ、やがて球全体が汚れたような灰色になって腐敗する。 被害が進むと球の部分にも広がり、白色綿状の菌糸が蔓延し、やがて球全体が菌糸で覆われるようになる。 被害部の表面には黒いネズミの糞のような菌核がつくられる。 <防除> 被害株は見つけしだい引き抜いて処分する。 アブラナ科野菜の後にキャベツを栽培することは避ける。 アブラムシ類 <被害と虫の特徴> 葉裏に体長1~2ミリの小さな虫が群生して汁を吸う。 苗が小さい時に多発すると、葉の展開が悪くなり、生育が大きく遅れる。 結球期に多発すると、球の表面が虫の排泄物と抜け殻の付着によって汚れ、商品価値が低下する。 |
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アオムシ(モンシロチョウ) <被害と虫の特徴> 体長0.5~1センチの緑色の虫が葉を食べ、穴をあけたり、葉脈だけをカサの骨のように残す。 コナガ <被害と虫の特徴> 体長0.5~1センチ、黄緑色の虫が葉裏を薄く食害し、葉表の薄皮を残す。とくに新葉の部分に集中して食害するため、株の生長が抑えられる。 ヨトウムシ(ヨトウガ) <被害と虫の特徴> 体長1~2センチのアオムシに似た緑色の虫が葉裏に50匹以上集まって葉を食い荒す。 成長した虫は単独生活をする。体長3~4センチで、色は緑色や褐色などさまざまである。昼は株元や土の中に潜み、夜に出てきて葉を食い荒すので夜盗虫(ヨトウムシ)という名がついた。 <防除> 若い幼虫が集団で寄生している葉を切りとって処分する。また、夜に畑を見回り、成長した幼虫を捕まえて殺す。 |
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ハイマダラノメイガ(ダイコンシンクイ) <被害と虫の特徴> 定植した苗に成虫の蛾が飛来して産卵し、体長0.5~2センチの褐色の幼虫が芯葉を食べるため、株が芯止まりになる。やや生長した株では葉脈に潜り込むこともある。 育苗中の苗では芯に潜り込むほか、葉と葉をつづり合わせて内側を食害することもある。 <防除> 1ミリ目合のネットをかぶせる。この方法は、ハスモンヨトウやウワバ類に対する効果も高い。 ハスモンヨトウ <被害と虫の特徴> 体長1~4センチのイモムシが葉を暴食する。体色は緑色、褐色、黒色などさまざまで、頭の後方の一対の黒い斑紋が特徴である。 卵が数百個かためて産まれるため、若齢幼虫は集団で葉裏を食害し、その時は葉が白っぽく見える。 <防除> 若齢幼虫の集団を見つけて葉ごと処分する。 ウワバ類 <被害と虫の特徴> 緑色で体長1~3センチのシャクトリムシが葉を食べる。 春はタマナギンウワバ、秋はイラクサギンウワバが多く、イラクサギンウワバがしばしば多発する。 |
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炭そ病 <被害の特徴と発生生態> 葉、茎、果実に発生する。葉には円形、褐色の病斑が生じ、古くなると破れる。茎や果実では楕円形の褐色のくぼんだ病斑が生じ、多湿時には病斑上に紅色の粘液がでる。 病原菌は被害植物に付着して越年する。 降雨の多い多湿条件下で発生しやすい。 露地栽培で多く、施設栽培で少ない。 <防除> 排水不良や窒素肥料のやりすぎを避ける。 畝面をビニールなどで被覆し土の跳ね上がりを防ぐ。 褐斑病 <被害の特徴と発生生態> 葉に円形、褐色の小型病斑を生じ、その後、拡大して灰褐色の5~10ミリ程度の不規則な病斑となる。多湿条件では病斑上に黒褐色のカビが生える。 高温多湿条件下で多発しやすく、施設栽培で発生すると被害が大きい。 病原菌は病葉や農業資材に付着して残り、翌年の伝染源となるほか、種子伝染することも知られている。 ブルームレス台木で発生が多い。 <防除> 高温多湿となりやすい施設栽培では換気を十分行う。窒素過多は発病を助長するので避ける。 施設では、フィルム面からの結露水のボタ落ちを避ける。 |
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うどんこ病 <被害の特徴と発生生態> はじめ株の下位葉に小麦粉をかけたような病斑ができる。しだいに上の葉に広がり、葉面の全体が白色で粉を振りかけたようになる。 発病株から胞子が飛散し、被害が拡大する。 日照不足や高温で乾燥した条件下で多発する。 ブルームレス台木で発生が多くなる。 <防除> 窒素肥料が多いと株が繁茂し、多発する。 ケイ酸施用で発病を軽減できる。 べと病 <被害の特徴と発生生態> 下位葉に葉脈で囲まれた黄色の角型の病斑ができ、上位葉へと拡大する。湿度が高い場合には葉裏に濃灰色のカビが生じる。 多発すると葉の縁から葉が巻き上がる。 病斑上の胞子が飛散して広がり、やや低温で湿度の高い時に多発する。 肥料切れや生育の衰えた時に発生しやすい。 <防除> 多湿条件で多発するので施設栽培では換気を十分行い、湿度管理に注意する。 ハウス栽培では茎葉が繁茂する時期に、株間の湿度が高くなり発病しやすい。 急速に病気が広がるので初期防除が大切である。 |
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疫病 <被害の特徴と発生生態> 苗の地際部の茎が水浸状に侵され、細くくびれて倒伏する。生育株では根腐れを起こし、株全体が急速にしおれて枯れ上がる。 葉や果実にも発生し、葉では大型で水に濡れたような濃緑色の病斑ができる。果実ではへこんだ水浸状の病斑ができる。 病原菌は土壌中に残り翌年の伝染源となる。 <防除> 感染した株は早めに抜き取り処分する。 排水の悪いほ場で多発しやすいので高畝にし、畝面にマルチをする。 カボチャに接木すると被害を軽減できる。 斑点細菌病 <被害の特徴と発生生態> 葉には水に濡れたような褐色の小斑点が生じ、拡大して葉脈で区切られた黄褐色で周辺にカサのある3ミリ程度の角斑になる。病斑はしだいに白くなり穴があく。 多湿条件下で多発する。 発病すると病原菌は土壌中に残り伝染源となる。また、種子でも伝染する。 <防除> 病原菌の土からの跳ね返りを防止するため敷わらやマルチ資材で畝面を覆う。 |
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灰色かび病 <被害の特徴と発生生態> 施設栽培特有の病害で、花、葉、果実に発生するが、果実への被害が問題となる。 幼果期に着花部から感染し、果実が淡褐色となり腐敗する。多湿条件下で腐敗部に灰色のカビが生じ、胞子を飛散して伝染する。 病原菌は被害植物とともに土壌中に残り、伝染源となる。やや低温で多湿条件になると多発する。 <防除> 開花後、枯れた花弁は伝染源となるので、できるだけ除去する。 菌核病 <被害の特徴と発生生態> 施設栽培での発生が多く認められ、果実やツルでの被害が大きい。 果実では、花落ちの部分から水に濡れたような病斑ができる。やがて発病部分は綿状のカビで覆われ、表面に黒色のネズミの糞のような菌核が形成される。 侵された果実は腐敗し、ツルの発病部分より上が枯死する。 発病部にできた菌核が発芽してきのこができ、胞子を飛散する。 <防除> 被害果実、茎は伝染源となるので処分する。 施設栽培では多湿となりやすいので、換気を行い湿度管理を行う。 |
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つる割病 <被害の特徴と発生生態> 気温の高い時期にキュウリが下葉から黄化し、やがて株全体がしおれて枯れる。 しおれた株では株元に近い部分が淡黄褐色になり、割れ目ができヤニが出る。この部分には白いカビと淡紅色の粘りけのある胞子ができる。 茎を切ると維管束部分が淡褐色に変色しており、根はあめ色に変色し、株は容易に引き抜くことができる。 <防除> 病原菌は根や茎とともに土壌中に残り、伝染を繰り返す。また、果実に病原菌が入ると種子に付着し種子伝染する。 発病ほ場では土壌消毒を行う。ハウス栽培では太陽熱消毒も有効である。また、カボチャに接木をすると被害を軽減できる。 つる枯病 <被害の特徴と発生生態> 茎の地際部が灰色となりその表面に小さな黒い粒が多数できる。被害程度が激しいと地上部はしおれて枯れる。葉では葉縁から淡褐色の大型病斑が扇状に広がる。 病原菌は土壌伝染と種子伝染をする。 多湿条件下で発生が多く、地下水位が高く排水の悪いほ場で多発しやすい。 <防除> 苗からの持ち込みを防ぎ、敷わらなどを行う。 |
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モザイク病 <被害の特徴と発生生態> 葉に淡黄色の輪郭のぼやけた斑紋が多くでき、いわゆるモザイク状(CMV)や新葉の縁の刻みが深くなり濃緑色のしわ(WMV)ができる。 果実の上部にモザイク(CMV)や大小のこぶ状の凸凹(CGMMV)ができて奇形となる。 CMV、WMVはアブラムシ類によって伝染する。CGMMVは土壌伝染のほか、発病した植物に接触することによっても伝染する。 <防除> 育苗時に寒冷紗で被覆しアブラムシ類の侵入を防止する。また、畑では銀色のポリフィルムを畝面に被覆し、アブラムシ類の飛来を防止する。 ウイルス症状の株は早めに除去する。 ワタアブラムシ <被害と虫の特徴> 翅の生えたアブラムシは体長1~2ミリ、頭と胸が黒く、胴がやや青味を帯びた黄色の虫で、キュウリが栽培されるとどこからともなく飛来する。翅のないアブラムシは体長0.5~1ミリ、卵形で黄色または黒緑色のものが多い。 |
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ワタヘリクロノメイガ(ウリノメイガ) <被害と虫の特徴> 葉を綴り合わせ、その中で幼虫が葉を食害する。 多発すると幼果を食害して5ミリくらいの穴をあけることがある。 幼虫は緑色で、体長は2センチ、背中に2本の白い筋が見られる。 ウリハムシ(ウリバエ) <被害と虫の特徴> 成虫は直径1~2センチの円を描くように葉を食害する。しばらくすると食害痕に沿って丸く打ち抜かれた穴がたくさんできる。 成虫が多発すると果実表面にも円い傷がたくさんできる。 成虫は大きさ約1センチ、黄色で、晴れた日には盛んに飛び回る。一見するとハエのようなので、ウリバエともよばれる。 幼虫は体長0.5~1センチの白いウジムシである。 幼虫は土の中にいて、根を食害する。幼虫が多発すると根の働きが悪くなり、日中に葉がしおれることがある。 |
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ミナミキイロアザミウマ <被害と虫の特徴> 葉の汁が吸われ、その部分は色が抜ける。 葉裏では被害部が光を反射してテカテカと光る。 果実では、表面にサメ肌状の傷ができる。 多発すると葉が褐色になって枯死し、株も弱る。 虫は体長0.5~1ミリで非常に小さく、細長い。体色は成虫で黄色、幼虫では白~淡黄色である。 <防除> 畝面にビニールフィルムでマルチを行うと虫の密度が下がる。 オンシツコナジラミ <被害と虫の特徴> 葉の汁を吸ってネバネバした液を排泄し、その上にすす病が発生するため、葉や果実が黒く汚れる。 多発すると株全体が弱り、収量も減少する。 成虫は体長2ミリで小さい白い蝶のように見える。葉裏には体長2ミリで透明な小判型をした幼虫が付着している。 寒さに弱く、ハウスでしか越冬できない。 |
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ネコブセンチュウ類 <被害と虫の特徴> 体長1ミリ以下の糸くずのような透明の虫が根に寄生してコブを作る。このため、根から水の吸い上げが妨げられ、昼間に株がしおれ、夜間に回復することをくり返す 症状は高温の夏に著しく、しばしば株が枯れる。 病害と間違いやすいが、根にコブがあることにより区別できる。 タバココナジラミ <被害と虫の特徴> 成虫は体長1ミリで、株をゆすると白いチョウのように舞う。幼虫も体長1ミリで薄い黄色。葉裏で動かずに葉の汁を吸う。 多発すると虫の排泄物とその上に発生する黒いカビ(すす病)で葉や果実が黒く汚れる。 ウイルス病を伝搬するので問題になる。 ハモグリバエ類 <被害と虫の特徴> 体長1~2ミリの黄色のウジムシ(幼虫)が葉の中を食い進み、その痕が白い筋になる。このため、エカキムシとも呼ばれる。成虫は体長2ミリの小さなハエである。 天敵が寄生した幼虫は褐色になるので天敵が働いている目安になる。 <防除> 土着天敵がよく働くため、天敵に影響のすくない薬剤を使用する。 |
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赤枯症 <被害の特徴と発生生態> 7月上旬~中旬にかけて発生する。はじめ株の外葉2~3枚が黄緑色~黄赤色に変色し、その後赤褐色になるとともに内部の葉も変色、やがて株全体が枯死する。 発病株の塊茎は褐変し、はなはだしい場合、黒変して腐敗する。根は褐色に変色し、根量も少なくなる。 <防除> 発病株の塊茎には腐敗部分があり、このようなイモを移植すると発病する。無病の種イモを植えるようにする。 ひぶくれ病 <被害の特徴と発生生態> 葉と葉柄、球茎に発生する。葉には黄緑色~黄色で、周辺部が不鮮明な円形~楕円形の病斑ができ、やがて隆起した病斑となり、病斑の裏面は陥没する。 病斑は融合して直径数センチの大型病斑となり、多発すると茎葉が枯れる。 病斑中央部には黒色の小粒点が多数でき、表皮が破れて胞子を放出する。被害茎葉上にできた胞子で越冬し、翌年これが水面に浮遊して感染する。 夏と秋が高温で、雷雨、台風の多い年に多発する傾向がある。 <防除> 被害が出た株の茎葉を除去する。 |
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クワイホソハマキ <被害と虫の特徴> 幼虫は葉柄(いわゆる茎)に潜り、内部をトンネル状に食べ進む。このため、葉柄は褐色になり、その後黒く変色して枯死する。 幼虫は葉柄に入った痕からは白い液が出て、汚れている。糞はほとんど外に出さない。 卵は葉裏の葉脈沿いに塊で産まれる。 成虫は褐色の小さな蛾で、翅に光沢のある黄褐色の太い帯が2本ある。 <防除> アブラムシ類の防除がなされていると、発生は少ない。 ハスクビレアブラムシ <被害と虫の特徴> 成虫、幼虫とも集団で葉から汁を吸う。多発すると葉が正常に展開しない。 体は赤褐色である。 春にモモ、ウメ、サクラなどに寄生したものが、5月下旬以降飛来してくる。クワイでは10月下旬頃まで発生をくり返す。 <防除> 集団で発生するので、発生初期には葉ごと捕殺する。 |
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黒斑病 <被害の特徴と発生生態> イモの表面に直径2~3センチの黒色の円い病斑ができ、病斑中央部は特に黒く、短い毛のようなものが密生している。収穫時には目立たず、貯蔵中に症状が現れることが多い。 病斑部の皮の下は緑色を帯びた黒色になり、後にはかなり内部まで変色する。 発病したイモは強烈な苦みがあり、食用にできない。また、家畜に与えると害になる。 コガネムシ類、ネズミによる食害の傷口から感染して発病することが多い。 <防除> 土壌や種イモで伝染する。苗床の土は無病地の土を用い、無病の種イモから苗を採る。 品種により抵抗性に差があるため、発病の多いほ場では抵抗性の品種を用いる。 斑紋モザイク病 <被害の特徴と発生生態> 葉の葉脈に淡黄色のにじんだような斑紋ができる。病斑の周囲は紫色になる。夏の高温時にはこの症状は消える。 発病株は苗床で葉が縮れ、生育が劣る。 畑での生育には差がないが、イモの肌の色がやや悪くなる。 <防除> アブラムシ類により伝染するのでアブラムシ類を防除する。 |
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ハスモンヨトウ <被害と虫の特徴> 体長1~4センチ、緑色、灰色または黒褐色の虫が葉を食害して穴をあける。被害の激しいときは葉が太い葉脈と茎だけになる。 小さな頃はアオムシによく似た緑色の虫で、50~100匹の集団をつくる。 <防除> 虫が集団で食害している葉を切り取って処分する。 ナカジロシタバ <被害と虫の特徴> 体長2~4センチのイモムシで、淡紫色で5本の細長い黄色の線がある。葉を食害してボロボロにする。 エビガラスズメ <被害と虫の特徴> 体長2~9センチ、お尻に角のような突起をもった大きなイモムシで、葉を激しく食害し、あっという間に株全体を丸坊主にする。 体色は緑色のほか、黒色や褐色の虫もいる。 |
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イモコガ(イモキバガ) <被害と虫の特徴> 折り曲げた葉、または2枚の葉をあわせて巣をつくり、その中で、葉の片面を食害する。被害を受けた部分は褐変し、やがて抜け落ちて穴があく。 虫は体長1センチで細長く、体に白色と濃い紫色の縞模様がある。 被害はよく目につくが、実害は少ない。 コガネムシ類 <被害と虫の特徴> 体長2~4センチ、白色または黄色の虫が土の中に住む。虫はいつも体を丸めているのが特徴である。 イモの表面を浅くかじり、その部分がへこむ。また、傷口から黒斑病が侵入してイモが黒く腐る。 成虫は植物の腐った葉や根にひかれて飛来し、卵を産む。このため、土の中に枯れ草、わらなどを混ぜ込むと多発しやすい。 |
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汚斑病 <被害の特徴と発生生態> 葉の表と裏にしみ状の褐色、円形の病斑ができる。病斑は下葉から上葉へ伝染していく。 病原菌は土壌中に残り伝染源となる。 <防除> 多発しても実害は少ない。 黒斑病 <被害の特徴と発生生態> イモの表面に灰色のカビが生じ、その後黒褐色のしみのような病斑となり腐敗する。 感染している種イモや土が伝染源となる。収穫時に傷口から感染し、貯蔵中に発病する。 発病イモを洗うと表面にいわゆる「ほし」(斑点)があり、品質が落ちる。 <防除> 健全な種イモを使用する。 モザイク病 <被害の特徴と発生生態> CMV、DMVの2種類のウイルスによって発生する。CMV感染による症状は、葉の鮮明な黄色のまだら模様(モザイク)や葉脈の緑が濃くなるなどの症状で、奇形になったり株が小さくなることもある。 DMVでは白色がかった斑紋や稲妻状のモザイクが生じることがある。 <防除> 無病の種イモを用いる。 |
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ワタアブラムシ <被害と虫の特徴> 葉や茎に体長1~2ミリ、黄色または黒色の小さな虫が数十~数千匹集まって寄生する。 多発すると株の生長が抑えられるほか、葉柄や葉は虫の排泄物と抜け殻で汚くなる。 ハスモンヨトウ <被害と虫の特徴> 体長2~4センチの虫が集団で葉の裏側を浅くかじる。 体の色は緑色のほか、うすい灰色や黒褐色のものもあるが、一般的に成長するにつれて黒くなる。 頭のすぐ後ろに1対の小さな黒色の斑紋があるのが特徴である。 セスジスズメ <被害と虫の特徴> 体長2~8センチ、お尻に角のような突起をもち、体の側面に黄色の目玉模様をたくさんもった虫が葉を食い荒してボロボロにしてしまう。 体の色はほとんどが黒色であるが、緑色のものもいる。 <防除> 発生は少ないので、虫を見つけしだい捕殺する。 |
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斑点病 <被害の特徴と発生生態> 葉に褐色~黒褐色の小さな斑点ができる。発病した葉をパック詰めすると、輸送中の高温多湿条件で数ミリ大の黒色の病斑ができ、融合して大型病斑となり、葉を腐敗させる。 施設・露地栽培で、7月中旬から9月にかけて発生が見られる。 多発すると若い葉が奇形になることもある。 <防除> 20℃以上の多湿条件下で発生する。 この病気は、畑で小さな病斑のある葉を収穫後に高温多湿条件に置くことで被害が発生する。 15℃以下の低温条件下で流通すると発病を防止できる。 そうか病 <被害の特徴と発生生態> 発病は5~7月にかけて見られ、高温時には発生が減少し、9月から再び発生する。 病斑は葉、葉柄、茎など地上部に見られる。葉の表面に直径数ミリの円形~楕円形のふくれた淡緑色の病斑ができる。のちにかさぶた状となる。 茎では直径1~13ミリの円形~楕円形の隆起した病斑を形成し、はじめ灰褐色でやがて紫褐色になる。茎葉に多数の病斑ができると落葉したり、立枯れをおこす。 <防除> 畑に発病株を放置しない。 炭そ病 <被害の特徴と発生生態> 下葉に暗褐色の小斑点が現れ、斑点が多くなると葉が色あせ落葉する。赤じその苗では頂部がしおれ、激しい場合は株が枯死することもある。 雨の多い時期や多湿地で発生しやすいが、盛夏期や生育が進んだ株では発生しにくくなる。 <防除> 圃場の日当たりと排水をよくする。マルチなどで雨による土壌の跳ね上がりを防ぐ。 病気で枯れた葉などが翌年の伝染源になるので圃場から取り除く。 |
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疫病 <被害の特徴と発生生態> 開花期頃(暖地で5~6月上旬)に、株元の葉に暗緑色の斑点ができる。病斑はしだいに大きくなって、裏面に灰白色のカビが生える。 発病の激しい時には数日でほ場全面に広がり、茎葉は熱湯をかけたようになり、腐敗し畑全体から悪臭を放つ。イモにも感染し、イモが暗褐色となり、固くなる。 低温で雨天が続く時に発生しやすい。 <防除> 健全な種イモを使用し、発病株は抜き取る。 ほ場の排水を良好にする。 そうか病 <被害の特徴と発生生態> イモの表面に、大小さまざまな盛り上がった淡褐色のかさぶた状の病斑ができる。 病斑部分のイモの肉は淡褐色でやや腐敗する。 症状にはケラの食害痕のようなものや、網目状の亀裂ができるものがある。 病原菌は土壌に残り長時間伝染する。アルカリ性土壌で発生が多い。 <防除> ジャガイモの連作を避け、土壌に酸性肥料を与える。 |
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ニジュウヤホシテントウ <被害と虫の特徴> 褐色の地に28個の黒点をもった体長7ミリのテントウムシが葉の裏側をかじり、階段状の傷痕を残す。 幼虫は体長5~10ミリ、灰色の地に黒色のトゲを持ったタワシ状の虫で、成虫と同じように葉裏を食害する。 食害を受けた部分はやがて抜け落ちて穴があく。多発すると葉はボロボロになり、株全体の葉が褐色になる。 <防除> 虫の発生が少ない時は防除は不要である。 アブラムシ類 <被害と虫の特徴> 葉の裏側に1~3ミリの虫が数十~数百匹の集団をつくって葉の汁を吸うため、葉は元気がなくなり、裏側に巻き込む。多発すると株全体が弱り、イモの収量が減る。 種類はワタアブラムシ、モモアカアブラムシ、ジャガイモヒゲナガアブラムシがあり、体の色は黄色、緑色、赤色、灰色、黒色などさまざまである。 夏疫病 <被害の特徴と発生生態> 葉に暗褐色の小斑点が現れ、やがて同心円状の輪紋や黄化部を伴った褐色の大きな病斑になり下葉から枯れ上がる。激しくなると株全体が枯れることもある。 高温期や肥料切れで発生しやすい。 <防除> 生育後期に肥料切れしないようにする。 被害葉などが地中に残り次年度の伝染源になるので、圃場に残さないようにする。 やや低温で発生する疫病とは全く異なる病害である。 |
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べと病 <被害の特徴と発生生態> 4~6月、9~10月に発生が多い。施設栽培では一年中発生することがある。 はじめ周辺部が不明瞭な黄色みを帯びた病斑ができ、やがて葉全面に広がり、一部が褐変する。湿度が高いと病変部の裏面には白色霜状のカビが生じ、急速に蔓延する。 品種によって被害程度に差があり、種子伝染する。 <防除> は種量を少なくし、株間の通風を良くする。また、潅水量をひかえめにし、葉面への潅水を避けるなど過湿に対する対策が重要である。 炭そ病 <被害の特徴と発生生態> 葉、葉柄、茎に発生する。発生は、6~7月、9~10月に多く、降水量の多い時期に被害が多くなる。 葉に黒褐色~茶褐色の不規則な病斑が生じる。茎では楕円形または細長い病斑が生じ、降雨、曇天時には、病斑上にピンク色の胞子塊が形成され、これが飛散して伝染する。 <防除> 病原菌は種子伝染する。新しい種子では病原菌が生き残っていることがあるので、1年以上経過した古い種を用いると発生が少ない。 ほ場の排水を良くする。 |
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立枯病 <被害の特徴と発生生態> 養液栽培の幼苗期に発生し、胚軸基部(地際部)から根にかけて暗褐色に軟化して倒伏枯死する。生育の進んだ株ではほとんど発生しない。 生育適温が30℃以上で、水で伝染する病原菌のため、高温期に養液栽培の培養液を通じて急速に蔓延する。 <防除> 高温期には遮光するなどして室温と液温の上昇を防ぐ。 発病した栽培槽やタンク、配管などは十分消毒してから次作に使用する。 葉枯病 <被害の特徴と発生生態> 葉に淡褐色の病斑を形成し、やがて葉全体に広がって葉が枯れる。葉縁から枯れて真ん中の軸だけが残ることもある。炭そ病より病斑の色が淡く中心部が白っぽい。 高温多湿で発生しやすい。枯れた病葉が地中に残り翌年の伝染源になる。 <防除> 高温期は遮光するなどして温度を下げるとともに風通しをよくする。 土壌の跳ね上がりを防ぐためマルチをしたり、チューブ潅水などの工夫をする。 |
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ハモグリバエ類 <被害と虫の特徴> 体長1~2ミリの幼虫(ウジムシ)が葉の内部を食い進み、食痕が白い筋になる。成虫は体長2ミリの小さなハエである。ハモグリバエは数種類いるが、肉眼での区別は難しい。 <防除> 収穫後に地面にビニールを敷いて、太陽熱で地中の蛹を殺す。 ヨトウムシ類 <被害と虫の特徴> 体長1~4センチのイモムシが葉を食べる。 数種類いるが、頭の後方に一対の黒い斑紋をもつハスモンヨトウの被害が大きい。 アザミウマ類 <被害と虫の特徴> 黄色~褐色の体長0.5~1ミリの細長い虫が展開中の芯葉の汁を吸うため、展開後の葉にひきつれたような傷がついたり、葉が縮れたりする。 虫の数が少なくても多くの被害が発生するため、虫はなかなか見つからない。 <防除> 収穫後に地面にビニールを敷いて、太陽熱で地中の蛹を殺す。 |
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炭そ病 <被害の特徴と発生生態> 被害は茎、子葉、葉、果実に見られる。 葉では円形~楕円形の褐色、中心部が灰色で輪紋のある病斑ができる。果実では、油のしみたような斑点ができ、やがて拡大し褐色のくぼんだ病斑となる。 低温で、日照が少なく、雨の多い年に多発する。 <防除> 畑の排水を良くし、敷わらなどにより土の跳ね上がりを防ぎ、感染を防止する。 白絹病 <被害の特徴と発生生態> 茎の地際部や、土と接している葉、果実が侵される。茎が侵されると株が急速にしおれ、枯死することがある。 被害部分は白色絹糸状のカビで覆われ、やがてその部分に褐色の小さな粒(菌核)が多数できる。翌年この菌核が感染源となる。 高温多湿条件で発生が多い。窒素過多、密植状態で多発する。 <防除> 湛水、田畑輪換すると被害が少なくなる。 株元が乾くようにすると被害が少ない。 発生の多いほ場では、連作を避ける。 |
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つる割病 <被害の特徴と発生生態> 地温が20℃以上から発生が見られる。 株全体がしおれ、やがて急速に枯死する。地際部の茎に水浸状または緑褐色の細長い病斑ができ、茶褐色のヤニが出る。発病が進むと茎は淡褐色になり、縦に割れ目ができて白いカビが生じ、後に淡紅色に変わる。茎を切ると維管束が淡褐色になっている。 根はあめ色に変色している。 <防除> 連作を避け、発病ほ場では5年以上スイカを作付けしない。 ユウガオやカボチャ台木を用いる。 つる枯病 <被害の特徴と発生生態> 茎、葉、果実に発生する。茎の地際部分が水浸状で暗緑色となり、やがて褐色となって裂け目ができ、多数の小黒点ができる。 葉では円形~楕円形、融合した不整形の褐色の病斑ができる。 梅雨期に降雨により被害が増加する。 葉が繁茂し風通しが悪いと発生する。過湿な苗床では苗にも発生する。 病原菌は被害植物に付着して土壌中で越冬する。また、種子伝染する。 <防除> 過湿にならないように管理することが大切である。 |
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モザイク病 <被害の特徴と発生生態> ウイルス病で、新葉がまだら模様(モザイク)になる。 CMVでは軽いモザイクであるが、CGMMVとWMVでは激しいモザイク症状となり、明瞭な斑紋になる。また、葉肉が厚く奇形になることもある。果実にもモザイクができる。 <防除> CMVとWMVはモモアカアブラムシ、ワタアブラムシによって伝染するので、アブラムシ類の防除を徹底する。CGMMVは土壌伝染する。 モザイク症状の株はできるだけ速やかに取り除く。 疫病 <被害の特徴と発生生態> 葉に水浸状、暗緑色の病斑ができる。乾燥すると灰褐色~暗褐色になり、破れやすい。 茎では紡錘型のくぼんだ病斑ができ、病斑から上の茎がしおれる。 果実では暗緑色水浸状のへこんだ円形病斑ができ、急速に大きくなり、果実は腐敗する。 湿度の高いときには白色綿毛状のカビが生える。 <防除> 高畝にするなど畑の排水をよくする。また、窒素肥料をやりすぎないようにする。 |
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ハダニ類 <被害と虫の特徴> 葉の汁が吸われ、その部分は色が抜けて黄色くなる。 成虫は体長1ミリで非常に小さい。赤色のカンザワハダニと淡緑色のナミハダニがある。 ミナミキイロアザミウマ <被害と虫の特徴> 葉の汁が吸われ、その部分は色が抜ける。被害部は光を反射して銀色に光る。 体長は0.5~1ミリで非常に小さく、細長い。体色は成虫では黄色、幼虫では白またはうすい黄色である。 ウリハムシ <被害と虫の特徴> 葉が直径1センチくらいの円を描いて食害され、やがて丸く打ち抜いた穴となる。 成虫は体長1センチで黄色く、晴れた日には盛んに飛び回る。 幼虫は根を食害し、多発すると株の生長が止まり、枯死することもある。 |
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萎黄病 <被害の特徴と発生生態> 育苗時に、苗の葉がしおれて枯死する。根を切ると維管束の部分が褐変している。 肥大時期では下葉から黄化し、生育が劣って株が小さくなり枯れる。根を切るとリング状に褐変し、内部に放射状の変色部が見られる。 病原菌は土壌中に残り伝染する。 連作すると多発しやすく、地温の高い時期によく発病する。 春まき栽培では生育後期、夏まき栽培では生育初期から発生する。 <防除> 多発ほ場では、連作を避ける。 萎黄病抵抗性品種(夏のみ早生3号、YRくらまなど)を栽培する。 軟腐病 <被害の特徴と発生生態> 幼苗期では地際部が水に濡れたように腐敗し、やがてしおれて枯れる。 生育期では、根首の部分が汚れたような白色で、柔らかくなり、内部がドロドロになって腐敗し、悪臭を放つ。 病原菌は土壌中に残り伝染源となる。排水の悪いほ場で多発する。 気温が高いと発生しやすい。 <防除> 多発ほ場での連作を避ける。 ほ場の排水を改善し、水はけをよくする。 |
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モザイク病 <被害の特徴と発生生態> 葉の葉脈が淡黄色で透明状になり、しだいに黄色になりまだら模様(モザイク症状)となる。 また、葉柄に褐色の斑点や、すじ状の斑紋ができることがある。 生育初期に感染すると生育不良となり、根が肥大しない。生育期に感染すると葉のモザイクと萎縮症状を示して生育不良となり、ダイコンの肉質が固くなるなど品質が低下する。 アブラムシ類により伝搬されるのでアブラムシ類の防除を徹底する。 <防除> シルバーポリフィルムのマルチによりアブラムシ類の飛来を防止する。 バーティシリウム黒点病 <被害の特徴と発生生態> 肥大した根を切ると維管束が黒変している。 黒変は中心部では放射状で、皮層付近では輪状である。外葉の葉柄を切ると維管束が褐変している。 根部が軟化腐敗することはないが、まれに外葉が黄化することがある。 ダイコンのほか多くの野菜に感染する。 <防除> 土壌伝染する。病気のダイコンは抜き取り処分する。 水稲と輪作をすると発病が軽くなる。 |
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アオムシ(モンシロチョウ) <被害と虫の特徴> 体長1~3センチの緑色の虫が葉を食害して穴をあける。 カブラハバチ <被害と虫の特徴> 体長1~3センチの濃青色の虫が葉を食害する。手を触れると丸くなって落下する。 <防除> 捕殺する程度でよい。 ヨトウムシ(ヨトウガ) <被害と虫の特徴> 夜行性で昼間は根元の土の中に潜んでいるので、葉が激しく食い荒されて穴だらけになっているにもかかわらず虫が見つからない。 夜間に見回ると体長3~4センチ、暗褐色の虫が葉の上に見つかる。 卵からふ化した後しばらくの間は数十匹の虫が集団で葉裏に寄生し、薄皮を残して食害するため、葉が透かし状になって枯れる。 若い幼虫はシャクトリムシのように体を曲げたり伸ばしたりして歩くのが特徴である。 <防除> 幼虫が集団で寄生している葉を切り取って処分する。また、夜間に見回って捕殺する。 |
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キスジノミハムシ <被害と虫の特徴> 収穫時に根部の表面に褐色の浅いへこみ傷が見られる。多発した時には表面がでこぼこになるなど、エクボ状の傷が多数生じる。 成虫は体長2ミリ、黒色で背中に2本の黄色の線をもった甲虫で、葉に小さな穴をあける。人が近づくと、勢いよくはね跳んで逃げ去る。 幼虫は白色のウジムシで、土の中で生活し、根の表面を食害する。 ハイマダラノメイガ(ダイコンシンクイ) <被害と虫の特徴> 幼虫は体長0.5~2センチ、淡褐色で5本の褐色の縦の筋がある。頭は黒い。 新葉が糸で綴られるとともに、芯の部分が食害されるので、幼苗時に多発すると被害は大きい。 |
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べと病 <被害の特徴と発生生態> 葉や根が侵され、採種時には花柄、さやが侵される。葉では、表面に淡黄色、円形~不整形で周辺部がややぼけた病斑を生じ、拡大しても多角形の病斑となる。 湿度の多い時には、病斑部の葉裏に白色のカビ(分生子)が見られる。 <防除> 種子伝染するので、発病株からは採種しない。 アブラナ科野菜の連作を避け、薄まきにして風通しを確保する。 防除薬剤は発病初期に散布する。 菌核病 <被害の特徴と発生生態> ダイコンの根部が侵される。 葉の付け根付近から発病することが多く、葉柄、根部が軟化・腐敗し、表面に白色菌糸や黒色でネズミの糞様の菌核を生じる。 <防除> 発病後の防除が難しい。罹病株は早めに除去し、発病の多い場合には、水田との輪作とすると被害が軽減される。 発病した株は菌核が形成されないうちに速やかに抜き取り圃場外へ処分する。 |
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黒腐病 <被害の特徴と発生生態> 葉の周辺部に黄変部が生じ、くさび状の不整形にひろがって、維管束部が黒変する。 病変は、根の維管束にもおよび、維管束部が黒変、腐敗するこもある。 <防除> 種子伝染するので、栽培にあたっては消毒済みの種子を用いる。 病原菌は土壌中に生存し土壌伝染する。多発圃場では、アブラナ科以外の作物に切り替える。 白さび病 <被害の特徴と発生生態> 収穫時のダイコン根部に黒褐色~黒色で直径3~8ミリ程度の円形の病斑(輪禍状)がいくつも見られる。病斑は横につながるように生じ、根部の中央付近より上部(地際付近)に多い。 <防除> アブラナ科野菜の白さび病菌の感染によって発生することが確認されており、圃場における白さび病の早期発見と除去に努める。 アブラナ科野菜の連作を避け、収穫後の残渣は丁寧に除去するか、深く耕して埋め込む。 |
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べと病 <被害の特徴と発生生態> 早春期に、葉の光沢がなくなり湾曲した感染株(越年株)が見られる。 株全体が淡黄緑色となり生育が劣り、2~3月頃に全身に白~灰色の胞子が多数作られ、枯死する。3月以降では、越年株からの胞子飛散により、葉に長卵形~楕円形の黄色がかった大型病斑ができる。 多湿条件では病斑に白色霜状のカビがふく。 ネギ、ワケギにも感染し、再びタマネギに伝染する。 <防除> 病株は除去し、処分する。 白色疫病 <被害の特徴と発生生態> 主に葉に発生する。葉の中央部に水浸状の病斑ができる。病斑は白色に変色し、病斑部から葉が折れ曲がり垂れ下がる。 発生は晩秋~春期にかけて見られるが、被害は3~4月に多い。特に1~2月が暖かく、3~4月が冷涼で雨が多いと発生する。 排水の悪いほ場で、早春期に豪雨による冠水をうけると多発する。 <防除> 排水の悪いほ場では、高畝にするなど排水をよくする。 |
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灰色腐敗病 <被害の特徴と発生生態> 生育中および貯蔵中のタマネギに発生する。 生育中では3~5月にかけて下葉が黄化し垂れ下がり、地際部のりん茎近くに灰色粉状のカビが生じ、りん茎が腐敗することがある。 貯蔵中のタマネギでは、首部~肩の部分にかけて腐敗し、表面に暗緑色~灰褐色のビロード状の胞子と黒褐色の粒(菌核)ができる。 1~3月に降雨の多い年に発生が多い。 類似した病害に軟腐病、腐敗病がある。 <防除> 窒素肥料の多用を避け、排水の悪いほ場では高畝栽培にするなど排水をよくする。 軟腐病 <被害の特徴と発生生態> 発病は5月頃から観察される。やや温暖で降雨の多い年に発生しやすい。 中下位葉の葉鞘部分が水浸状から灰色に変色し、葉身部分も軟腐状になり葉は倒伏する。 病原菌はりん茎に入り、軟腐状に腐敗し異臭を放つ。軽症のものではりん茎の首の部分を押さえると白汁がでる。 <防除> 病原菌は土壌中に残って伝染する。 多湿なほ場では発病が多いので、排水の悪いほ場では高畝栽培とする。 |
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さび病 <被害の特徴と発生生態> 葉および花茎に発生する。葉の表面に青白い小斑点が生じ、拡大して紡錘形となり、中央部が赤褐色で隆起し、やがて破れて橙黄色粉状の夏胞子を生じる。 のちに、病斑周辺部が黒褐色に変化して冬胞子層を生じることもあるが、夏どりではまれである。 <防除> 本病原菌はネギ属植物以外への寄生は、認められないので、ネギ、タマネギ、ニンニクなど連作や、これらの発病株周辺での栽培を避ける。 罹病株は、圃場から除去するとともに、肥料切れしないように肥培管理する。 病斑を認めたら、早めに防除薬剤を散布する。 黒斑病 <被害の特徴と発生生態> 葉および花茎に病斑が生じる。病斑は、淡褐色の紡錘形~長楕円形で、病斑上に暗色のカビが輪紋状に生じて、胞子を形成する。葉は、病斑部で折れやすくなる。 <防除> 種子伝染するため、消毒済みの種子を用いる。 肥料切れすると発病しやすいので、適正な肥培管理をする。 排水不良や多雨条件で発生しやすいので、病斑を認めたら早期に防除薬剤を散布する。 |
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アワノメイガ <被害と虫の特徴> 果実の皮を剥ぐと内部が食い荒されている。 体長は1~2センチで、縦縞模様はない。 <防除> 薬剤散布の適期は雄穂が見え始めた頃(図参照)である。 ![]() アワヨトウ <被害と虫の特徴> 葉を食害し、多発すると株が丸坊主になる。 体長は3~4センチで縦縞模様がある。 アブラムシ類 <被害と虫の特徴> 体長1~2ミリの濃い緑色の虫が葉や茎に群らがって汁を吸うため、株の生育が遅れる。 ムギクビレアブラムシとキビクビレアブラムシの2種がいて、よく似ている。 キビクビレアブラムシのほうが色がややうすい。 |
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葉かび病 <被害の特徴と発生生態> 主に葉に発生する。はじめ葉の表面にかすかに黄斑が現れ、その裏側に灰白色~灰褐色のビロード状のカビが密生する。被害が進むと葉は乾燥して巻き上がり枯れる。 葉裏の胞子が飛散して伝染する。とくにハウスなどの多湿な環境で発生しやすく、晩秋から早春に多い。密植や通気が悪いと発病しやすく、肥料切れにより株の勢いが衰えた時にも病気にかかりやすくなる。 <防除> 被害葉を摘除し、ハウスの換気を十分行う。 抵抗性品種の利用が有効である。 輪紋病 <被害の特徴と発生生態> 葉でははじめ暗褐色、水浸状の小さな斑点ができ、しだいに拡大して1センチ程度の同心輪紋状の大型病斑となる。 被害が進むと茎や果実にも同様の病斑をつくる。多湿になると病斑上には黒いビロード状のカビが生える。 病斑上にできた胞子が飛散して伝染する。 適温は28℃で、高温乾燥条件で発生が多い。 <防除> 着果期以降、肥料切れしないように注意する。とくに生育後半に発生しやすい。 |
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疫病 <被害の特徴と発生生態> 葉、茎、果実と根を侵す。葉や茎には、はじめ灰緑色のちに暗褐色、不整形の病斑をつくる。果実では、幼果にややくぼんだ褐色、ケロイド状の病斑ができる。 湿度が高いと、病斑上に白色霜状のカビが見られ、気温・湿度によっては急速に伝染し、大きな被害となる。 病原菌は被害植物とともに土の中に残り、伝染源となる。被害植物上に形成された分生胞子が雨滴などで飛散して伝染する。 <防除> ジャガイモ、トマトなどの連作を避ける。 窒素肥料が多いと発病しやすくなる。 施設では20℃前後の多湿条件下で急速に伝染し、全滅することがある。 うどんこ病 <被害の特徴と発生生態> 葉にはじめ白色の円形病斑ができ、やがて拡大し葉全体を覆い、小麦粉を振りかけたようになる。日数が経過すると、葉面は灰白色で汚れた感じになる。施設栽培で多発すると下葉から枯れ上がり大きな被害となる。 施設栽培で発生することが多い。日照不足で乾燥すると発生が多くなる。 <防除> 草勢を維持するよう施肥管理に注意する。 |
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灰色かび病 <被害の特徴と発生生態> はじめ咲き終わった花びらやがくに感染が見られ、やがて果頂部やへたが侵され、果実が腐敗する。湿度が高いと被害部に灰白色のカビが密生する。 果実に径1~2ミリの黄白色円形の斑点(ゴーストスポット)ができることもある。 施設栽培で発生が多く、被害部のカビが飛散して伝染する。12~5月にかけて20℃くらいの多湿な環境で発生しやすい。 <防除> 多湿にならないように通気や換気に努め、敷きワラやマルチを行う。病気にかかった果実や茎葉はていねいに取り除く。 尻腐症 <被害の特徴と発生生態> 生理病の一種で、果頂部に暗緑色、油浸状の病斑ができ、果実の肥大とともに病斑はくぼみ黒褐色になる。 主にカルシウム不足による症状で、粘土質や砂質土壌で発生が多い。窒素肥料が多いと発生が増え、燐酸肥料を施肥すると発生が抑制される。 <防除> 石灰と燐酸を十分に施用し、窒素の過用を避ける。土壌の急激な乾湿を防ぐため敷わらやマルチを行う。 |
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かいよう病 <被害の特徴と発生生態> 下葉が垂れ下がり、葉の周縁からしおれて巻き上がる。 また植物体表面に白~褐色のやや隆起したコルク質の小さな斑点や、果実表面には2~3ミリの鳥目状の斑点をつくることもある。 種子伝染する。発病ほ場では病原菌が土壌中に残り、伝染源となる。冷夏で雨が多いと発生は多くなる。 <防除> 種子と床土の消毒を行い、連作を避ける。 施設内の湿度を下げる工夫や雨よけ栽培をする。摘芽は晴天時に行う。 軟腐病 <被害の特徴と発生生態> 支柱や誘引テープに触れた部分から水浸状に黒ずみ、茎のズイまで変色してしおれて枯れる。 押さえると腐敗した汁液が出て悪臭を放ち、乾くと茎の内部が崩壊して空洞になる。 土壌中に病原菌が生存し、摘芽や風雨によってできた傷から感染する。高温で雨が続くと発生が多くなる。 <防除> 発病した株は見つけしだい除去する。 雨よけ栽培やマルチ、敷きワラを行い土の跳ね上がりを防ぐ。 |
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萎ちょう病 <被害の特徴と発生生態> 日中、株の片側の下葉から黄化してしおれ、病気が進むと全葉が黄変、しおれて枯れる。根はアメ色に、維管束は褐色に変色する。 連作により病原菌は土壌中に残り、土壌の温度が高く、根に傷があると発生しやすい。 J1、J2、J3の3種の萎ちょう病菌がある。J1、J2は高温条件下で発生するが、J3は低温条件下で発生する。 <防除> 抵抗性品種や抵抗性台木による接木栽培を行い、連作を避ける。土壌pHを矯正し、敷わらなどで地温の上昇を押さえると発病は減る。 青枯病 <被害の特徴と発生生態> 日中、急に水分を失ったようにしおれ、株全体が青枯れ状となり、急速に症状が進む。 地際部の茎を切ると維管束が褐変し、乳白色の液が生じる。 夏期高温の時期に発生しやすく、ナス科作物の連作で多発する。病原菌は土壌中で2~3年以上生存し、根の傷などから侵入する。 <防除> 多発ほ場では連作を避ける。排水や敷きワラにより根の傷みを防ぎ、シルバーマルチにより地温上昇を防ぐ。 抵抗性品種や、抵抗性台木に接木すると発病が少ない。 芽かき、収穫時のハサミ伝染に注意する。 |
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モザイク病 <被害の特徴と発生生態> ウイルスによる病害で、新葉にまだら模様(モザイク症状)ができる。CMV(キュウリモザイクウイルス)とToMV(トマトモザイクウイルス)がある。 葉脈が透けて見え葉脈間は濃淡のモザイク状になり、被害が進むと葉が糸状となり、株がしおれる(ToMV、CMV)。また、果実、茎、葉を褐変させることもある(ToMV)。 CMVは主にアブラムシで、ToMVは、種子や土壌、接触によって伝染する。 <防除> 畝面をシルバーポリフイルムで被覆するとアブラムシ類の飛来が少なくなる。 種子、育苗箱、床土の消毒を行い、抵抗性品種を用いる。 アブラムシ類 <被害と虫の特徴> 生長点付近の葉が湾曲したり、黄化している症状があれば、アブラムシ類の有無を調べる。 翅のはえたアブラムシは頭と胸が黒く背に斑紋がある。翅のないアブラムシは卵形で、淡黄緑色と淡紅色のものがある。 |
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オンシツコナジラミ <被害と虫の特徴> タバココナジラミと同様に幼虫が葉の汁液を吸ってネバネバした液を排泄し、その上にすす病が発生するため葉や果実が黒く汚れる。 多発すると株全体が弱り、収量も減少する。 葉裏には体長2ミリの白く透明な小判型をした幼虫が付着している。 成虫は体長2ミリで白い蝶のように見える。 寒さに弱く、主にハウス内で発生する。 タバココナジラミ <被害と虫の特徴> 幼虫は葉裏に寄生し、葉の汁液を吸ってネバネバした液を排泄するため、すす病が発生する。 葉の汁が吸われると果実の一部が着色せず、赤色とうすい緑色のまだら模様になる。 幼虫は体長2ミリの小判型で、体色はうすい黄色で一対の赤い斑点がある。 成虫は体長2ミリで白い蝶のように見える。 |
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オオタバコガ <被害と虫の特徴> 幼虫が葉や果実を食い荒して穴をあける。 幼虫は緑色で、成長すると体長4センチになる。 1匹の虫が次々と果実を加害してゆくので、虫の発生が少なくても被害は大きい。 <防除> 被害を受けた果実は見つけしだい切り取って処分する ハダニ類 <被害と虫の特徴> 体長0.5~1ミリの非常に小さな虫が葉の汁を吸い、吸われた部分は色が抜ける。 体色の赤いカンザワハダニとうすい緑色のナミハダニがいる。 トマトサビダニ <被害と虫の特徴> 葉の縁が裏側へそり返り、葉裏は光を反射して銀色に光る。 多発すると茎や果実が褐色になって硬くなる。また、葉が株元から黄色く枯れ上がる。 虫の体長は0.2ミリで非常に小さいため、肉眼では発見できない。 高温乾燥を好み、主にハウスで発生する。 |
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吸蛾類 <被害と虫の特徴> 蛾の成虫によって果実が吸汁され、その部分は円く褐色に腐ってへこむ。腐敗は急速に広がり、やがて果実が落下する。 種類はアカエグリバ、アケビコノハなどがあり、いずれも翅を広げると4~10センチの大型の蛾である。 山林に近いほ場で発生が多く、夜間に飛来する。 <防除> ほ場をネットで覆って、蛾の侵入を防ぐ。 黄色蛍光灯を点灯して蛾の吸汁行動を抑制する。 アザミウマ類 <被害と虫の特徴> 葉が吸汁され、その部分が光を反射して銀色に光る。また、幼果に多発すると、果実の表面にソバカス状の褐色の斑点ができる。 種類はダイズウスイロアザミウマ、ヒラズハナアザミウマ、ミカンキイロアザミウマなどがある。いずれも体長は1ミリで小さく細長い。 ヒラズハナアザミウマ、ミカンキイロアザミウマはウイルス病(黄化えそ病)を媒介する。 ヒラズハナアザミウマが産卵した果実は一部分が白く盛り上がるのが特徴で、白ぶくれ症状とよばれる。 |
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黄化葉巻病(TYLCV) <被害の特徴と発生生態> 感染したトマトは、新葉が表面側または裏側へ巻きあがり、葉の葉脈と周辺部を残して黄化して縮葉となる。 本病の病原ウイルスは、タバココナジラミによって媒介される。 <防除> 育苗期からタバココナラジラミの発生を防止する。 ハモグリバエ類 <被害と虫の特徴> 幼虫が葉の内部を食べるため、葉に曲がりくねった白い帯が生じる。多発すると隣り合う帯がくっつき、葉全体が白くなる。 トマトハモグリバエやマメハモグリバエが発生する。成虫は体長2ミリのハエで、幼虫は黄色、体長3ミリである。 <防除> 圃場内や周辺の除草を行う。 ハウスの開口部に防虫ネットを張る。 |
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うどんこ病 <被害の特徴と発生生態> はじめ葉の表面に白いカビが点々と生じ、しだいに広がって葉全体が小麦粉を振りかけたようになる。多発すると葉柄や果実のへたの部分も白くなる。病斑は古くなると灰色~黄褐色に変色し、病気の葉は、やがて落葉する。 気温が25~28℃、湿度が50~80%程度の高温乾燥時に発生が多い。 <防除> 密植を避け、日当たりと風通しをよくして葉が茂り過ぎないようにする。 ハウスではビニールが汚れ、透明度が落ちると発生が多い。 すすかび病 <被害の特徴と発生生態> はじめ下葉の裏側に黄白色のカビが密生し、やがて灰褐色、ビロード状の丸い病斑(0.5~1センチ)となる。葉の表面にはうすい黄褐色~褐色、周縁がぼやけた円形病斑が現れる。 多発すると多数の病斑ができ、融合し、葉が黄色くなり、落葉することがある。 高温多湿になる施設栽培で発生が多い。 <防除> ハウスの換気や水管理に注意し、湿度を下げるように努める。 多発すると防除が難しくなる。 |
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灰色かび病 <被害の特徴と発生生態> ハウスで発生が多く、咲き終わった花びらや幼果に感染しやすい。 20℃程度の多湿な環境条件や過繁茂で発病が多くなる。 果実の先端やがくに褐色のくぼんだ病斑ができる。病斑はしだいに大きくなり、灰色のカビが密生する。 <防除> 咲き終わった花びらはていねいに抜き取り、病気にかかった果実や葉はハウスの外へ持ち出し処分する。畝面マルチやハウスの換気を行い湿度を下げる。 菌核病 <被害の特徴と発生生態> 茎の分かれた部分や地際部に水浸状の病斑ができ、病斑より上の茎葉がしおれる。果実では紫褐色、水浸状に腐敗する。果実、茎の病変部には白色綿状のカビが生え、のちにネズミの糞状の黒い塊(菌核)ができる。 菌核が土壌中に残って伝染源となる。 20℃程度のやや低温の多湿な条件で発生し、連作により多発する。 <防除> 夏期湛水や田畑輪換により土壌中の菌核を死滅させる。マルチや敷きワラによりハウス内の湿度を下げる。病気にかかった果実や枝は見つけしだい処分する。 |
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黒枯病 <被害の特徴と発生生態> 葉に境目が明瞭な黒褐色で同心円状の輪紋のある斑点ができる。多発すると葉に多数の病斑ができ落葉し、果実の表面に水泡状の小さな隆起を生じて湾曲することがある。 ハウス特有の病害で高温多湿な環境条件で発生しやすい。褐紋病に似ているが、黒枯病は病斑の上に黒い小粒ができない。 <防除> ハウス内の換気や排水をよくする。 畝面や通路に敷わらやマルチを行うと発病は抑制される。 褐色腐敗病 <被害の特徴と発生生態> 果実ではややくぼんだ褐色の病斑をつくり、多湿なときは表面に白色霜状のカビがふき果実が腐敗する。根では細根が褐変腐敗して、茎の地際部に淡褐色、水浸状の病斑ができると葉は黄変してしおれて枯れる。 病原菌は土壌中に存在し、土の跳ね上がりによって伝染する。 <防除> 抵抗性台木に接木し、風雨による土の跳ね上がり防止のため高畝栽培とするほか、マルチや敷きワラをすると発病が軽くなる。 |
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半身萎ちょう病 <被害の特徴と発生生態> 下葉の葉脈間に周縁が不鮮明なうすい黄色でクサビ形の病斑が現れ、しだいに上位葉に進み、株の片側もしくは全体がしおれる。茎を切ると維管束が変色している。 ナス科の作物を連作すると発生が増加する。 発病株の葉、茎などの病原菌が土壌中に蓄積して被害が増加する。 地温が25℃程度で根から作物体内に侵入し、道管内で増殖してナスを枯死させる。 <防除> 抵抗性の台木に接木する。 7~8月にほ場を湛水し、太陽熱による土壌消毒を行う。 発生が多いほ場では苗床や畑の土を土壌消毒する。 青枯病 <被害の特徴と発生生態> ナスが急激にしおれ、青枯れ状になる。茎を切ると維管束があめ色に変色している。 茎を切り、水に浸すと乳白色の粘液が出る。 夏期に発病が多く、畝間潅水により急速に周囲へ広がる。連作や排水不良、乾湿の差が大きいほ場で発病が多くなる。 <防除> 発病株は見つけしだい土とともに抜き取る。 堆肥の施用により土壌の微生物層を豊富にする。太陽熱により土壌消毒を行う。 シルバーマルチで地温上昇を抑える。 抵抗性台木に接木する。 |
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苗立枯病 <被害の特徴と発生生態> 発生は発芽直後から、本葉2~3枚の頃に多く認められる。 苗の地際部の茎が暗褐色になり細くくびれ、しおれて枯死する場合(リゾクトニア菌)と、茎が水浸状となり柔らかくなり、腰折状に枯死する場合(ピシウム菌)がある。 重粘土質や酸性土壌で発生が多く、温度、湿度が高いと急速に蔓延する。 <防除> 育苗土は新しい土を用い、堆肥など有機質はよく腐熟したものを用いる。 モザイク病 <被害の特徴と発生生態> モザイク病は主にCMV(キュウリモザイクウイルス)の感染で発生することが多い。 発病したナスの葉(新葉2~3枚目)を透かしてみると葉脈間に黄斑が見られ、葉に緑の薄い部分がまだらにできる。 果実の表面がデコボコしたり、湾曲する。また、果肉が部分的に褐変することがある。 ウイルスはワタアブラムシによって被害植物から伝搬される。土壌や種子伝染はしない。 |
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TSWV <被害の特徴と発生生態> 病原菌はウイルスで、アザミウマ類によって伝染する。ナス科をはじめキク、アカザ科などの植物に感染する。また、M系統はウリ科に感染する。 ナスの葉、果実、茎、株全体に症状がでる。 葉では輪紋状に色の薄くなった部分が生じ、やがて、褐色のえそ症状になる。 果実では、がくの部分に褐色のくぼみを生じる。 発病が甚だしいと株全体が萎ちょうする。 <防除> アザミウマ類の防除を徹底する。 ミカンキイロアザミウマ <被害と虫の特徴> 葉では吸汁された部分がカスリ状の白色斑点となり、しだいに光沢を帯びて銀色に光る。 水ナス果実では果頂部に円形状の脱色斑点が生じ、症状がひどい場合は果頂部全体が着色不良になる。 体長は成幼虫とも0.5~2ミリで小さく細長い。成虫の体色は黄褐色、幼虫は淡黄色である。 ナス、キュウリ、トマト、ピーマン、キク、バラ、トルコギキョウ、ミカンなど多くの作物や雑草に発生する。 <防除> 寒冷紗等で成虫の飛来を防ぐ。 ビニールマルチし、土中での蛹化を防ぐ。 畑の中や周辺の除草を行う。 |
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ハダニ類 <被害と虫の特徴> 葉の汁が吸われ、その部分は色が点状に白く抜ける。多発すると葉が全体に白っぽくなったり、部分的に黄色くなったりする。 成虫の大きさは約1ミリと小さい。体色が赤色のカンザワハダニ(赤ダニ)とうすい黄緑色のナミハダニ(白ダニ)がある。 高温・乾燥を好み、7~8月にさかんに増殖する。 チャノホコリダニ <被害と虫の特徴> 葉裏が褐色をおびて光沢をもち、葉の縁が裏側へ曲がる。多発すると葉に穴がたくさんあいてぼろぼろになる。 新芽では葉が開かなくなり、生長が止まる。 果実ではヘタが灰色になる。また、ヘタの周辺に網目状の灰色の傷がつく。 虫は体長0.2ミリで非常に小さいため、肉眼では発見できない。このため、被害の原因がわからないまま放置されていることが多い。 |
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オンシツコナジラミ <被害と虫の特徴> 幼虫が葉の汁を吸ってネバネバした液を排泄し、その上にすす病が発生するため、葉や果実が黒く汚れる。多発すると株全体が弱り、収量も減少する。 成虫は体長2ミリで白い蝶のように見える。 葉裏には体長2ミリの透明な小判型をした幼虫が付着している。 寒さに弱いため、主にハウス内で発生する。 アブラムシ類 <被害と虫の特徴> 葉裏に虫が群がって寄生し、オンシツコナジラミと同様に葉の汁を吸ってネバネバした液を排泄するため、すす病が発生して果実や葉が黒くよごれる。 体色が赤褐色または黄緑色で体の後ろが尖ったモモアカアブラムシと黒色または緑色で体の後ろが尖らないワタアブラムシがある。体長は0.5~2ミリである。 |
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ニジュウヤホシテントウ(テントウムシダマシ) <被害と虫の特徴> 葉裏が薄くかじられ、階段状に透けてみえる。果実の表面も薄く階段状にかじられ、その部分は硬く褐色になる。 成虫は体長7ミリのテントウムシで、背中に28個の黒点がある。幼虫は体長2~6ミリで灰白色の、黒いトゲをもったタワシのような形をしている。 ハスモンヨトウ <被害と虫の特徴> 幼虫が葉や果実を食い荒して穴だらけにする。幼虫は頭の後方に一対の黒い斑点があることが特徴である。 <防除> 卵からかえったばかりの幼虫は集団で暮らすため、その被害葉をみつけて処分する。 チャコウラナメクジ <被害と虫の特徴> 葉や果実を食い荒して穴だらけにする。昼間は石の下などに潜伏し、夜間に活動する。 |
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ミナミキイロアザミウマ <被害と虫の特徴> 葉では葉脈沿いに白色斑点が生じ、しだいに光沢を帯びて銀色に光る。 果実ではがくの内側の果面が褐変し、筋状の傷が広がる。多発すると果面全体に傷が広がり、褐変する。 体長は0.5~2ミリで小さく、成虫は黄色、幼虫は黄白色である。 <防除> 圃場内や周辺の除草を行う。 畝面をマルチにして土中のでの蛹化を防ぐ。 ハウスの開口部に防虫ネットを張る。 オオタバコガ <被害と虫の特徴> 幼虫が葉や花を食い荒らし、果実に食入して穴をあける。 幼虫は緑色または褐色で、成長すると体長は4センチになる。 1匹の幼虫が次々と果実に食入するので、発生が少なくても被害が大きい。 <防除> 葉に発生している幼虫を見回って捕殺する。穴のあいた果実は内部の幼虫を殺してから処分する。 防虫ネットにより成虫の飛来を防ぐ。 タバココナジラミ <被害と虫の特徴> 幼虫は葉裏に発生し、葉の汁を吸ってネバネバした液を排出するため、多発するとすす病が発生する。 成虫は体長2ミリで白い蝶のように見える。 幼虫は体長2ミリの小判型で、体色は黄色、一対の赤い斑点がある。 <防除> 圃場内や周辺の除草を行う。 ハウスの開口部に防虫ネットを張る。 |
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うどんこ病 <被害の特徴と発生生態> 葉および葉柄部に白い粉が付いたような病斑が発生し、その後、病斑が拡大して葉全体を白く被う。 発病程度が激しいと、下葉から黄化し、枯れ上がる。 被害部内の病原菌が越冬・越夏し、第一次伝染源となる。発病株上に形成された病原菌の胞子が飛散して、感染拡大する。 <防除> 被害株は圃場に放置せず、圃場衛生に努める。 初期防除を徹底する。 黒すす病 <被害の特徴と発生生態> 本病はニンジンの収穫後、根をブラシで洗浄する際に感染し、出荷後保存中に可食部に綿毛状の黒いかびが発生するのが特徴である。本病の発生しやすい温度は、20℃程度である。発病には品種間差異が認められている。 <防除> 洗浄の際のブラッシングを弱め、表面に傷を付けない様に注意する。 洗浄に使用する水をこまめに交換する。 出荷の際、箱詰めの通気をよくするために、穴を開けた箱を使用する。 |
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さび病 <被害の特徴と発生生態> 葉面にオレンジ色のやや隆起した小斑点が多数できる。のちに表面が破れ、粉状、黄橙色の粉末(夏胞子)を飛散する。病状が進むと病斑周辺に褐色の病斑ができ、紫褐色の胞子(冬胞子)が飛散する。 多発すると被害葉が枯死する。 気温が22℃ぐらいの時に多発し、24℃以上で発生が減少する。春期(5~6月)と秋冬期(10~1月)の2回発生する。 肥料切れしたほ場で発生が多い。 <防除> 多発すると防除が困難となるので発病初期からの防除を徹底する。 黒斑病 <被害の特徴と発生生態> 5~11月にかけて発生する。特に梅雨期には被害が多い。 葉、花茎に紡錘形の病斑ができ、病斑には同心円状に淡黒色すす状のカビが生える。病斑から上部が枯れ上がり、甚だしい場合、葉全体が枯死して、折れ曲がる。 <防除> 被害植物を放置せずに処分する。 |
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シロイチモジヨトウ <被害と虫の特徴> 卵は100個くらいがひと塊りに産みつけられ、卵からかえった幼虫が集団で葉を食べる。その後、幼虫は散らばり、葉の中に入ってボロボロに食い荒す。 <防除> 葉の中に虫が入ってしまうと薬剤が効きにくいので、早めに薬剤散布する。 ハスモンヨトウ <被害と虫の特徴> シロイチモジヨトウによく似る(図参照)。 ヨトウムシ(ヨトウガ) <被害と虫の特徴> シロイチモジヨトウによく似る(図参照)。 ![]() |
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ネキリムシ <被害と虫の特徴> 虫の姿が見えないのに、次々に苗が地際から切り取られて食われる。 犯人はタマナヤガまたはカブラヤガという蛾の幼虫で、体長は4センチ、体色は灰色または褐色である。 昼は土の中に潜んでおり、夜に出てきて苗をかじって切り倒す。 土の中から掘り出すと体をまるめるのが特徴で、体はゴムのように弾力がある。 さまざまな野菜、花、雑草を食べる。 <防除> 被害の見られた株のまわりを掘り返し、虫をつかまえて殺す。 ネギアブラムシ <被害と虫の特徴> 体長2~3ミリの光沢のある黒い虫が群がって葉の汁を吸う。 多発すると株の生長が止まり、小さな苗では枯死することがある。 |
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ネギアザミウマ <被害と虫の特徴> 虫が葉の汁を吸い、吸われた痕はカスリ状に色が抜けて白くなる。 虫は黄色く、体長は1ミリで細長い。 ネギハモグリバエ <被害と虫の特徴> 葉の内部を幼虫がトンネルを掘って食い進み、その痕が細長く白い筋になる。また、成虫の産卵痕は規則正しく並んだ白い点になる。 ネギコガ <被害の特徴と発生生態> 幼虫の食い進んだ痕が白く太い筋になり、葉のところどころに穴があく。 |
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べと病 <被害の特徴と発生生態> 葉に淡黄色で不規則な病斑ができ、しだいに拡大して葉脈で区切られた角形の斑点になる。葉裏には葉脈に灰白色のカビが生える。 採種時には、茎、花柄、サヤなどが侵され、被害部分は膨れ、ゆがんで奇形となる。 晩秋、春季の低温多湿時に発生が多い。 <防除> ハクサイに感染する病原菌は、コマツナ、カブ、ナタネなどを侵すので、多発ほ場ではこれらの作物を続けて栽培しない。 軟腐病 <被害の特徴と発生生態> 葉、葉柄に油のしみたような斑点ができ、しだいに淡褐色~灰褐色になって拡大し、葉は腐敗して悪臭を発生する。 結球の外葉からだけでなく、内部から発生することもある。また、畑だけでなく収穫後の貯蔵、輸送中に発病することもある。 病原菌は土壌中に生存し、高温多湿時に株の傷口などから侵入し発病する。 <防除> アブラナ科作物を共通して侵すので、多発した畑での連作を避ける。低湿地で発生が多いので、排水を良くする。 高温期の栽培を避け、寒冷紗で被覆すると被害が軽くなる。 |
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白斑病 <被害の特徴と発生生態> 葉面に灰褐色の小斑点ができ、しだいに拡大し1~2センチの円形~多角形の灰白色の病斑ができる。病斑中央部は薄くなり破れやすい。 多発すると葉全体が黄化して枯死する。 秋から初冬にかけての雨の多い時期に多発する傾向がある。 べと病と同時に発生することが多い。多発すると火であぶったように葉が枯れる。 酸性土壌、肥料切れで発生が多くなる。 <防除> 品種によって発病に差がある。連作を避け、水稲との輪作を行う。 被害葉が伝染源となるので除去する。 黒斑病 <被害の特徴と発生生態> 葉に2~10ミリの淡褐色の円形病斑が生じる。病斑には同心円状の輪紋があり、境界部は明瞭で周辺部は油浸状となる。 茎や花柄にも病斑ができ、種子中に菌糸が蔓延し、種子伝染する。 <防除> 早まきすると多発しやすい。 肥料切れしないようにする。 被害葉を放置しない。 |
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アブラムシ類 <被害と虫の特徴> 葉に体長1~2ミリの小さな虫が群生して汁を吸う。 モモアカアブラムシ(緑色または赤褐色)、ニセダイコンアブラムシ(くすんだ緑色)、ダイコンアブラムシ(白色)の3種類が寄生する。 モザイク病 <被害の特徴と発生生態> 葉に淡緑色の斑入りが生じ、葉が萎縮して生育不良となる。品種によっては葉脈が透明になったような症状を示す。 生育初期に感染すると株が縮れて結球しない。生育後期に感染すると結球が悪くなる。 <防除> 病原のウイルスを運ぶアブラムシ類を防除する。 ハクサイダニ <被害と虫の特徴> 冬にのみ現われるのが特徴で、家庭菜園でしばしば発生する。 赤色のクモの子供のような虫が群生して吸汁するため、葉は色が抜け、しだいに枯れる。 |
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アオムシ(モンシロチョウ) <被害と虫の特徴> 体長1~3センチの緑色の虫が葉を食害して大きな穴をあける。 <防除> 少発生のときは虫を捕殺する程度でよい。 コナガ <被害と虫の特徴> 体長0.5~1センチの淡緑色の虫が葉の裏面を薄く食害する。食害直後はその部分が透かし状になり、やがて褐変して穴があく。 ヨトウムシ(ヨトウガ) <被害と虫の特徴> 体長1~4センチ。夜行性で、日中は根元の土の中や結球内にいるので、葉が激しく食い荒されていても虫が見つからないことが多い。 卵からふ化してしばらくの間はアオムシによく似ており、葉の裏側に集団で寄生する。 <防除> 幼虫が集団で寄生している葉を切りとって処分する。また夜間に畑を見回って虫を捕殺する。 |
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根こぶ病 <被害の特徴と発生生態> 定植後早期に感染した株は主根を中心に多数の瘤が形成されるため、地上部の生育が不良となり、日中萎れ症状を示して結球しない。生育後期に感染すると地上部の萎れ症状は認められないが根に瘤の着生が認められるため、株の生育が遅れる。 被害根の組織内に形成された病原菌が数年間土壌中に生存し、伝染源となる。アブラナ科作物にのみ感染するため、アブラナ科の連作により被害が増大する。 <防除> 育苗は無病畑又はセル成型苗を利用し、健全苗の育成に努める。 アブラナ科の野菜の連作、過度の早植えは避ける。ただし、ダイコンには被害を及ぼさない。 排水をよくして過湿を避ける。 初期発病株は根こぶが破壊する前に処分し、収穫後の圃場衛生にも努める。 圃場のpHが酸性に傾くと発病しやすいので、石灰質資材やゼオライトなどで土壌酸度を適正(pH6.5~7)に調整する。 ネキリムシ <被害と虫の特徴> 幼虫が定植直後に苗を切り倒す。 カブラヤガまたはタマヤナガが発生する。幼虫は灰色または褐色で、成長すると体長は4センチになる。 昼間は土の中に潜み、夜間に現れて苗を切り倒す。 幼虫の体はゴムのように弾力があり、土から掘り出すと体をまるめる。 <防除> 被害がみられた株のまわりを掘り返し、幼虫を捕殺する。 キスジノミハムシ <被害と虫の特徴> 成虫が葉を食べ、1~2ミリの円形の穴がたくさんあく。幼虫は根を食害する。 成虫は体長2ミリ、黒色の体にオレンジ色の線が2本走る。人が近づくと飛び跳ねて逃げる。 成虫は地中に生息し、土中より成虫が発生する。 <防除> アブラナ科を連作すると発生が多くなるので連作を避ける。 |
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疫病 <被害の特徴と発生生態> 苗では茎の地際部が暗緑色、水浸状に柔らかくなってしおれて倒れる。生育した株では茎や枝にも同様の症状が現れる。葉や果実には暗緑色、水浸状の斑点ができ、病斑が大きくなると灰白色、霜状のカビをつくる。 病原菌は土の中に2~3年生存し、水滴などにより伝染する。連作や高温多湿の条件で発生しやすく、ほ場が冠水すると急激に蔓延する。 <防除> 排水を良好にし、高畝栽培とする。敷わらやマルチにより土の跳ね上がりを防ぐ。 ハウス栽培では太陽熱消毒をする。 炭そ病 <被害の特徴と発生生態> 葉に黄色の小斑点ができる。病斑は褐色の不規則な斑点で中央部が灰色である。果実では中央部にややくぼんだ水浸状の小斑点ができ、やがて輪状紋ができて中央部に黒い小粒点をつくる。 温暖で雨が多いときに発生が多い。病斑上の胞子が雨などの水滴により飛散して病気が広がる。種子伝染もする。 <防除> 健全な種子を用い、畑の排水を良好にする。 発病した葉や果実は胞子が飛散する前に取り除き、処分する。 |
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白斑病 <被害の特徴と発生生態> 主に葉に発生するが、果梗、若い枝にも発生する。葉では、はじめ褐色の小斑点が現れ、しだいに大きくなり直径2~3ミリの灰白色の病斑となる。発病は株の下葉から発生し、しだいに上の葉へ広がる。 枝には5~10ミリの長い病斑ができる。 露地栽培では発生が少ないが、ハウスでは多湿条件下で多発し、病斑が拡大し、葉全体が黄化して落葉することがある。 <防除> 抵抗性品種を用い、肥料切れに注意する。 発病した葉は取り除き、処分する。 モザイク病 <被害の特徴と発生生態> CMVに比べPMMoVによる被害が多い。 PMMoVでは新葉が黄化し、まだら模様(モザイク症状)となる。茎にはすじ状の斑紋、葉では褐変した斑点ができ、落葉することも多い。果実は奇形となる。 CMVでは若い葉がモザイク状となる。 <防除> PMMoVは感染植物への接触、種子、土壌などによって伝染するが、アブラムシ類による伝染はしない。発病した株は抜き取り、管理作業などで接触しないようにする。 CMVはアブラムシ類により伝染するので、アブラムシ類を防除する。 |
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ハスモンヨトウ <被害と虫の特徴> 幼虫が集団で葉や果実を食い荒して穴だらけにする。 若い幼虫は緑色であるが、しだいに黒褐色になる。頭の後方に一対の黒い斑紋があるのが特徴である。 <防除> 卵からかえったばかりの幼虫は集団で食害しているため、虫ごと葉を切り取って処分する。 ヨトウムシ(ヨトウガ) <被害と虫の特徴> 幼虫が集団で葉や果実を食い荒して穴だらけにする。 若い幼虫は緑色であるが、成長すると褐色や黒色のものが多くなる。 <防除> 密な集団を作る若齢幼虫時に、葉とともに虫を取り除く。 タバコガ <被害と虫の特徴> 幼虫が果実の中に侵入して食い荒し、果実を腐敗、落下させる。 幼虫は緑色で、背中に黒褐色の斑点がみられる。 <防除> 被害果を切り取って処分する。 |
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ミナミキイロアザミウマ <被害と虫の特徴> 果実やヘタに褐色の傷がついて奇形果となる。葉では汁を吸われた部分の色が白く抜け、光を反射して銀色に光る。 体長は1ミリで非常に小さく、見つけにくい。体色は成虫では黄色、幼虫では白~うすい黄色である。 <防除> 虫の数が少ないうちから果実に傷がつくため、早期発見、早期防除に努める。 チャノホコリダニ <被害と虫の特徴> 葉の新芽に寄生すると葉が奇形になったり、葉が展開しなくなったりする。 果実では灰褐色のコルク状の傷が、がくとその周囲に広がる。 虫の大きさは0.2ミリで非常に小さいため、肉眼では発見できない。このため、症状に気づいても、原因がわからないまま放置されていることが多い。 |
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白絹病 <被害の特徴と発生生態> 株元が褐色に変色し、その部分が軟腐状に腐敗する。湿度が高いとその部分に白色の菌糸が生じる。 株が枯死したあとには、芥子粒状の菌核が多数認められる。 <防除> 罹病株から伝染する。種茎の採取は健全親株からにする。 半身萎ちょう病 <被害の特徴と発生生態> 日中茎葉にしおれが認められるようになり、やがて、葉に黄化症状がみられるようになる。 症状が進むと、株全体が萎ちょうし、葉の萎れた部分は枯れる。 葉柄を切断すると維管束が褐色になっている。 <防除> 施設栽培ではハウス密閉による太陽熱消毒が効果的である。 水田との輪作は発生を軽減できる。 フキアブラムシ <被害と虫の特徴> 葉が裏側に巻き、被害葉を開くと葉裏に体長1~2ミリの褐色の虫が見られる。 多発すると畑全面に被害葉が見られる。露地ほ場に多く、ハウスでは少ない。 フキでは他にワタアブラムシとモモアカアブラムシが葉裏に寄生するが、葉は巻かない。 |
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黒腐病 <被害の特徴と発生生態> 主に葉に発生する。本葉では下葉に発生しやすく、葉縁にくさび型の黄色の病斑を生じ、その後、黒褐色に変色する。病斑部は破れやすくなる。花らいに発生すると黒変する。 病原菌は被害残渣とともに土壌に残存し、伝染源となる。病原菌は雨滴により跳ね上がり、葉縁の水孔部や傷口から感染する。春先や秋に降雨の多い年に多発しやすい。 <防除> 種子伝染するので、健全種子を用いる。 アブラナ科野菜の連作を回避する。 病原菌は傷口等から侵入するので、害虫の発生にも留意する。 ハスモンヨトウ <被害と虫の特徴> 体長1~4センチのイモムシが葉を食い荒らす。体長は緑色、褐色、黒色などさまざまで、頭の後方に一対の黒い斑紋を持つのが特徴。 卵が数百個かためて産まれるため、若齢幼虫は集団で葉裏を食害する。このときの被害は葉表の薄皮が残るため、葉が白っぽく見える。 <防除> 若齢幼虫の集団を葉ごと処分する。 |
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苗立枯病 <被害の特徴と発生生態> は種後から本葉2~3葉期に発生する。 地際部が侵され、茎がくびれて苗が倒れる。 数種の病原菌が関係しており、低温から高温まで多湿な条件下で発生する。 <防除> 畑の排水を良くする。雨よけ栽培で発生が少ない。 萎ちょう病 <被害の特徴と発生生態> 下葉が黄化し、しおれ症状が見られる。地際部の茎を切ると維管束が褐変している。 土壌伝染性病害で土壌中に厚膜胞子が残って伝染を繰り返す。 やや温度の高い条件下で発生が多い。 <防除> 発病した畑ではホウレンソウの連作を避ける。 べと病 <被害の特徴と発生生態> 葉にうす緑色~黄色の境界不明瞭な病斑ができる。のちに淡黄色の病斑となり、多湿時に葉裏に灰色のカビが生える。 |
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ミナミキイロアザミウマ <被害と虫の特徴> 葉の新芽に寄生して汁を吸い、葉を傷つける。この傷は葉の生長につれて伸びてゆくため、葉が縮れたり、奇形になったりする。 虫は体長1ミリ程度で、黄色く細長い。 虫が小さく数も少なく、新芽に潜り込んでいるため、見つけにくい。 <防除> 生育初期に寒冷紗や不織布をかけて、虫の侵入を防ぐ。 株が大きくなった後は、中心部の新葉の傷が目立たないので、防除は不要である。 モモアカアブラムシ <被害と虫の特徴> 体長1~2ミリの赤または緑色の虫が葉裏に群がって汁を吸うため、葉が縮れて奇形になり、株の生育も遅れる。 ウイルス病を媒介し、病気にかかった葉は色が濃淡のまだら模様(モザイク状)になる。 <防除> 生育初期に寒冷紗や不織布をかけて、虫の侵入を防ぐ。 ヨトウムシ(ヨトウガ) <被害と虫の特徴> 幼虫ははじめのうちは集団で生活し、2~3枚の葉が集中して食われる。被害葉は最初白くなり、後に褐変して枯れる。 集団で暮らす幼虫は体長1~2センチの緑色で、アオムシによく似ているが、シャクトリムシのように体を曲げたり伸ばしたりしながら歩くのが特徴である。 虫は大きくなると4センチになり、まわりに移動していく。大きくなった虫は昼間は株の下や土の中におり、夜に出てきて葉を暴食する。 <防除> 虫が集団で発生している葉を切り取って処分する。 |
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シロオビノメイガ <被害と虫の特徴> 虫は体長1~2センチ、うすい緑色で、ヨトウムシによく似るが、集団生活はしない。 葉を薄皮だけ残して食うため、その部分が白っぽくなり、やがて穴があく。 糸を吐き、葉を綴り合わせて中に潜むので、この習性によってもヨトウムシと容易に区別できる。 <防除> イヌビユやアカザなどの雑草に多いので、畑の中や周辺の除草を徹底し、虫の侵入源を断つ。 ハモグリバエ類 <被害と虫の特徴> 幼虫が葉の内部を食べるため、葉に曲がりくねった白い帯が生じる。多発すると隣り合う帯がくっつき、葉全体が白くなる。 トマトハモグリバエやマメハモグリバエが発生する。成虫は体長2ミリのハエで、幼虫は黄色、体長3ミリである。 <防除> 圃場内や周辺の除草を行う。 ハウスの開口部に防虫ネットを張る。 |
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べと病 <被害の特徴と発生生態> 葉に淡黄色の斑点ができ、しだいに拡大して葉脈に区切られた角型病斑となる。病斑の裏面は白色霜状のカビが生える。 <防除> 発病株を放置しない。 立枯病 <被害の特徴と発生生態> 養液栽培で5月~7月、9月~10月に発生が多い。 地際部の茎葉が侵され、葉は水浸状になり急速に腐敗し、表面をクモの巣状の菌糸が覆う。 <防除> 育苗時、定植が遅れると発生しやすい。種子に混入した病原菌から伝染することもある。 根腐病 <被害の特徴と発生生態> 夏期高温時に養液栽培で発生する。地際部が水浸状となり、根が褐変し、地上部はしおれて枯死する。 病原菌は培養液で伝染し、急速に広がって大きな被害となる。 <防除> 培養液濃度を高くし、pHを低く管理すると被害が軽くなる。 |
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株枯病 <被害の特徴と発生生態> 高温期に発生しやすい。初め外側の葉が黄化し、その後中心の葉にも同様な症状を示し、生育が阻害され枯死する。根は腐敗する。 病原菌は被害残渣とともに土壌中に残存、水耕栽培ではパネル内に侵入した根の組織内で残存し、伝染源となる。 種子伝染の可能性が示唆されている。 <防除> 種子伝染の可能性があるので、種子消毒を実施したものを使用する。 水耕栽培では、栽培槽、タンクを清潔にし、中性次亜塩酸カルシウム(カルシュウムハイポクロライド)等で消毒する。 パネル内に残存した病原菌が伝染源となるので、パネルを新しいものに交換するか、加熱殺菌する。 ハダニ類 <被害と虫の特徴> 体長0.5ミリの楕円形の虫が葉の汁を吸うため葉の色が抜け、多発すると葉全体が真っ白になる。カンザワハダニは赤色、ナミハダニはうす緑色(赤色のこともある)である。 <防除> ハダニ類は雑草から侵入するため、ハウスの中や周辺に雑草を生やさない。 アザミウマ類 <被害と虫の特徴> 体長0.5~1ミリの黄色~褐色の細長い虫が葉の汁を吸うため葉の色が抜ける。ネギアザミウマやミカンキイロアザミウマなど数種類いる。 <防除> 症状はハダニ類と似ているため、ルーペを使ってどちらであるかを確認する。 アザミウマ類は花に集まるため、ハウスの中や周辺に花を植えない。 |
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べと病 <被害の特徴と発生生態> 外葉に輪郭が不明瞭で不整形の黄色斑紋ができ、やがて葉脈で囲まれた角形の病斑になる。湿度が高いと葉の裏面に白い霜状のカビがみられる。激しい場合、葉全体が枯れあがり、乾いて紙のようになる。 春、冬期で湿度の高い時に発生する。 軟腐病 <被害の特徴と発生生態> 地際の茎、葉柄に淡褐色水浸状の病斑ができ、やがて軟腐状となる。結球期では茎、葉柄基部から発病し、球全体が腐敗し悪臭を発する。 高温多湿条件下で発生が多く、特に、初夏から秋にかけて気温の高い季節に発生が多い。 <防除> 冬期に収穫する作型では発生が少ない。 ビッグベイン病 <被害の特徴と発生生態> 葉縁部分から葉脈が透け、編目状になる。やがて葉脈に沿った部分の色が薄くなり葉脈が太くみえる。 土壌中のカビにより媒介されるウイルス病である。 <防除> 連作によって発病が増加する。土壌のpHを低くすると発病が抑制される。 |
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アブラムシ類 <被害と虫の特徴> 0.5~3ミリの赤または緑色の虫が葉や新芽に群がって汁を吸うため、葉や新芽がしおれたり、奇形になったりする。 葉の汁を吸う時にウイルス病を媒介する。 ウイルス病にかかった株は葉の色が濃淡のまだら模様(モザイク状)になり、株の生長が止まる。 <防除> 生育初期に寒冷紗や不織布をかけて、虫の侵入を防ぐ。 ヨトウムシ(ヨトウガ) <被害と虫の特徴> 虫は小さいうちは集団で生活し、2~3枚の葉を集中的に食害する。 虫は大きくなるとまわりに移動し、葉脈を残して葉をボロボロに食害する。 大きくなった虫は昼は株元や土の中に潜み、夜に出てきて葉を食べる。ヨトウムシ(夜盗虫)の名はこの習性にもとづいている。 <防除> 生育初期に寒冷紗や不織布をかけて虫の侵入を防ぐ。 集団で食害している葉を見つけ、切り取って処分する。 |
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疫病 <被害の特徴と発生生態> 6月中旬頃から発生する。果実に緑色水浸状斑点ができ、やがて暗紫色、円形でくぼんだ病斑になり、白色のカビに覆われる。 葉では褐色の小斑点ができて拡大し、葉脈に区切られた2~3センチの角形病斑になる。 幹の地際部では樹皮が黒褐色になり軟化する。根は腐敗消失し、やがて樹勢が衰えて枯死する。 <防除> 病気にかかった果実や葉は集め、枯れた樹は早めに抜き取り処分する。 暗渠を入れ、園全体の排水をよくする。 敷きわらやマルチなどで地面からの雨水のはね返りを防ぐ。 コナカイガラムシ類 <被害と虫の特徴> 果実、新芽、葉裏に体長1~2ミリ、白色の粉をかぶったワラジ状の虫が集団で寄生して吸汁する。吸汁よりも排泄物に発生するすす病の黒い汚れが問題となる。 幼虫と成虫は大きさに若干差がある程度で同じ形をしている。どちらも脚があり、移動できる。 しばしば綿の塊のような物質が見つかるが、これは雌成虫が作った卵の袋で、その中に数百個の卵が産まれている。 <防除> 卵の袋を見つけしだい取り去る。 虫のいる芽や葉ではブラシで表面をこすって虫を押しつぶす。 |
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アザミウマ類 <被害と虫の特徴> 成虫が果実内に侵入して食害する。果実の外観は変わらないが、内部の食害された部分は褐変し、腐敗しやすくなる。 寄生するアザミウマ類は数種類知られているが、いずれも体長1ミリの細長い小さな虫で、体色は黄色または褐色である。 <防除> ほ場周辺の雑草を除去し、虫の生息密度を下げる。 カミキリムシ類 <被害と虫の特徴> キボシカミキリとクワカミキリの2種類が寄生する。 キボシカミキリは幼虫が樹幹や主枝の樹皮下を食害し、被害が進むと樹勢が衰えて枯れる。近年被害が大きい。成虫は体長1.5~3センチ、体は黒色で多数の黄色の斑紋がある。 クワカミキリは幼虫が枝や樹幹の中心部を食害する。成虫は体長4センチで黄褐色である。産卵時に新梢に傷をつけるため、果実が成熟して重くなると、新梢が傷の部分から折れる。 成虫の脱出孔から雨水が入り、内部を腐らせる。 <防除> 被害枝は切り、枯れた株は掘り起こして処分する。 成虫を見つけしだい捕殺する。 脱出孔を木工ボンド等でふさぐ。 |
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ハダニ類 <被害と虫の特徴> 葉裏に寄生して汁を吸うため、多発すると葉の色が全体にうすくなり、被害がひどいと葉が褐変して硬くなる。 果実に寄生すると果皮が褐変して硬くなる。多発すると果実が肥大しない。 ハダニ類のほとんどは赤色のカンザワハダニで、このほかにうすい緑色のナミハダニが時々見られる。体長は両種とも0.5ミリで小さい。 カンザワハダニが発生すると、作業用の手袋に小さな赤いシミが付着する。この赤いシミの量によって発生状況が把握できる。 高温乾燥条件で多発しやすい。 <防除> 雌成虫は雑草で越冬するので、除草を徹底する。 イチジクモンサビダニ <被害と虫の特徴> 体長0.2ミリで、肉眼では見えない。 葉や果実の新芽に寄生し、葉は奇形になったり、まだらに色が抜ける。果実は肥大しないか、まだらに色が抜ける。 イチジクヒトリモドキ <被害と虫の特徴> 幼虫は葉脈を残して葉を食べる。多発すると樹が丸坊主になる。発生が多いと果皮まで食害する。 卵は葉の裏に塊で産みつけられ、幼虫は集合性が強い。 南方系の蛾で最近、本州でも発生が拡大している。 成虫は年4回以上発生する。越冬は蛹で土の中で行われる。 <防除> 幼虫の集団を見つけしだい、葉ごと処分する。 |
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黒星病 <被害の特徴と発生生態> 葉に赤褐色の小斑点ができ、中心部が脱落し穴があく。枝では輪状の病斑ができ、中心部は灰色となる。 果実では、2~3ミリの黒色斑ができ、多発すると果面に亀裂ができ、果実の外観が悪くなり商品価値が著しく低下する。とくに、梅酒用の青ウメでは商品性がなくなる。 低湿地や山間部などの通風不良園、日照不良園、密植園及び老木園に発生が多い。 <防除> 剪定時に病斑のできた枝を切除する。 密植を避け、通風、排水を艮好にする。 アブラムシ類 <被害と虫の特徴> 体長1ミリの小さな虫が集団で新梢や葉裏に寄生し、吸汁する。 吸汁された葉は縮れ、新梢の伸びが悪くなる。被害がひどいと果実が発育不良となって落果する。 葉や果実が虫の抜け殻、排泄物、その上に発生するすす病によって黒く汚れる。 ムギワラギクオマルアブラムシ、オカボノアカアブラムシなどが寄生する。 |
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ウメシロカイガラムシ <被害と虫の特徴> 若い枝に集団で寄生して吸汁するので、多発すると落葉や枝枯れが起こり、樹勢が著しく衰える。 虫の介殻は直径2ミリ、白色で円く平らな形をしている。寄生が多い樹では、2~3年生枝が白く粉をふいたように見える。 タマカタカイガラムシ <被害と虫の特徴> 枝に集団で寄生して吸汁するので、多発すると枝全体が枯れる。 虫は体長5ミリ、赤褐色の球形である。 <防除> 発生が少ない場合は、作業用の手袋をはめて虫をこすり落とす。 |
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炭そ病 <被害の特徴と発生生態> 5月頃、新梢に楕円形で暗褐色の病斑ができ、広がると木質部分に達し縦に亀裂ができる。病斑上部の枝が枯れることがある。 果実では、梅雨期に黒色で円形~楕円形のくぼんだ病斑ができ、早く着色し、熟果となって落下しやすくなる。 病原菌は病気になった枝で越冬し、翌春胞子ができ新梢に伝染する。 <防除> 間伐を行って園内の通風をよくする。 剪定時に発病枝、果実を切り取り除去する。 うどんこ病 <被害の特徴と発生生態> 5~6月頃、若葉に小黒点が多数集まり、墨を塗ったような病斑となる。8月下旬になると葉裏が白い粉で覆われる。 多発すると落葉を早め、品質が低下する。 空梅雨の年に多発傾向がある。 <防除> 落葉を集めて処分する。 |
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落葉病 <被害の特徴と発生生態> 円星落葉病と角斑落葉病があり、カキに最も普通に見られる病気である。 円星落葉病は9月頃から発生し、葉に3~5ミリの赤褐色で円い病斑ができ、落葉する。 角斑落葉病は7~8月頃から発生し、3~7ミリで灰褐色で角ばった病斑が葉にできる。 <防除> 落葉はていねいに集めて処分する。 カメムシ類 <被害と虫の特徴> 成虫が果実に飛来して吸汁する。吸われた部分ははじめは目立たないが、その後腐って1センチの円いくぼみになる。 チャバネアオカメムシ、ツヤアオカメムシ、クサギカメムシの3種類による被害が大きい。 カキクダアザミウマ <被害と虫の特徴> 新葉が縦に細く巻き、その後褐変して落葉する。葉を開くと細長い虫がいる。成虫は体長3ミリで黒く、幼虫は0.5~2ミリで黄色である。 幼果にも寄生し、吸汁された痕は果実の生長後、褐色の斑点となって残る。 |
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カキノヘタムシガ(カキミガ) <被害と虫の特徴> 幼虫がヘタの部分から果実に食い入り、食い入った部分には褐色の虫糞が見られる。 被害を受けた果実はその後ヘタを残して落果する。また、8月の被害果は早期に着色するのが特徴である。 1年に2回発生し、幼虫が樹皮の割れ目で越冬する。 <防除> 秋にムシロを幹に巻き、潜り込んだ越冬幼虫を冬にムシロごと処分する。 冬に粗皮削りを行う。 イラガ類 <被害と虫の特徴> 幼虫は5~20匹が葉裏に集まって寄生し、葉表の薄皮を残して食べるので、その部分が透けて見える。大きくなった幼虫は葉脈や葉柄だけを残して葉を食べつくす。 幼虫には毒のあるトゲがあり、さわるとひどく痛む。 1センチの楕円形のまゆの中で越冬する。 イラガ、アオイラガ、ヒロヘリアオイラガなど約10種類がカキに寄生する。 <防除> 冬期にまゆを集めて処分する。 |
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実炭そ病 <被害の特徴と発生生態> イガに不定形の褐色~黒褐色斑紋ができ、湿度の高い時には病斑上に粘質でピンク色の胞子の塊ができる。 果実は表面が黒褐色に腐敗し、内部も褐色~黒褐色になり腐敗し、空洞ができ、灰白色の菌糸が生える。葉では葉脈、中肋部分が黒褐色の斑紋になる。 枝や芽の中に潜在する病原菌が雨水によって流れ出し伝染する。 <防除> 枝葉を適度に剪定し、密生を防ぐ。 発病の多い場合には耐病性品種を用いる。 コウモリガ <被害と虫の特徴> 枝、幹の周りに、大きさ1~3センチの木屑を固めた団子状の塊が付着する。 塊になった木屑を手ではがすと簡単に取れ、穴があいている。 穴の奥に、イモムシ状の虫がいる。 幼木に食入すると、樹を枯らすこともある。 小枝や樹幹に食入すると、強風などでそこから折れることがある。 <防除> 幼虫は周辺の雑草から移動してくるので、雑草を適切に管理する。 食入している穴に針金などをさし込んで、幼虫を殺す。 |
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モモノゴマダラノメイガ <被害と虫の特徴> 幼虫は果実に食入し、大粒の糞を外に出して糸で綴る。 幼虫は樹皮の割れ目などで越冬する。 <防除> 秋にムシロを幹に巻き、越冬幼虫を集めて処分する。 クリミガ <被害と虫の特徴> 幼虫は9~10月に果実に食入するが、収穫時には糞が見られないため、被害が判りにくい。 幼虫は10月中旬~11月上旬に果実から脱出して土に潜り、まゆを作って越冬する。 <防除> 10月上~中旬にイガを集めて処分する。 クリシギゾウムシ <被害と虫の特徴> 幼虫は9~10月に果実に食入するが、糞を外に出さないため、被害が判りにくい。 幼虫は10月中旬~11月上旬に果実から脱出して土に潜り越冬する。 <防除> 10月上~中旬にイガを集めて処分する。 |
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カツラマルカイガラムシ <被害と虫の特徴> 枝や幹の表面に寄生して吸汁するため、多発すると樹が衰弱して枯死する。 介殻は褐色、直径2ミリで、殻をはがすと黄色く柔らかい虫の本体が見られる。 卵からふ化したばかりの幼虫は黄色で殻がない。脚があって歩けるのはこの時期だけで、新しい枝にたどりついて定着した後は移動しない。 <防除> カットバックを行って樹高を低くし、薬剤が虫にかかりやすいようにする。 クリタマバチ <被害と虫の特徴> 幼虫はクリの芽に寄生し、虫コブをつくる。 発生が多いと果実が少なくなって収量が減る。樹が弱って枯れることもある。 6~7月に虫コブから成虫が羽化して新芽に卵を産みつける。卵からかえった幼虫ははじめのうち成長が遅く、越冬後に急に成長して虫コブを作る。 成虫は黒色で、体長3ミリの小さな蜂である。 <防除> 剪定を行い、樹勢を強く保つ。 寄生蜂のチュウゴクオナガコバチを放飼する。 |
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クリオオアブラムシ <被害と虫の特徴> 卵は黒く、体長1.5ミリの長円形である。幹や枝に多数の卵が塊で産みつけられ、冬を越す。 卵は4月中旬にふ化し、その後成虫が枝に寄生して吸汁する。 虫は黒色で、一見するとアリのように見える。成虫になると体長が5ミリに達する大型のアブラムシである。 <防除> 越冬中の卵塊を冬の間に見つけてつぶす。 クスサン <被害と虫の特徴> 卵で越冬し、4月下旬~5月上旬に黒色の幼虫が卵からふ化する。幼虫ははじめ群れをつくるが、成長するにつれ分散する。 6~7月に白色で毛が長い体長10センチの大型の毛虫になり、さかんに葉を食べた後、褐色のかごのようなまゆの中で蛹になる。 成虫の蛾は9~10月に現われ、100個以上の卵を一塊にして枝の分岐点付近に産みつける。 <防除> 冬の間に卵塊を見つけてつぶす。 5月上旬に幼虫が集まっている葉を切り取って処分する。 |
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晩腐病 <被害の特徴と発生生態> 果房、葉、枝等に発病するが、最も被害が大きいのは成熟期の果房の腐敗である。 果実の成熟が進むと、表面に淡褐色の点から墨がにじむような病斑になり、さらに鮫肌状に黒変する。その後、晴天が続くとミイラ化し、干しブドウ状になる。 デラウエアに発生が多く、病原菌は結果母枝、巻きヒゲなどで越冬する。 <防除> 密植を避け棚面を明るくし、通風および排水を良くするとともに袋かけを行う。 黒とう病 <被害の特徴と発生生態> 葉、果実、新梢、巻きヒゲに発病し、甲州、ネオマスカット、巨峰などに多い。 開花期では、花が黒く変色し、花流れとなる。幼果期では2~5ミリの円形病斑ができ、鳥の目状になることから「鳥眼病」とも呼ばれる。果実肥大が悪く、品質低下につながる。 病原菌は、ツルなどに菌糸で越冬し、雨滴の飛沫によりまん延する。 <防除> 病枝、病果、巻きヒゲを除去する。 ハウス栽培では発病が抑制される。病枝は剪定で除去する。 雨除けすることで被害が軽減できる。 |
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べと病 <被害の特徴と発生生態> 若葉での被害は、はじめ淡黄色で輪郭の不明瞭な斑点が現われ、やがて裏面に白色のカビが密生し、ひどくなると早期落葉する。 開花前の花穂は白色のカビが生えたのち、褐変枯死する。未熟期の果房では鉛色から紫黒色に変わり脱粒しやすくなる。 雨滴により伝染し、露地栽培で発生が多い。 落葉の組織内で胞子の状態で越冬する。 20~22℃の多湿な条件で発生しやすい。 <防除> 被害葉は早めに除去し、処分する。 褐斑病 <被害の特徴と発生生態> デラウエア、キャンベルアーリーに多発する。葉に5~9ミリ程度の大きさで黒褐色の斑点ができ、病斑の裏には淡褐色ですす状のカビが生える。多発すると、葉が早期落葉し、果実の着色が不良となり商品価値が低下する。 発病枝や葉に付着した病原菌が越冬し、翌年再び風雨により飛散し、感染し発病する。 <防除> 越冬伝染源の除去を目的に粗皮削りを行う。 |
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さび病 <被害の特徴と発生生態> 葉身、葉柄、穂軸、果梗、新梢に発生し、デラウエア、巨峰などの品種に被害が多い。 発病が多いと早期落葉し、結果母枝の栄養の蓄積が妨げられ、翌年の生育が悪くなる。 伝染経路は、ぶどう葉上にできた冬胞子が落葉上で越冬し、翌年、中間寄主のアワブキなどに寄生し、再びブドウに伝染する。 露地栽培で発生が多い。 <防除> 被害葉は早めに除去し、処分する。 うどんこ病 <被害の特徴と発生生態> 施設栽培で発生が多く、若葉、新梢、果実に発病が見られる。 一般に欧州系品種(マスカット、甲州)に発病が多く、アメリカ系品種(キャンベルなど)は耐病性である。 葉の表面にクモの巣様の白色のカビが生え、のちに黄白色の病斑ができる。 多発すると、葉の裏側まで広がり、葉全体が白色の粉で覆われたように真っ白となる。 果実への被害は、成熟を遅らせ、収穫後の果房の日持ちを悪くする。 <防除> 通風、日当たり、排水を良くする。 被害部(芽しぶ)を早めに除去し、処分する。 |
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つる割病 <被害の特徴と発生生態> 若葉、幼果、緑枝、古ツルなどに発生する。被害は、欧州系品種に多い。 若葉では葉が縮れ、葉の縁が内側に巻く。緑枝の基部付近には丸みを帯びた黒色の条斑が一面にでき、いわゆる「黒ツル」となり折れやすくなる。 病原菌は枯死した2年枝の病患部で越冬し、翌年発芽し、胞子が降雨により伝染する。 <防除> 発病枝の切除、古ツルの除去や粗皮はぎを行う。 窒素質肥料を控え、軟弱徒長を防ぐ。 灰色かび病 <被害の特徴と発生生態> 主にハウス栽培で発生が多く見られ、花穂、果実、穂軸、葉が侵される。 開花中、落花直後の花穂での被害が最も大きい。穂軸などが褐色になり、多湿条件で灰色のカビが生え、褐変枯死して脱粒する。 排水不良園や、開花期前後の長雨、台風時に低温多湿になると園全体に広がり、収穫皆無になることがある。 <防除> 園地の排水を良くし、枝の過繁茂を避ける。 ハウス栽培では、ビニールマルチをし、換気を十分に行い、湿度を低下させる。 |
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ブドウトラカミキリ <被害と虫の特徴> 幼虫が枝の内部を食い進み、被害を受けた部分は黒くなる。虫のいる枝の先の新梢はしおれて枯れる。糞は外に排出しない。 幼虫は体長1~2センチで白く、頭と胸は褐色である。 成虫は8~9月に羽化する。体長1~1.5センチで、腹部に黒地で黄色の横縞模様があるのが特徴である。 <防除> 剪定時に被害枝を切り取り、処分する。 ブドウスカシバ <被害と虫の特徴> 幼虫が枝の内部を食い進み、食害された部分は赤褐色になってふくれる。虫のいる枝の先では新梢の伸びが止まる。 被害枝のところどころから糞が出されるため、ブドウトラカミキリと区別できる。 幼虫は体長3~4センチ、うすい黄色で、頭は褐色である。 成虫は5月中~下旬に羽化する。体長2センチで、黒地に黄色の横縞模様がある。一見するとハチに非常によく似ている。 <防除> 剪定時に被害枝を切り取り、処分する。 |
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チャノキイロアザミウマ <被害と虫の特徴> 果実の表面に褐色の傷ができ、その部分は硬くなる。とくにマスカット・オブ・アレキサンドリアのような緑色系統のブドウでは症状が顕著で被害が大きく、多発すると褐色の果実に変わる。 虫は体長1ミリと非常に小さいので、発見するのは困難である。 新芽、新葉にも寄生し、新葉では葉裏の葉脈が褐変する。この症状は虫の発生量のめやすになる。 幼果の頃の被害が収穫後まで残る。 クワコナカイガラムシ <被害の特徴と発生生態> 果実と果梗に白色、綿状の虫が群生して吸汁する。 少しでも虫がつくと商品価値がなくなってしまうので、被害は大きい。また、虫の排泄物にすす病が発生するので、果実が黒く汚れる。 緑色系統のブドウで発生が多い。 <防除> 粗皮削りを行い、虫の越冬場所をなくす。 |
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フタテンヒメヨコバイ <被害と虫の特徴> 虫が葉裏に寄生して吸汁するため、その部分は色が白く抜ける。多発すると葉全体が白っぽくなり、果実の着色が不良になって糖度が下がる。 成虫は体長3~4ミリで、うすい黄色の地に褐色の模様がある。幼虫は体長1~4ミリで、白または黄色である。 多発時に園内を歩くと成虫がさかんに顔にぶつかってくる。 カンザワハダニ <被害と虫の特徴> 葉裏に体長0.5ミリの小さな赤いダニが寄生して吸汁するため、葉の色が白く抜ける。 乾燥を好み、ハウスでしばしば多発する。 ドウガネブイブイ <被害と虫の特徴> 名前のとおり銅のような色をした体長2~2.5センチのコガネムシで、園内または園外からたくさん飛んで来て、葉を暴食する。 |
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アメリカシロヒトリ <被害と虫の特徴> 幼虫がテント状に糸を張って群生し、葉脈と薄皮を残して葉を食い荒らす。幼虫が大きくなるとテントの外に出て、葉を食べる。 卵は100個くらいの塊で葉に産みつけられるので、卵からかえった幼虫が集団で葉を食べる。 幼虫は灰黒色で、白色の長い毛が目たち、成長すると体長は3センチになる。 <防除> 幼虫が集団で発生している葉を切り取って処分する。 トビイロトラガ <被害と虫の特徴> 幼虫が新梢の先端などやわらかい葉を食害し、成長すると葉脈や葉柄を残して葉を食い荒らす。 幼虫は橙黄色、黒色の横帯が線状に走り、成長すると体長は4センチになる。 <防除> 圃場を見回り、幼虫を捕殺する。 ハスモンヨトウ <被害と虫の特徴> 幼虫が葉や新芽を食い荒らす。早期加温栽培で被害が多い。 卵は100個くらいの塊で葉に生みつけられるので、卵からかえった幼虫が集団で葉を食べる。 幼虫は緑色、灰色、黒褐色などさまざまで、体長は1~4センチである。 頭の後ろに一対の小さな黒い斑紋があるので、他のヨトウムシ類と区別できる。 <防除> 幼虫が集団で発生している葉を切りとって処分する。 |
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クワゴマダラヒトリ <被害と虫の特徴> 越冬後の幼虫による被害が大きい。萌芽期に食害を受けると経済的損失が大きい。幼虫は様々な植物を食べる。 幼虫は大きく、黄褐色の突起をもち、多数の黒くて長い毛が生えている。 卵は塊で産み付けられるが、ブドウには産卵しない。幼虫ははじめ巣網の中で集団で生息し、落葉の間などで越冬する。越冬後は単独で行動する。 <防除> ブドウのハウスでは、ハウスを開け始めるとそとから越冬後の幼虫が侵入してくるため、見つけ次第捕殺する。 圃場周辺から侵入してくるので、周辺の除草に努める。 アカガネサルハムシ <被害と虫の特徴> 成虫が発芽後の新芽ややわらかい新梢を食い荒らす。食害された部分は赤褐色に変色し、へこむ。 発生が多いと果実も食害し、穂軸が切り取られる。 成虫は体長7ミリ、金属光沢の緑藍色で、中央に赤褐色の筋が2本走る。 幼虫は土中に生息し、根を食害するが、実害はほとんどない。 ブドウヒメハダニ <被害と虫の特徴> 新梢基部の表皮が吸汁されて黒褐色に変色し、伸びが悪くなる。葉は葉脈沿いに黒褐色になる。 多発すると果実の肥大や着色が妨げられる。 きわめて扁平なダニで、体長は0.3ミリ、赤色で、ほぼ卵形である。 |
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そうか病 <被害の特徴と発生生態> 葉、果実の表面に、直径1ミリ前後に隆起する「イボ型」や「そうか型」の病斑ができる。 果実の外観が悪くなり、糖は少なく、酸が多くなるなど品質が低下する。 降雨により伝染、幼木や樹勢の盛んな樹で発生が多い。 <防除> 被害枝葉は剪定し、園内の通風と採光を良くし、多湿にならないようにする。 かいよう病 <被害の特徴と発生生態> 葉、果実に発生する。はじめ円形、水浸状の斑点ができ、やがて盛り上がり、中央部の表皮が破れコルク化し、その周囲が黄色くなる。発病が激しいと落葉する。 果実に発生すると、外観が悪くなり、商品価値が著しく低下する。 越冬した病斑が伝染源となる。夏秋枝に潜伏して越冬することもある。 風当たりの強い園や台風後、さらにはミカンハモグリガの食痕などからも発病する。 温州みかんでは発生が少なく、グレープフルーツやネーブルで発生が多い。 <防除> ミカンハモグリガの防除や風ずれ対策、施肥管理を十分に行う。 |
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黒点病 <被害の特徴と発生生態> 葉、枝、果実に感染して、微小な黒色、円形の病斑ができる。病斑は、黒点、涙斑、泥塊状とさまざまである。 果実に発生すると商品価値が低下する。 伝染源は枯枝で、6~10月に降雨が多いと多発する。また、若木園より老木園や管理不良園に発病が多い。 <防除> 枯枝を剪定し、剪定枝は放置せず、埋没するなど処分する。 密植園の間伐を行い、樹冠内部まで十分光を入れ、通風を良くする。 初期発生期の防除が重要である。 ミカンハモグリガ <被害と虫の特徴> 体長4ミリ、うすい黄色の虫が新葉の内部にトンネルを掘って食い進むため、葉に曲がりくねった白い筋がたくさん見られる。また、葉が奇形になったり、生長が止まる。 夏から秋に伸びた秋梢に被害が多い。このため、とくに若木で被害が目立ち、多発すると生育が抑制される。 食痕に沿ってかいよう病が発生しやすい。 |
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ロウムシ類 <被害と虫の特徴> 枝や葉に寄生して吸汁するため、多発すると樹勢が衰える。また、虫の排泄物上に発生するすす病によって葉や果実が黒く汚れる。 ルビーロウムシとツノロウムシが主な種類で、いずれも名前のとおり、体がロウ物質でできた介殻におおわれている。 ルビーロウムシは5~6ミリであずき色、ツノロウムシは6~8ミリで白色である。 ヤノネカイガラムシ <被害と虫の特徴> 葉、枝、果実に寄生して吸汁し、多発すると落葉がひどくなり、樹が枯死する。また、果実では虫の寄生した部分がへこむとともに着色不良となり、商品価値が低下する。 雌の介殻は褐色で体長3ミリ、矢じり(矢の根)のような形をしており、虫の名前はこれにちなむ。 雄の介殻は体長1.5ミリ、白色の綿状で細長く、葉裏で群れをつくっている。 <防除> 府内では天敵のヤノネツヤコバチ、ヤノネキイロコバチが放飼され、現在は発生が少ない。 |
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ミカンコナジラミ <被害と虫の特徴> 幼虫が葉裏に寄生して吸汁する。虫の排泄物上に発生するすす病のために葉や果実が黒く汚れる。 幼虫は透きとおった緑色で体長1~1.5ミリ、平らな小判型をしている。 成虫は体長1~1.5ミリで翅が白く、樹をゆするとパッと舞い上がる。 <防除> 密植すると多発するので、剪定を十分に行い、日当たりや通風をよくする。 ゴマダラカミキリ <被害と虫の特徴> 幼虫は幹の樹皮下を食害し、地際から木屑状の糞が出ているのが特徴である。発生が多いと樹が衰弱し、枯死する。 幼虫はテッポウムシとよばれ、白色で老熟すると体長は5センチになる。 成虫は体長3.5センチ、背中は濃い藍色で光沢があり、多数の白点をもつ。 成虫の脱出孔から雨水が入り、内部を腐らせる。 <防除> 成虫を見つけしだい捕殺する。糞の出ている場所から針金をさし込んで、中の幼虫を殺す。 産卵を防ぐために、幹の地際付近にネットを巻きつける。 脱出孔を木工ボンド等でふさぐ。 |
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コアオハナムグリ <被害と虫の特徴> 成虫は体長1~1.5センチのコガネムシで、緑色の地に白い模様が散在する。 開花時に密を吸うために飛来し、将来果実になる部分を足の爪や頭で傷つける。 傷は果実の生長にともなって大きくなり、果頂部からクモの巣状や放射状に広がる傷となる。発生が多い時は着果率が悪くなる。 ミカンサビダニ <被害と虫の特徴> 果実に虫が寄生して吸汁し、傷ついた果皮はかさぶた状になって、果実全体が褐色または灰色に変色する。 虫は体長0.2ミリと非常に小さいので肉眼では見えないが、果実に無数に寄生している時は、果実が黄色っぽいほこりをかぶったように見える。 気温が高く、降水量が少ない年に発生が多い。 |
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ミカンハダニ・アブラムシ類 <被害と虫の特徴> 葉裏に寄生して吸汁するため、吸われた部分は色が抜けて白くなる。多発すると落葉が早まる。 果実に寄生すると着色が遅れ、色がぼけて商品価値が著しく低下する。 アブラムシ類 <被害と虫の特徴> 新梢と葉裏に体長1ミリの小さな虫が集団を作って寄生し、吸汁する。 吸汁された葉は小さくなったり、巻いたりするほか、虫の抜け殻と排泄物がつき、さらに排泄物にすす病が発生して汚くなる。 多発すると果実の生育が抑えられて品質が悪くなる。 ワタアブラムシ、ユキヤナギアブラムシ、ミカンクロアブラムシが主な種類である。 <防除> 苗木や高接樹は防除する必要があるが、成木ではふつう防除は不要である。 |
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ナシマルカイガラムシ <被害と虫の特徴> 葉、枝、幹、果実に発生する。 多発すると黄斑~赤褐色斑を生じ、果実では着色むらとなって美観が損なわれる。 雌成虫は円形、やや隆起し、体長は2ミリ、茶褐色または黄褐色である。 以前は、サンホーゼカイガラムシと呼ばれていた。 吸汁ヤガ類 <被害と虫の特徴> 成虫が夜間に飛来し、熟した果実を吸汁する。果実には円い1ミリの穴があき、この部分から腐敗して落果する。 アカエグリバ、ヒメエグリバ、アケビコノハなどが加害する。 アカエグリバとヒメエグリバは開張3~4センチ、アケビコノハは開張10センチで大型の蛾である。 |
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縮葉病 <被害の特徴と発生生態> 新葉に赤~黄色の火ぶくれ状の病斑ができ、分厚く膨れる。表面には白い粉がおおい、やがて黒褐色に腐って落ちる。 果実に火ぶくれ状の病斑ができる。 気温が低く、雨が多い年に発生が多い。 新葉が展開する頃に発生し、5月頃まで伝染し、25℃以上の気温で発生が減少する。 アブラムシ類 <被害と虫の特徴> 主にカワリコブアブラムシとモモコフキアブラムシの2種類が寄生する。 カワリコブアブラムシは葉裏に集団で寄生して吸汁し、葉は裏側へ縦に巻き込んで棒状になる。発生が多いと樹内のほとんどの葉が巻いてしまう。 モモコフキアブラムシも葉に集団で寄生して吸汁するが、葉が巻くことはない。虫の排泄物にすす病が発生し、葉や果実が黒く汚れる。虫は名前のとおり、粉をふいたように白っぽいのが特徴である。 |
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黒星病 <被害の特徴と発生生態> 果皮にホクロ状の黒い斑点ができる。発病が激しい場合、病斑が多数密生し、病斑密生部分の皮が硬くなり裂果することがある。 <防除> 中晩生種で発生が多い。早期に袋かけを行うと被害が少なくなる。 炭そ病 <被害の特徴と発生生態> 幼果頃から発病し、病斑部はくぼみ、ピンク色の胞子の塊ができ、やがてミイラ化する。 病気にかかった枝の葉は上に巻く。 <防除> 発病の多い園では早期に袋かけを行う。 病果や、葉の巻いている枝は切り取る。 灰星病 <被害の特徴と発生生態> 主に熟した果実で発病し、粉状で灰白色の胞子が多数でき、急速に広がり落果する。 花が病気にかかると、褐色に変色し腐る。 <防除> 病気にかかった果実は直ちに除去する。 |
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モモノゴマダラノメイガ <被害と虫の特徴> 幼虫は果実内に食い入り、果実の外に粒状の糞を出す。 幼虫は全体が赤っぽく、褐色の斑点がある。成長すると体長2.5センチになる。 成虫は翅を開くと2.5センチの蛾で、夜間に活動する。虫の名前は黄色の翅に黒い点がゴマのように散らばっていることによる。 <防除> 袋かけをして虫の食入を防ぐ。 ナシヒメシンクイ <被害と虫の特徴> 幼虫が新梢に食入するため、新梢の先端が枯れて黒くなる。また、そこから細かい糞が出る。 中生、晩生種では、新梢の伸びが止まると果実に食入し、食入した部分から細かい糞を出す。 幼虫は黄色で、斑点はない。成長すると体長1センチになる。成虫は体長5~7ミリの黒っぽい小さな蛾である。 <防除> 袋かけをして虫の食入を防ぐ。 |
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せん孔細菌病 <被害の特徴と発生生態> 細菌の感染によって発生する病害で、モモに普通に見られる病気である。はじめ、葉に葉脈で区切られた不整形の斑点ができ、淡褐色~紫褐色の斑点となり、やがて病斑部分が乾いて抜け落ち、円い穴になる。 新梢では水浸状の病斑ができ、やがて褐色に変わり枝の表面に亀裂ができる。 <防除> 枝にできた病斑は切り取り、枯れた枝は集めて処分する。 モモハモグリガ <被害と虫の特徴> 幼虫は葉の内部に、はじめうずまき状の、その後は蛇行したトンネルを掘って食い進む。 トンネルは白く見え、細かい黒い糞がトンネル内に残される。 うずまき状に食害された部分は枯れて抜け落ち、円い穴になるため、せん孔細菌病の被害とまちがいやすい。 幼虫は成長すると葉から脱出し、葉裏にハンモックのようなマユをつくる。 成虫は体長3ミリ、銀色の小さな蛾である。 <防除> 落葉を集めて処分する。 |
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コスカシバ <被害と虫の特徴> 幼虫が枝や幹の樹皮下に潜り込んで食害し、樹を弱らせる。また、食害部から樹が折れやすくなる。 幼虫は成長すると、体長2.5センチになる。 <防除> 虫糞や樹脂の出ているところを皮ごと削り取り、中にいる幼虫を殺す。 スカシバコンを10a当たり50~150本設置して成虫の交尾を妨げる。 ハダニ類 <被害と虫の特徴> 葉裏に寄生して吸汁するため、吸われた部分はカスリ状の白い斑点になる。多発すると葉全体が白っぽくなり、早期に落葉する。 主要なハダニ類は、カンザワハダニ、ミカンハダニ、ナミハダニの3種類である。 カンザワハダニ、ミカンハダニは赤く、ナミハダニはうすい緑色である。いずれも体長0.5ミリで小さい。 <防除> 下草で繁殖した後、樹にのぼってくるので、雑草を繁茂させないようにする。 |
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カメムシ類 <被害と虫の特徴> 成虫が果実に飛来して吸汁する。吸われた部分の果皮下はスポンジ状になり、果面がでこぼこになる。 チャバネアオカメムシ、ツヤアオカメムシ、クサギカメムシの3種が主に発生する。 3種とも幼虫がスギやヒノキの果実で生育し、羽化後の成虫が飛来して加害する。 チャバネアオカメムシは体長1センチ、光沢のある緑色で、翅の部分は褐色である。 <防除> 袋かけを行う。 |
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モモスズメ <被害と虫の特徴> 葉を食害するイモムシで、成長すると8センチにもなる。 幼虫のおしりに1本の長い突起を持つのが特徴で、幼虫の色は緑色ないし黄色である。 モモ、ウメ、サクラなどのバラ科植物とツゲ、ニシキギなどを食害する。 <防除> 見つけしだい幼虫を捕殺する。 ヒメシロモンドクガ <被害と虫の特徴> はじめは群がって葉を食害するが、成長すると1匹づつ葉の縁から食害するようになる。 モモ、ウメ、サクラ、バラなどのバラ科植物とベゴニアなどを食害する。 <防除> 毛虫が群がっているときに枝ごと切り取り、処分する。 ウスバツバメガ <被害と虫の特徴> 4月頃から葉を食害して、小さな穴をあける。 大発生した場合、樹全体が丸坊主になることもある。 モモ、ウメ、サクラ、スモモ、リンゴなどのバラ科植物を食害する。 <防除> 見つけしだい幼虫を捕殺する。 |
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馬鹿苗病 <被害の特徴と発生生態> 育苗箱で苗が著しく伸び、黄緑色になる。甚だしい場合には枯死することもある。 本田では株が黄化、伸長し、葉と茎との角度が大きくなり、横に開いた感じとなり上位節から根が出る。 本田においては発病株は枯れ、株元の葉鞘または節に白い粉状のカビが生える。 高温多湿条件下で被害もみが多くなる。 <防除> 病原菌は種もみで伝染するので、種子消毒が重要である。 発病株から胞子が飛散し、感染もみの原因になるので、伸長した株を見つけたら抜き取る。 苗立枯病 <被害の特徴と発生生態> 病原菌の種類によって症状が違う。 発芽後の苗がしおれ、黄化枯死する(フザリウム菌)。根が水浸状になり褐変し、しおれて枯れる(ピシウム菌)。灰白色のカビが生え、苗の不揃い、枯死が見られる(リゾープス菌)。床土にはじめ白いカビが生え、やがて黄緑色になり発芽障害となる(トリコデルマ菌)。 |
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いもち病 <被害の特徴と発生生態> 葉、節、穂首、もみなどに感染し発病する。 葉いもちは、葉に褐色で紡錘形の斑点ができる。病斑には壊死線と呼ばれる褐色の条線があるので、ごま葉枯病と区別できる。 病斑には、白斑型、褐点型、浸潤型、停止型などがある。多発すると株が小さくなり、いわゆるずり込み症状になる。 穂首部分が侵されたものを穂いもちといい、穂が折れやすく、白穂になったり稔実が悪くなったりする。 低温、日照不足、降雨が多いと発病が多い。 <防除> 本田での密植、窒素過多を避ける。 種子消毒を行い、田植え後は置き苗を放置しない。 ごま葉枯病 <被害の特徴と発生生態> 葉に褐色で楕円形の斑点ができ、周辺に黄色のカサができる。病斑にはやや不鮮明な同心円状の輪紋があるのが特徴である。 もみには周辺部に不鮮明で暗褐色(中央部灰白色)の病斑ができる。節に発病すると、黒褐色の斑点ができるが、いもち病のように折れることはない。 <防除> 秋落ち田で発病しやすいので、ケイ酸質肥料の施用や客土で土壌の改良を図る。 根腐れをおこさないように、水管理をする。 |
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白葉枯病 <被害の特徴と発生生態> 葉の縁が波形に白くなり、葉先のほうから枯れる。発病が激しい場合、株の葉全体が灰白色になって枯死する。 発病葉では早朝、葉の縁に濁った露が見られ、乾燥すると黄褐色の塊となる。 病原菌は傷口から侵入する。台風直後の傷や冠水により発病することが多い。 <防除> 病原菌は雑草のサヤヌカグサで越冬するので、水田周辺のサヤヌカグサを刈り取る。 浸水、深水を避ける。 窒素肥料をやりすぎないようにする。 紋枯病 <被害の特徴と発生生態> 水面に近い葉鞘に、はじめ橙色、楕円形の不鮮明な病斑ができ、やがて中央部が灰白色、周囲が褐色の病斑となる。 病斑は下の葉鞘からしだいに上に進み、葉や穂に発生することもある。 病斑上に1~3ミリのうすい褐色の病原菌の塊(菌核)が見られることがある。 <防除> 早期早植栽培は被害が大きい。幼穂形成期と穂ばらみ期の2回の防除が必要である。 窒素肥料の過用、遅い追肥は避ける。 株間や条間を広げ、風通しを良くする。 |
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もみ枯細菌病 <被害の特徴と発生生態> 穂で発病すると、もみ全体が青白色になり、後にうすい褐色になる。シイナになることが多く、穂は直立したままである。 発病した玄米には、健全部と病変部の境に褐色~淡褐色の縞が帯をまいたようになることがある。 育苗箱で発生すると、葉がねじれて褐色になり、腐敗して枯れる。育苗箱での発生はパッチ状に現る。 <防除> 種子伝染するので、種子消毒を徹底する。 育苗中は高温(30℃以上)にならないようにする。 稲こうじ病 <被害の特徴と発生生態> もみに発病する。乳熟期頃のもみに黄緑色の塊が出き、もみ全体を包み、やがて表面が破れて濃緑色の粉状の塊となる。 多発すると、穂に濃緑色(橙色になることもある)の塊が多数つき、周辺のもみに胞子が付着し、まわりが坪状に黒ずんでみえる。 出穂期にかけて低温、日照不足の年に多い。 遅まき、遅植え、晩生種で発生が多い。 |
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ツマグロヨコバイ <被害と虫の特徴> 虫が葉に群がって汁を吸う。吸汁による実害はほとんどないが、多発すると虫の排泄物にすす病が発生して、葉が黒く汚れる。 吸汁時に萎縮病ウイルスを媒介する。 体長は雌が6ミリ、雄は5ミリである。体色は緑色で、雌の翅の先端はうすい褐色、雄の翅の先端は黒色である。幼虫はうすい黄色で、尾端がとがっている。 <防除> 田んぼの中やあぜのイネ科雑草で越冬するので、雑草を刈り取る。 萎縮病 <被害の特徴と発生生態> 病原体は萎縮病ウイルスで、ツマグロヨコバイによって媒介される。 株全体が小さくなり、分けつが増える。葉の色が濃くなり、葉脈に沿って連続的に白色の小さな斑点ができる。 早植えの稲が6月上中旬に感染すると出穂せず、被害が大きい。7月以降に感染した場合は出穂するが、シイナになることがある。 <防除> ツマグロヨコバイを防除する。 |
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ヒメトビウンカ <被害と虫の特徴> 虫が葉に寄生して汁を吸う。密度は低く、吸汁による実害はほとんどないが、縞葉枯病の病原ウイルスを媒介するので問題になる。 体長は3~4ミリ、体色はうすい褐色で、雄の背中が黒いのが特徴である。 <防除> 田んぼの中やあぜのイネ科雑草で越冬するので、雑草を刈り取る。 密植を避け、窒素肥料をやりすぎないようにする。 縞葉枯病 <被害の特徴と発生生態> 病原体は縞葉枯病ウイルスで、主にヒメトビウンカによって媒介される。 葉脈に沿って黄色の縞状の斑点ができる。 生育初期に発病すると葉がこより状に巻いて長くなり、垂れ下がる。その後、7月下旬~8月上旬に枯れる。 生育後期に発病すると草丈が低く、出穂しなかったり、不稔になったりする。 <防除> ヒメトビウンカを防除する。 |
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ニカメイチュウ(ニカメイガ) <被害と虫の特徴> 幼虫が葉鞘や茎の内部に潜って食害するので、葉鞘は褐変し、芯枯れになる。また穂が出なかったり、白穂になったりする。 幼虫は体長2~2.5センチ、うすい褐色の地に5本の濃い褐色の縦縞がある。 成虫は体長1~1.5センチの蛾である。翅は黄色または褐色で模様はない。 1年に2回発生するのでニカメイガ(二化冥蛾)の名がついた。 <防除> わらの中で越冬するので、多発するほ場ではわらの処分を徹底する。 イネアオムシ(フタオビコヤガ) <被害と虫の特徴> 幼虫が葉を食害し、葉にカスリ状の食痕が見られる。多発すると葉が食いつくされて中央の葉脈だけが残る。 幼虫は体長2~2.5センチで、シャクトリムシのような歩き方が特徴である。 成虫は体長0.8~1センチの蛾である。翅は黄色で2本の褐色の帯がある。フタオビコヤガの名はこれに由来する。 1年に5~6回発生し、局地的に多発する。 |
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イネツトムシ(イチモンジセセリ) <被害と虫の特徴> 葉を折り曲げたり綴り合わせて作った巣(ツト)の中に潜み、周囲の葉を食害する。また、ツトに妨げられて穂が出なくなる。 幼虫は体長3~4センチ、うすい緑色で背中に褐色のすじがある。成虫は体長2センチ、翅は褐色で小さな白斑がある。 1年に3回発生し、8月上~中旬の被害が最も大きい。 成虫は秋に集団で西または南に向かって長距離移動する。 <防除> 窒素肥料が多いと多発するので、やりすぎないようにする。 コブノメイガ <被害と虫の特徴> 幼虫は糸で綴って葉を縦に巻き、内側から薄皮を残して食害するため、食害された部分は白く透ける。 幼虫は体長1.5センチ、体色は黄色である。成虫は体長1.5センチ、翅は黄色で、細い褐色のすじがある。 低温に弱いので国内では越冬できず、毎年梅雨期に中国大陸から飛来する。 |
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トビイロウン力 <被害と虫の特徴> 株元の葉鞘に群がって汁を吸うため、株が弱って9~10月に枯死する。多発すると水田の中に直径5~10mの円形に枯れた部分ができる(坪枯れ)。 成虫は体長4~5ミリ、濃い掲色で油ぎって見える。幼虫は体長1~3ミリ、褐色である。 毎年中国大陸などから飛来し、国内で3回発生する。被害が秋に発生するため、秋ウンカと呼ばれる。 <防除> 密植を避け、風通しをよくする。 窒素肥料をやりすぎないようにする。 セジロウンカ <被害と虫の特徴> 株元の葉鞘に産卵し、その部分が黄色または褐色になる。多発するとイネの生育が悪くなる。また、虫の排泄物にすす病が発生して葉が黒く汚れる。 成虫は体長4~5ミリ、黄色で背中に白いすじがある。幼虫は体長1~3ミリ、白色で、背中に黒い模様が見られる。 毎年中国大陸などから飛来する。被害が夏に発生するため、夏ウンカと呼ばれる。 <防除> トビイロウンカと同じ。 |
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イネミズゾウムシ <被害と虫の特徴> 成虫は体長3ミリ、灰色で背中に黒い模様がある。葉をすじ状に白く食害し、多発するとイネの生育が悪くなる。あぜの近くに多く見られ、水田の中央には少ない。 幼虫は体長8~10ミリ、乳白色のウジムシである。根を食害するため、多発すると株の生育が悪くなる。 成虫が水田の近くの土手や雑木林で越冬し、5~6月に水田に飛び込んでくる。 1970年代にアメリカから侵入した。 イネドロオイムシ <被害と虫の特徴> 成虫、幼虫ともに葉を食害し、白いすじ状の食痕が残る。 成虫は体長4~5ミリの小さな甲虫である。体色は胴体が黒色で、背中は黄色である。幼虫は体長5ミリ、泥状の糞を背負っており、濃い褐色の水滴のように見える。 もともとは北陸や東北地方で発生の多かった虫であるが、早植え化が進むとともに近畿地方でも発生が増えている。 |
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イネシンガレセンチュウ <被害と虫の特徴> 葉の生長点が食害されると、葉先が白く枯れて曲がったり巻いたりする。 穂が食害されると、玄米に黒い斑点ができ、黒点米となる。もみが不稔となる場合もある。 センチュウは昆虫ではなく、人間に寄生する回虫やギョウチュウの仲間である。体長は0.5ミリで細長く、肉眼では見えない。 <防除> センチュウは種もみの中で越冬するので、被害もみは処分する。 スクミリンゴガイ(ジャンボタニシ) <被害と虫の特徴> 移植直後の苗を食いつくし、欠株になる。生長した株では実害はない。 大型の巻貝で、成長すると体長8センチになる。卵は赤く、イネの株や水路の壁面に数百個固めて産みつけられる。 南米原産で、1980年頃に養殖用として輸入されたものが逃げだして水田に侵入した。 <防除> 貝や卵塊を見つけしだい処分する。 冬にロータリー耕で水田の耕起を行い、貝の密度を下げる。 田植後20日間は、水深4センチ以下の浅水管理にする。 |
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イナゴ類 <被害と虫の特徴> 葉を激しく食害し、多発すると葉やもみが食いつくされる場合がある。 成虫は体長3~4センチ、緑色で胸に褐色の筋がある。翅の短いコバネイナゴと翅の長いハネナガイナゴがいるが、コバネイナゴが多い。 1970年代には少なくなっていたが、1990年頃から再び多くなってきている。 <防除> あぜや休耕田の雑草が発生源になっているので、除草を徹底する。 コバネササキリ <被害と虫の特徴> 穂軸を食害するため、被害部はささくれだち、白穂になる。もみを直接かじる場合もある。 体長2~3センチ、体色は緑色または褐色である。イナゴによく似た虫であるが、触角が体の長さよりはるかに長いことにより区別できる。 夜行性であり、また密度が低いため、ほとんど人目につかない。 <防除> 白穂が目立って気になるが、虫は少なく、全体としてみると収量の減少はほとんどない。 |
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斑点米カメムシ類 <虫の特徴> ミナミアオカメムシ 成虫は緑色であるが、斑点をもつものもいる。幼虫は黒っぽい体に白い斑点を多数もつ。幼虫は集団で加害する。 トゲシラホシカメムシ 成虫、幼虫とも全体が褐色で、背中に1対の白斑をもつ。成虫は背中の両側に鋭い突起をもつ。 ホソハリカメムシ・アカスジカスミカメ 褐色で細長い体をしている。 <被害の特徴> 成虫と幼虫が出穂後の登熟期に籾の汁を吸う。 登熟初期に加害を受けると、しいなや屑米が増え、中期以降に加害されると斑点米となる。 <防除> 水田周辺の草地で成虫越冬するので、周辺の除草に努める。 |
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